高妻山へ弥勒尾根新道を登る
長野市街から県道506号線を上って飯綱高原へ。
飯綱高原スキー場から戸隠方面へと向かい、台座法師池からバードラインを北上していく。
戸隠神社奥社を過ぎ、戸隠キャンプ場の入口にある広い駐車場に車を停めた。
登山口は戸隠キャンプ場から。
時間のかかる行程を見越して朝5時前に到着。
戸隠という場所は登山だけではなく、観光地やキャンプ地としても人気があるので、朝5時という早朝にもかかわらず駐車場にはたくさんの車が停まっていた。
準備を終えてキャンプ場を進むと、すでに歩き始めている人もいるようで、ザックを背負った姿と鈴の音が聞こえる。
コテージが並ぶキャンプ場を抜け、牛が草を食む牧場に。
10分ほどで一不動と弥勒尾根新道への分岐点に出た。
直進すれば戸隠山へも続く一不動。
今回は2001年ごろにできた弥勒尾根新道へ。
牧場を抜け、本格的に山の中へ入っていくとすぐに急な登り坂になった。
木々に囲まれて登り続ける
前日の雨のせいで少しぬかるむ足元、緑に囲まれて九十九折りに登り坂が続く。
ほんの5分ほどの平なところがあった以外は、延々と登り続ける。
スタートから1時間半ほど。
展望が開け目の前に五地蔵山が見えた。
後ろには飯縄山が見え、左側には黒姫がある。うっすらと信濃町も見える。
五地蔵山が見えたことで、これから先の登りがどこまでなのか見当が付く。
下り坂もなく登り続けること2時間。
一不動からのルートとの合流点、六弥勒に到着した。
高妻山を目指し、六弥勒から八丁ダルミへ
合流地点は水平距離で全行程の6割ほど。
緩くなった坂道を進むと乙妻山の肩が見えた。
厚い雲が残っているので、この先の展望は悪いけれど高妻山の影が見える。
噂に聞く急登も見え、残雪があるのが分かった。
道をふさぐような残り方はしていないようだ。
番号を振られた祠を通り過ぎながらピークも幾つか越えていく。
五地蔵を目指して六弥勒の合流地点まで登り続けたこのタイミングでのアップダウンは堪える。
下山時に苦労しそうなアップダウンだ。
八観音あたりで振り返ると五地蔵山が見える。
アップダウンを繰り返すうち、高妻山が近づき直登のようなルートが見える。
近づくほどに急登ぶりが伺える。
スタートから2時間40分ほど。
九勢至に着いた。
ここからの高妻山は、まさに信仰の山だということが伺え、険しさも見られるポイントだった。
すぐ近くに山頂のような岩場が見える。
もう少しで到着するという安心感と一緒に高妻山の最大斜度がやってきた。
坂道を登るというより、天に向かって上がっていくような坂道。
10m進んでは足を停めて先を見上げ、また10m進んでは、と繰り返しながら進んでいると目の前に雪渓があった。
雪の残る6月の高妻山
6月の高妻山は雪が残っているということも多く、そういった情報も得ていたのでアイゼンも持っていた。
それにしても勾配がきつい。
雪は腐ってズルズルとした状態で、少しでも足元を滑らせたら、戻ってこられないほど下まで滑落するだろう。
しかも、ここに到着したのが今日一番乗りだったらしく前日までの足跡が消えている。
歩けそうな場所を探りながら、爪先で雪を蹴り、足を差し込みながらユックリと登る。バランスを取るために手の届く範囲で枝や笹を掴みつつ、足を滑らせないようにすることだけに気をつけて進んだ。
おそらく雪渓は50mほどだった。
誰もが苦しむ高妻山の急登
雪渓を登り切ったところからも、まだまだ急登は続く。
そこに山頂が見えている。
懸命に登っていると、ふと斜面が緩くなって、先に見えたのは岩場とそこに立つ銅の鏡。
この先に山頂が見える。
山頂は岩場になっていたけれど、広くゆっくりと休憩ができた。
天気が余り良くなく、眺望が無かったので日本海や北アルプスを見ることはできなかった。
僅かに乙妻らしき山容が見えた。
山頂まで約3時間半。
登ってきていた急登は、下りだとさらに高度感を増していて、垂直な壁のようだった。
高妻山からの下山路
下山は一不動を経由して戸隠牧場へと戻るルート。六弥勒から五地蔵を過ぎ、尾根伝いに一不動まで歩いて行く。
左側は切り立った崖で高度感があり、難易度の高い場所では無いものの気を抜いて歩いて行くことはできない。
アップダウンもあり弥勒新道を登った足には堪えるが、戸隠連峰らしい険しさが感じられた。