冬の北アルプス入門

唐松岳

2696m

八方尾根 2017年2月28日

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唐松岳は、北アルプス北部の後立山に位置する標高2696mの鋭鋒。
積雪量が多く、自然のままならば冬季は厳しい気候のために登ることの難しい北アルプスも、唐松岳は1850m付近までスキー場として利用されているために、リフトなどの交通手段が整い、比較的登りやすい冬山として楽しまれている。
登山道として利用するのは1998年の長野オリンピックのアルペンスキー会場としても使用された八方尾根。
まずは最下部のゴンドラアダムからリフトを乗り継いで八方池山荘を目指す。

週末は駐車場がすぐにいっぱいになるのです

歩いたコース

登り
八方尾根
下り
八方尾根
最高標高
2696m
登山口標高
1840m
距離
9.11km
累積標高
954m
956m
平均斜度
11.8度
時季
2017年2月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り2:17/下り1:28/合計3:45
平均した歩行速度
2.51km/h

この日のペース

  1. 八方池山荘
  2. 八方池(0:55)
  3. 唐松頂上山荘(1:55)
  4. 唐松岳(2:17)
  5. 唐松頂上山荘
  6. 八方池
  7. 八方池山荘(3:45)

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山と高原地図 白馬岳
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そう何度も登ることのできる山ではないと思っていたのですが、いつの間にか毎年のように通っている山のひとつになり、今回は3度目の積雪期の唐松岳でした。
春のような天気だったので、登りではとても暑く、夏と変わらないような姿で登っていましたが、山頂はさすがに寒かったです。
もともと風が強い場所でもあるので、天候が良くても油断はできないと思っていた方が良いです。
また登りやすいとはいっても積雪期の北アルプスですし、遭難事故も起きている場所なので、十分な準備と調査をして行くと楽しめると思います。

持って行った水の量

冬の唐松岳へ

例年のように積雪量が少ない冬の唐松岳。
昨年もそう多い年ではなかったところに、さらに輪を掛けて今年は雪が少ない。八方尾根スキー場の中でも北側にあるゴンドラアダム近くの駐車場に車を停め、チケットを買うためにまずは登山届けを記入。
兎平までの往復チケット代1780円だった。

唐松岳登山

朝早くに来たけれど、以外と楽にチケットが買えた

ゴンドラとリフトを乗り継ぐ

今回は駐車場も空きが多くあったせいかゴンドラに待つこともなく順調に上へ。
ゴンドラの次はリフトを乗り継いでさらに上へ。
アルペンリフトは往復600円、次のグラートリフトは560円と、都度購入するため頻繁に財布を出し入れする。

唐松岳登山

お会計は一度で全部を済ませたいのだけど、それはきっと何か理由があると思いたい

リフトからは白馬三山はもちろん、五竜岳や鹿島槍ヶ岳といった後立山の主要な山々への眺望も良い。
決して山に登らなくてもスキーとして訪れても景色が楽しめる場所というのが八方尾根の魅力。

標高1850mからのスタート

最上部のグラードリフトを下りると標高は1850m近くになる。
すでに森林限界を超え、八方池山荘の横から視界を遮る物の無い登山道が続く。
左右には雪を称え真っ白な白馬三山と五竜岳。
後立山らしいゴツゴツとした冬の山容が楽しめる。

唐松岳登山

リフトを下りたところから最高の景色

天候が良くても風が強いと登ることができないルートでもあるが、ここまで天候に恵まれるとこれ以上ないほどの景色を楽しみながら登ることができる。

積もった雪は固く締まっており、ところどころにフカフカとした場所はあっても全体的に雪が少ない印象だった。

八方池

登る先は雲ひとつない天候で、左右の山とのコントラストも最高。
振り返れば白馬村を覆うような雲海が広がり、こちらも見ていて飽きない景色だった。
天気予報通りなら雲海も時間が経つほどに晴れて長野県北部の山並みが見られるはず。

唐松岳登山

振り返ってばかり

30分

登り始めて30分と掛からないところで八方池を通過。
石神井ケルン、第2ケルンと目印にしやすいポイントを通り過ぎていく。
雪に覆われた八方池越しに白馬三山を眺め、視界に近づいてきた不帰の険を眺め、その南端にある唐松岳の尖った山頂を捉えながら先を目指す。

唐松岳登山

このへんから振り返った景色は見飽きてる

八方池から丸山ケルンへ

八方池からすぐにわずかな樹林帯を抜ける。
その樹林帯が終わるかどうかという辺りから、一気に勾配がキツく雪の急斜面が始まる。

急斜面の距離が長いわけではないが、雪の状態によっては足元が安定せずに登りづらいこともある坂道。
今回はしっかりした踏み跡のおかげで苦労することは無かったものの、過去には埋まる雪に苦労したことも。

