一の鳥居から登る
西武秩父線の横瀬駅方面から武甲山へ進んで行く。
現在でもセメントの採掘が行われ、登山口へと向かう道路の左右にはプラントが建ち並ぶ。
工場に特別な興味がなくても、大きなダンプと設備が並ぶ様子には迫力を感じる。
武甲山へは一の鳥居登山口から。
狭い道路を登っていくと右側に鳥居が見え、狭い入口から駐車場へと入っていく。
30台ほどの車が停められるだろうか。
いっぱいになった駐車場で準備を整え、登山道へと入っていく。
登山口からしばらくは舗装の道路を歩いて行く。
斜面に建てられた家屋がいくつかあり、中には養魚場らしいものも見られた。
登山道の横には川が流れ、その様子を見ながらコンクリート舗装の道路を登っていく。
15分ほど登ったところで分岐点に出た。
持山寺跡へと進む分岐で、こちらは急勾配の登り坂がある。
分岐をそのまま直進していくと、舗装の道路は砂利が敷き詰められ落ち葉の積もった登山道に変わり、両側には杉が背高く育っている。
5分ほどで不動滝を過ぎ、少し登ると武甲山御嶽神社参道の標が建っていた。
景色の変わらない杉の樹林帯を右へ左へと折れながら高度を上げて行く。
不定期的に「○丁目」と書かれた標が建ち、これを目安に登っていく。
登山口近くで目にしたときには四丁目と書いてあり、山頂付近までカウントアップしながら五十一丁目まで続く。
登山道のところどころには小さな地蔵が置かれ、いかにも信仰の山という印象が強い。
三十一丁目付近まで来ると、見上げるようにしていた木々の隙間から見える青空が、視界の高さに見えるようになってきた。
杉に囲まれているために視界は無いがおそらく削られた山肌が近いのだろう。
登山口から40分ほどで大杉の広場に到着。
杉が周辺を囲んだ中にベンチが置かれていた。
三十七丁目まで登ると足元には霜柱ではなく氷が目立つようになってくる。
大きな石も多くなり、そのまま三十八丁目三十九丁目と進んで行くと、四十二丁目近くまで登って登山道一面に氷が残った状態になった。
大きな石の先端や木の根は露出しているので、どこも滑りやすいという状態ではないものの、迂闊に足を置くと転倒にも繋がりそうな氷と雪の登山道。
問題のなさそうな場所を選びながらの登り坂。
見上げると青空が見えて山頂が近い雰囲気。
五十丁目の標が見え、五十一丁目へと進むと持山寺跡からの登山道と合流した。
山頂と書かれた方向を見るとトイレと御嶽神社の社殿とがあり、明るく陽が射す様子が登山道の冷たく氷った雰囲気から一変して春の雰囲気に見えた。
御嶽神社の鳥居を潜り、社殿の前を横切っていくと金網と柵が見え、そこに掛けられた「第1展望所」の文字が見えた。
矢印に沿っていくと、秩父市街を一望する山頂に到着した。
武甲山山頂
登山口から1時間13分での山頂到着。
採掘された斜面が5mとない場所に迫っているため、二重に柵が張られ、その向こうに市街地を見下ろすことができた。
山頂の東側も柵で囲われているため広く見て歩くということもできず、北側の眺望だけを楽しんだ。
西上州の山並みの向こうには浅間山が噴煙を上げているのも見える。
武甲山からの下山
山頂から御嶽神社へと戻り、五十一丁目の標から持山寺跡ルートへと進む。
こちらは途中まで大持山への縦走路になっており、鞍部から持山寺跡へと分岐する。
分岐まではひたすらに急な下り坂が続き、陽が当たるために氷った斜面は無かったものの、なかなかに苦労をしそうな坂道だった。
分岐点からは杉林の中を下りていく。
斜面をトラバースするように登山道が作られているために足元は狭く30センチほどのところも。
日影では氷が張り凍みついたところもあり、斜面ということを思えば滑落の心配もしたくなる。
鞍部の分岐点から10分ほど下ったところで、登山道のすぐ下に林道を見つけた。
林業のための道路か、途中から合流し歩きやすい道が続く。
途中「至持山寺跡」という矢印があったが、そちらはロープが張られていたために立ち入ることができず、杉林の中に石像が建っているのが見えた。
杉の登山道をひたすらに下り30分ほど。
表参道との合流地点に出た。
ここから駐車場まで舗装の道路が続く。
登山道の横にある家屋と、登りとは変わった陽の光での景色を見ながらの下山路だった。