尾根上を歩く聖山のメインルート
前日までの雪の積もった三ツ和峠。
聖湖から三ツ和峠までの車道は新しい積雪と、朝まで雲に覆われていたおかげで霧氷が多く発生し、登山口までの道のりも楽しい。
長野自動車道麻績ICから聖高原へ向かい、曲がりくねった坂道を上り聖湖手前から別荘地へ。
川島別荘跡を過ぎ、すずらん湖の駐車場を右へ進む。
坂道を登り切ったところに三ツ和峠の看板があった。
三ツ和峠には駐車場が無いため、車道の端に車を寄せて停め、看板のある登山口から樹林帯へと入っていく。
ふんわりと積もった雪を踏みながら登山道へ。
序盤は急登から始まり、足首から膝下ほどまで足を埋めながら登っていく。
冬季でも多くの人が歩いているらしく、積雪の下にはしっかりと固まった雪の感触があった。
登山道にもふわっとした状態で踏み跡が見え、ときどき登山道から外れて林の中へと入っていく足跡も多いなかで、特に道に困ることも無く進むことができる。
マイナーだと思ってたけど意外と踏み跡があるものだね
序盤の急登は5分ほど、緩やかに下りたあと三股の分岐があり、その真ん中の道を登っていく。
狭く急な斜面で、膝下まで足を埋めながら歩幅を小さくして登る。
すでに登山口周辺で真っ白だった霧氷は、陽の温かさと風で散り始めていた。
風が吹く度にパラパラと音を立てて雪が落ち、それを浴びるようにしながらの登山道。
約10分ほどの急登を過ぎると、緩やかな下り坂へと変わった。
ずっと真っ直ぐ
尾根上を真っ直ぐに登山道が続き、木々の合間からは間近に霧氷が広がり、遠くには真っ白な北アルプス、その反対側には霞んだ八ヶ岳や中央アルプスが見えた。
尾根の雪は陽射しのせいか重く湿り始めていて、踏みしめる度に雪が軋む音がし、跳ね上げる際には腿に重さを感じる。
ほぼ平坦な緩やかな登りで、散歩のような登山道。
変化が無く退屈なようでもあり、安心感のある散歩のようでもあった。
聖峠
穏やかな尾根の登山道を歩くこと35分。
坊平からの合流地点に当たる聖峠に到着した。
右手側には三ツ和峠からの道路も見え、近くのお種池へと立ち寄ることもできる。
それまでの緩く穏やかな登り坂は、聖峠を境に勾配がキツく変わる。
斜面を右へ左へと蛇行して登っていくせいか、登山道上の雪質も柔らかくなり、ところによっては膝まで埋まるところもある。
陽の光だけは温かく、絶え間ないほどに霧氷が散っていく。
聖峠から15分ほど登ると、山頂へと続くピークへと到着した。
東屋が建つピークで雪が無ければ立ち寄るところ、今回は山頂への分岐に従って進んでいく。
鞍部へと下りると踏み跡が消え、膝まで雪に埋まりながら登り返していく。
山頂のアンテナはすぐ近くに見え、分岐から10分ほど、聖山の山頂に到着した。
聖山山頂
三ツ和峠からは57分、聖山に到着した。
登山口でうっすらと雲に覆われていた空は、すっきりとした青空になり、長野市街に雲がかかっている以外は、周辺の景色を見渡すことができた。
聖山の特長ともいえる山頂からの眺めは素晴らしく、周辺の山々を見渡せる中でも特に周囲を覆うような北アルプスの存在感があった。
南側には乗鞍岳が大きく存在感があり、眼下に見える筑北村と、その聖山の斜面にはわずかに残る霧氷と木肌の茶色がおもしろかった。
下山
聖山山頂からの下山はピストンで三ツ和峠へ。
登り坂に自分でつけてきた足跡を踏みながら、登山口を目指して行く。
ふわっとしていた雪の感触は、わずかな時間でも溶けたのか重く感じ、登りと下りとで違う歩幅を見ながら三ツ和峠へと下りていった。
霧氷を見るなら早い時間が良いと思いました