唐松岳登山

初めての積雪期唐松岳はズボズボだった・・・

丸山ケルンへ

徐々に標高を上げ、見上げていた五竜岳も徐々に視界と同じ高さに変わってきた。
右手に見え続けている白馬三山も角度が代わり、白馬鑓ヶ岳に杓子岳が隠れていく。
先には丸みを帯びた雪の丘のようなものがいくつも見える。
そのたびに急な斜面を登り、緩斜面になって息を整えて次の急斜面に備えるという連続が続く。
再び疎らな樹林帯に入り、いったん下ったところから一気に斜面の角度が急に変わる。
だんだんと近づいてくる不帰の険の手前に見える丸い丘。
ケルンがポツンと見え、そこが唐松岳への最後のケルンになる。

丸山ケルンと書かれたそのケルンは、風が当たりやすい場所のせいか岩が露出してゴツゴツとした夏の様子が垣間見える。
この冬は雪が少ないとはいっても、ここまで地面が露出しているというのも春の近づきを感じる。

唐松岳登山

土が露出してるのだけど、これが当たり前なのかな?

唐松岳頂上山荘

丸山ケルンを過ぎると唐松岳へ向けて近づいていく。
徐々に登山道の幅は狭くなり、両側は高度感のある谷になっている。
雪質は固くアイゼンが刺さりやすく音が気持ちが良い。
足元から視界を移して景色を眺めると、岩壁に張りつく雪はアイスクリームのように見える。

登山道の先、唐松岳の手前に見える尖った高いピークがこのルートの核心部で、ここに至るまでの手前付近が最も狭く、そして急な斜面を繰り返す。
谷のように切れ落ちた急な斜面でもバックカントリーの滑った跡があることに驚く。

リフトを下りて2時間

登山口から2時間ほど。
ようやく急斜面を乗り越えて、唐松岳頂上山荘の真後ろにある高台に着いた。
それまで視界を遮っていた高い雪の丘。
登り切った瞬間に一気に景色が広がり、立山や剱岳といった富山側の北アルプスを一望する。
五竜岳はこれまで見えていたどの角度よりも深く大きく、その背後にある鹿島槍ヶ岳は双耳峰が鋭く尖っている。
右側に目を移すとこれから登る唐松岳。
富山湾が雲の下に見える。

唐松岳頂上山荘からいったん鞍部へと下り、唐松岳へと登り返す。
絶景が広がりテンションが上がる中、最後の登り坂は見た目の想像以上にキツく、その意外な印象に毎回覚悟を決めている。
すぐそこのハズがなかなか辿り着かず、山頂からの景色が待ち遠しく逸る気持ちに足が着いていかない。

唐松岳山頂

2時間17分

登山開始から2時間17分。
冬の唐松岳山頂に到着した。
とても雪が少なかったためか、雪質も固く歩きやすく夏のような行程時間だった。

唐松岳登山

早かった

唐松岳の頂上からは想像していたとおりの絶景で、五竜岳はもとより白馬岳、剱岳とその南北の山々。
北アルプス北部の山々を十分に堪能した。
多く見える山並みの中から「今年はどの山へ行こうか」と品定めをするのも楽しく、北アルプスに目を奪われていると振り返って見える信越の山々の存在も忘れてしまう。
唐松岳から見える高妻山や妙高山も素晴らしくキレイで、雪の白さは無くなってしまっていたものの、冬はなかなか姿が見られない山並みを楽しむことができた。

唐松岳からの下山

下山ルートは登りと同じ八方尾根へ。
登りでは苦労した急斜面も新雪も、下山では楽しいだけの登山道に変わる。
太陽の角度が変わったおかげか、登りで見えていた景色も違った雰囲気に見えた。
景色を楽しみ、雪を楽しみながらの下山で、八方池山荘からはリフトを使い麓へと下りた。

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使った登山道具

下山後に立ち寄った温泉

白馬八方温泉 八方の湯

2014年の年末にオープンした施設。温泉街の入口に位置しているため、八方尾根スキー場のゴンドラアダムからも近く、露天風呂からは山並みの眺望を楽しむことができる。畳敷きの休憩所や軽食を取ることができ、隣には温泉を利用したラーメン屋もある。

下山後に早めに温泉に入れるので便利です。
ただ新しい施設のためか時間帯によっては、もの凄くたくさんの人で混み合っていました。
キレイで駐車場も広くとても入りやすい温泉でした。道の反対側にはモンベルもありました。

唐松岳周辺の山

    同じ時季に登った山