四阿山 根子岳冬季縦走

2354m

青と白の縦走

菅平高原 2016年2月5日

冬の四阿山 根子岳縦走 (2月)|積雪期の四阿山へ根子岳経由で登る
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長野県と群馬県の県境に位置する四阿山。
標高は2,354m。
冬季のこの時季は四阿高原と菅平高原が主な登山口となっている。
菅平高原からは隣に聳える根子岳との縦走も可能で、2山あわせての登山も楽しまれている。

四阿山付近は雲が溜まりやすく、市街地は晴れていても山頂部は曇っていることが多い。
特に冬季は根子岳側で樹氷が大きく育つほど雪深く気温も低下する。
天候の安定する2月になってからの根子岳四阿山縦走は、運良く青空が広がり、太陽に輝く雪面がとても美しく見えた。

最高標高
2354m
登山口標高
1460m
登り
菅平高原
下り
菅平高原
歩行ペース
登り3:11・下り1:30・合計4:41
平均の歩行速度
2.62km/h
距離
11.94km
累積標高
1062m
1070m
平均斜度
10.1度
時季
2016年2月
天気
晴れのち曇り
日程
日帰り

歩いたコース

この日のコースタイム

  1. 菅平高原
  2. 根子岳登山口(0:15)
  3. 根子岳山頂(1:45)
  4. 四阿山・根子岳分岐(2:51)
  5. 四阿山山頂(3:11)
  6. 四阿山・根子岳分岐
  7. 小四阿
  8. 四阿山登山口
  9. 菅平高原(4:41)

冬季の四阿山根子岳縦走は1年ほど前から計画していました。
降雪の多い山なので、思った通りには歩けないことも予想していました。
とくに鞍部からの登り返しは夏でも大変なので尻込みするところです。
景色だけを楽しむのなら根子岳でも十分だと思います。
縦走しなくても四阿山でも最高の景色だと思います。
鞍部からの登り返しは新雪の状態によっては歩くのが難しいこともあるかもしれません。
根子岳から四阿山へ向かうより、四阿山から根子岳へと歩く方が難易度は低そうです。

使った登山道具

持って行った水の量

積雪期の根子岳から四阿山への縦走

冬季の菅平牧場は除雪や整備もあり、夏のように登山口の最寄りまで車を寄せることができない。
菅平から牧場への入口、料金所の脇にある駐車場に車を停め、登山口を目指して約1キロの登り坂を歩く。
まっすぐに延びた登り坂は、実際以上の距離に見え、なかなかに辿り着かない。

根子岳登山口のすぐ横には、夏季の駐車場が除雪済みで整備されているが積雪期は駐車禁止。
道路脇も路上駐車禁止となっている。

根子岳へ

駐車場から根子岳登山口へは15分ほど。
根子岳へ雪の積もった登山道を登っていく。ふかふかとした見た目とは違い意外にも固く締まって歩きやすい。
スノーシューでの踏み跡もあり、それを追っていくと足が埋まることもなく難なく歩くことができる。

登山口から20分ほど掛けて東屋に到着。
振り返るとスキー場の先に北アルプス南部の山並みが見渡せる。

東屋を過ぎると、登山道の踏み跡は50センチほどの幅で踏み固まってさらに歩きやすい。
サラサラとした音を立てながら足元で崩れる雪が気持ち良い。

30分ほど登ったところで夏季ルートを外れ、木から抜けた斜面に出た。
正面を見渡すと樹林帯の先に根子岳の山頂。
真っ白になった樹木が見える。
東屋近くでは踏み固まっていたトレースは、標高が高くなるに連れて徐々に疎らになり、踏み抜く場所も増えてきた。
いくつもあったはずの足跡は、いつの間にか2つほどに減っている。
風雪で埋まったか途中で引き返したか。

樹林帯を抜けると西から吹き付ける風が冷たい。
雲母のように大きな結晶になった雪面が太陽に反射してキラキラとしている中、根子岳に向かって登っていく。
冬の根子岳の象徴的なスノーモンスターにはまだほど遠いほどの積雪で、ときどき雪を踏み抜いては笹の中に足を突っ込んだりした。

