厳冬期 唐松岳

唐松岳 厳冬期

2696m

八方尾根 2016年2月12日

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長野県と富山県の県境に位置する唐松岳。
標高は2600mを越えるが、麓からゴンドラやリフトを繋いで高い位置から登山が開始できることもあり、北アルプスの中でも初心者向けの山として季節を問わず登山者が多い。
冬季の北アルプスとしては、登山口まで冬季閉鎖のない山でアクセスしやすい。
また八方尾根スキー場があるため、駐車場や関連施設が充実しているのも登りやすい理由のひとつになっている。

歩いたコース

登り
八方尾根
下り
八方尾根
最高標高
2696m
登山口標高
1830m
距離
9.10km
累積標高
948m
950m
平均斜度
11.7度
時季
2016年2月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り2:30/下り1:02/合計3:32
平均した歩行速度
2.66km/h

この日のペース

  1. 八方池山荘
  2. 八方池
  3. 唐松頂上山荘(2:10)
  4. 唐松岳(2:30)
  5. 唐松頂上山荘
  6. 八方池
  7. 八方池山荘(3:32)

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山と高原地図 白馬岳
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天候も良く雪も締まっていたので歩きやすかったです。
夏と違って急な勾配も直登している箇所が多いため、雪の状況によって難易度が変わると思います。
積雪が多く新雪でしたら歩くのも苦労ですし、今回のように歩きやすい雪面でしたら夏と変わらない時間で登頂も可能です。
初心者向けの山とはいっても北アルプスですので、悪天候時には登山道へと入っていくべきではないと思いますし、晴れていても強い風が吹き付けることもあるルートなので要注意です。

持って行った水の量

積雪期の唐松岳へ

降雪量の少ない2016年2月。
冬季の後立山だけあって天候に恵まれない日が続く中、降雪から2日間の晴れ間があった。
降雪が少ない上に八方尾根は例年のような強風が吹くため、雪は積もることもなく飛ばされ、固く締まった足跡が八方尾根上部から続いていた。

八方尾根スキー場の駐車場から最寄りのゴンドラアダムへ。
朝7時半の始業を待ち、リフトを乗り継いで八方池山荘へと向かう。

冬季は平日8時、休日7時30分からゴンドラアダムが始業。
発見前から列ができるため、余裕を持って券売のゲートに並ぶ。
往復のゴンドラチケットを買い、列に並ぶと時間通りに始業。スキー客に混じって数人の登山者が見える。

ゴンドラは麓から兎平まで往復で1800円ほど。
ゴンドラを下りてリフトに乗り換え、こちらも別でチケットを購入。
このリフトを降りてからゲレンデを横切り、最上部へと向かうリフトに並ぶ。
30分ほど待ったところでリフトが始業し、最上部の八方池山荘に到着した。

八方池山荘からケルンを追って八方池へ

同じようにリフトに乗ってきたスキー客に混じって足元の準備を整える。
先にはすでに登り始めている登山者とバックカントリーのスキーヤーとボーダー。
フカフカとした新雪からはほど遠く、ほどよく締まった歩きやすい雪質で、スキーで踏み固められたおかげで足幅もちょうどいい。

八方池山荘を少し上がると、右側には白馬三山が白く輝いている。
目の前に見える丸い丘には最初のケルンの先端。

風も強くなく歩きやすい。
出だしにしては勾配だけがきつく、まずは見えている第一ケルンを目印に歩みを進めていく。

15分ほどで最初のケルンを過ぎた。
急だった雪の斜面はいったんなだらかになり、右手に見える白馬三山の反対、左側には五竜岳と鹿島槍ヶ岳が見えた。
30センチほどの溝になったトレース。
それを外れても深く埋まることもなく、歩きやすい雪面が続く。
2つ目の石神井ケルンから少し登って第2ケルンを過ぎると、すぐに八方池を通過した。
ここまでで登山開始から約30分。

八方池は雪の下になっているが、ここからようやく目指す唐松岳の山頂が見える。
どこを見回しても景色が良く、白馬三山も五竜岳も迫力がある。
唐松岳の尖塔系と、尾根づたいに北へと延びる不帰のキレットが険しい。

丸山ケルンへ

八方池から見える唐松岳。
その手前に丸みを帯びた丘のようなピークの先に丸山ケルンが立てられている。
急な勾配の斜面と緩斜面の連続する登山ルート。
八方池を過ぎると木に囲まれた尾根を歩いていく。

