信濃町の薬師岳
斑尾山を向こうに望む信濃町船岳。
稲とリンゴ畑を手前にして薬師岳が見える。
高くはない標高と、まったく眺望が望めないほどに茂った緑は、きっと登っても楽しめるようなものもないと思え、目的が無ければ登ることもない。
それにも関わらず、南北から見た舟形と東西から見た円錐形が美しく、長閑な田園風景の中に存在感があった。
薬師岳の東側の麓。
薬師堂が建つ富濃登山口にきた。
車が2・3台停められるほどのスペースがあり、登山口の看板が建てられている。
杉の木が立ち並ぶ中で、薬師堂のまわりは陽が当たりやすいようで、登山道には草が鬱蒼と生えていた。
登山時間は20分ほどの予定で、高くも長くも歩かないため軽装のまま薬師岳へと入っていく。
序盤の数分は真っ直ぐに登っていく。
シマヘビがいた。
ふっといの。
登る前に見ていたウェブサイトで、ヘビに注意だという記載を目にしていた。
草が茂っている様子で、見るからに棲んでいそうな気配は感じていたものの、まさか思ったとおりに遭遇するとは思いも寄らず。
しかも1mは超えていそうなほどに長く太い。
シマヘビとはいえ、突然足元で這われるのは気持ちが悪い。
ヘビは怖くないけれど、突然出てくるから気持ちが悪い
まっすぐに登り切ると、急な斜面を九十九折りに登る。
低山ならではの落ち葉が積もった柔らかな地面。
湿気を含んだ様子が滑りやすさを感じさせる。
クモの巣がある・・・ありがちな感じで
厚い杉のおかげで見えるものは地面と木々のみで、ときどき違う種類の木の葉と木漏れ日を見て楽しむ程度。
登るほどに斜面は急な角度に変わっていく。
ただ折り返す登山道は変わらず、ただ下へと落ちていく斜面が深く感じられるだけ。
登山道の左右に生えていた草は、登るほどに薄くなり、歩きやすく感じられた。
足元に土が露出していれば、ヘビが突然現れることも少なく思われ、それ以上に怪しみながら歩く必要がない安心感があった。
着いた
スタートから16分
登り始めて16分。
お堂の建つ山頂部に到着した。
最高地点は広い山頂部にあり、お堂が建つ場所が最も高いとはいえないようだった。
杉の林には草木も茂り、最高地点を探してさまよい歩くのも気が引け、井戸の看板があったもののその方向へ歩いてみるのも興味が削がれるほどだった。
山頂に着いたこと以外に興味を持っていた物も無ければ見たいものも無く、早々に下りることにした。
藪の中を歩くのは嫌だなと思い。。。
登ってきた道を折り返して九十九折りの登山道を戻る。
登りでは気にならなかった傾斜は、滑りやすそうな雰囲気もあって、足元に注意をして下りていく。
序盤、出会ってしまったヘビがまた現れるのではないかという思いもあり、早々に戻りたい気持ちだった。
下りではヘビを見なかった