駐車場から登り始めて1時間45分、根子岳に到着した。
登山口からは1時間半ほどの到着だった。

青空の広がった根子岳からは北アルプスと、鞍部の先に見える四阿山が綺麗に見えた。
北側の志賀高原から流れてくる雲が早く、日本海側や北アルプス北部の厚い雲が間近に見えた。

根子岳から四阿山へ

根子岳での景色を楽しんだあと、四阿山へ向けて鞍部へと下る。
根子岳から鞍部への下りは、このルート上での難所になる。
短い区間ではあるものの狭い岩場が続く。
最近まで降っていた雪と風でトレースは曖昧で、動物の足跡を追うようにして登山道を渡っていく。

岩場を抜けると、眼下に広がる雪原。
四阿山との鞍部になる笹平は積雪期に限らず夏季も気持ちが良い。
陽の光を受けて温まった体で雪原へと降りる。
トレースは消えて先のルートは分からないのが、かえってフカフカとした感触を強調してくれるようで良い。
四阿山の稜線への取り付きを探りながら、雪原の新雪を踏みしめる。

トレースがまったく見えない中、ひとまず斜面に近づけば稜線へ近づくことができるだろうと木を縫って歩いて行く。
取り付きであろうと思われる場所に近づいた頃、同じように稜線へと登ろうとする踏み跡を発見。
この踏み跡に沿って斜面を登っていく。

行く先の木にはテープが見えないので、おそらくこの踏み跡も夏季の登山道ではないことが分かる。
斜面の取り付きから30分ほど。
ふと右手側にテープが見えた。
稜線を目指して行く中でルートと合流したようで、ここからテープに沿って登る。
踏み跡は雪に埋まってしまったようで、トレースらしいものも無い。
時々、新雪に足を取られながらテープに沿って登る。
稜線の直下。
あと10mほどというところが最も急な箇所で、つま先で蹴り込みながらステップを作り、ようやくなだらかな稜線に出ることができた。

四阿山へ

根子岳から四阿山への分岐に出ると、行く先の木々の間から四阿山の山頂が見えた。
サラサラの雪が気持ち良く、登山道を四阿山に向けて近づくと尖った山頂がますます近くなる。

分岐から20分ほど、直下の登り坂を越えて山頂に到着。
根子岳からは1時間半ほどでの到着だった。

四阿山山頂

駐車場から3時間11分。
四阿山に到着した。
ふたつある山頂の祠は、長野県側が雪に埋まり、群馬側の祠だけが露出していた。
四阿山の山頂からは、晴れ渡った群馬側の山々が見渡せ、浅間山から榛名山、赤城山への眺望が良かった。
谷川岳などの日本海に近い方は雲が厚く、北アルプスも北部は雲が多く見えた。
あまり風が強くなかったせいか寒さもあまり感じず、十分に景色を楽しむことができた。
先に登った根子岳を見下ろしながら、山頂の乾燥した雪を楽しむことができた。

四阿山からの下山ルート

四阿山からは菅平牧場へ。
太陽が高くなり緩くなった雪面を降りていく。
意外にも踏み跡が少なくうっすらとトレースが残っている程度。場所によっては正しい登山道を探しながら降りていく。
小四阿を過ぎるころには、トレースが明瞭ではなくなってなり、動物の足跡を追うようにした。
足跡を外れると笹の中に踏み抜いてしまうので、動物も雪が締まっているところを歩いているのだろう。
野生動物に先導されるような印象で、そんなルート選びも楽しい。

四阿山を下りて1時間10分ほどで四阿山登山口に到着。
車を停めている菅平牧場の駐車場へは、さらに1キロ以上、舗装路を歩いていく。

牧場内を歩くコースも用意されているが、雪が少ないせいか鉄条網で仕切られている箇所もあり、また雪が緩んでいることもあって歩きづらい印象だった。
時間帯によっては交通量の無い車道の方が歩きやすい。

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