この樹林帯から先が八方尾根の最も急な箇所。
夏の登山ルートでは九十九折りに登るこの箇所も積雪期には直登に変わる。
無数の踏み跡がある中から足場の良さそうなところを選んで登っていく。

右側から吹き付ける風も徐々に強くなり、先には細かな雪を吹き上げている様子が見える。
五竜岳への眺めも良い。

急斜面を越えると、いったん勾配はなだらかになる。
風が強く吹くからか積雪は少なくガレガレとした石が露出している。
振り返ると登ってきた尾根の先に北信の峰々が見える。

急斜面と緩斜面を繰り返しながら登山開始から1時間半で丸山ケルンを過ぎた。

唐松岳へ

丸山ケルンを過ぎると不帰のキレットがさらに近く見える。
ルートのある尾根から見下ろす沢も高度感がある。
唐松岳へは目の前に見える尖ったピークを経由する。
ピークの裏側にある唐松山荘を過ぎて鞍部をいったん下り山頂へと向かう。

ピークまではさらに勾配はきつくなり、さらに尾根も狭く変わっていく。
夏では斜面をトラバースするように続いているルートも、積雪期では尾根の真上を歩くことになり、場所によっては左右の幅が狭くなっている。
唐松岳は冬季でも登山者が多いことがあるため、擦れ違う際には雪庇や深い雪に足を取られないように注意がいる。

ピークの手前にあるトラバース箇所が、冬季の最難度箇所。
そう長くはない場所になっているものの、雪の深いトラバースは足を取られやすく、なおかつ見えないほどの急斜面が下へと続いている。
踏み跡がしっかりと付いているので、注意をして歩けば難しくはない。

トラバースを過ぎピークの上に経つと一気に眺望が開けた。

目の前に広がる立山連峰、剱岳。
左に目を移せば五竜岳とその背後に見える峰々。
左には唐松岳が見える。

ここからいったん鞍部へと下り、山頂へと向かっていく。

唐松岳山頂

足元に見える唐松岳山荘は冬季の営業が無いため、ピークの上で景色を楽しんだり休憩をする人も多い。
鞍部へと降りるルートは風が吹き付け積雪も少なく、場所によっては石が出ている。
ルートの右側には大きな雪庇もあるのでできるだけ近寄らないようにと歩いて行く。
最下部へ下りると、意外にも唐松岳が大きく見える。固く締まった雪のルートを山頂へ。斜面にはエビの尻尾が無数にできあがり、サラサラと音を立てながら雪が舞い上がっている。

唐松岳山荘の真上から約20分。
唐松岳の山頂に到着した。
登山口からは2時間30分ほどでの到着だった。

山頂からは白馬三山へと続く不帰のキレット。
よく見えると稜線上に足跡が見える。
立山連峰は雄大で険しさと美しい眺めが最高だった。
南へと視線を移すと大きな五竜岳。
その先には雲海が広がり、北アルプスの峰を隠していた。

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使った登山道具

冬の唐松岳へ向かう

冬の唐松岳へ向かう

唐松岳は北アルプス北部の後立山を構成する山のひとつです。
白馬岳、五竜岳に挟まれ、南側には不帰の険、北側には牛首岳と険しい岩場に挟まれた鋭鋒です。
八方尾根を利用したスキー場があり、麓の白馬村からゴンドラの利用ができるため、北アルプスの中でも体力的にも技術的にも簡単に登ることができます。
夏季だけではなく、雪の降り積もった冬季でもスキー場のゴンドラやリフトを利用して1800mを越える地点から登山を始められ、山頂までは標高差850mほど。
登山だけではなくバックカントリーでもたくさんの人が訪れています。

スキー場の最高地点でリフトを下りると、すでに森林限界で風を避けるための樹林帯の無い登山道が続きます。
急な斜面や危険な岩場はありませんが、吹き付ける風の強さや体感温度の低さは、太陽が出ているからといって必ずしも安心できるものではありません。
気軽に登れる部類とはいっても北アルプスです。
ただ好天に恵まれれば、左右に広がる雄大な雪山の景色と、徐々に近づく唐松岳の鋭鋒にテンションが上がります。
登山道の終盤では左右の幅が狭くなり、谷を見下ろしながら上を目指して行きます。
青と白だけが広がる景色はとても美しいものです。

百名山や二百までにも数えられない山ですが、後立山の景色楽しめるという点では素晴らしいと思います。

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