石鎚山

1982m

表参道 2017年4月23日

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表参道
下り
表参道
最高標高
1982m
登山口標高
1300m
距離
9.26km
累積標高
905m
921m
平均斜度
11.1度
時季
2017年4月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り2:01/下り1:35/合計3:36
平均歩速
2.69km/h

この日のペース

  1. 成就駅
  2. 登山口(0:10)
  3. 試しの鎖(0:45)
  4. 夜明け峠(1:07)
  5. 弥山(1:54)
  6. 石鎚山山頂(2:01)
  7. 成就駅(3:36)

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石鎚・四国剣山 東赤石山・三嶺・四国山地横断トレイル
石鎚・四国剣山 東赤石山・三嶺・四国山地横断トレイル
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西日本で最も高いという標高だけではなく険しい岩壁も存在感のある山でした。
街から見上げたときには周囲に高い山が多く見え、どれが石鎚山なのか区別が付かないほどでしたが、登って山容を知ると街からでも存在感があるような印象でした。
成就駅から山頂までは高低差にして680mほどですが、成就社から八丁への下ってからの登り返しや、登山道全体を通して階段が多く数字以上に大変でした。
長くて急勾配の鎖場と、段数の多い階段が表参道の難所でした。
階段を登りながら、目の前に高く聳える岩壁は、まるで赤岳の真教寺尾根のように感じました。

山頂からの眺めは素晴らしくて、周辺に並ぶ四国の峰々が美しかったです。

西日本を代表する信仰の岩峰へ

西日本で最も標高が高く、修験の山としても知られる石鎚山。
黒瀬ダムを過ぎた石鎚山温泉にある山麓下谷駅からロープウェイに乗ることができ、標高1300mの成就駅へと登っていくことができる。
時季によって運行時間は異なっているが、開山前の4月は8時40分からの始業で往復の運賃は1950円。
リフトが運行していればロープウェイ駅を下りてからリフトに乗り換え、登山口の成就社から登り始めることができるが、今回は整備のために運休となっていた。

ロープウェイを使用して登る表参道は、連続して登る鎖場が特徴的。
鎖場は木々が開けているだけに眺めも良いので、長く急な斜面で眺める余裕を持つことができれば景色も楽しめる。
雪も少なく歩きやすい登山道が続くため、樹林帯や山頂部からの眺めを楽しみやすい。
特に瓶ヶ森への眺めは印象的だった。

雲ひとつない青空の愛媛。
周辺に連なる山並みも、瀬戸内海までも見渡せそうなほどの青空だった。
陽射しは温かく、背中に陽を受けるようにして登る。

ロープウェイを使って表参道から石鎚山へ

松山自動車道いよ小松ICから国道11号線を東へ。
道路標識に従って県道142号線を黒瀬湖方面へ。
黒瀬湖からの県道12号線には西国三十三所の寺院や神社が建つ。
石鎚山温泉の駐車場に停め、ロープウェイ駅から登山口へ向かう。

ロープウェイ駅の最寄りの石鎚山温泉の駐車場に車を停め準備を整える。
入口のアーケードには土産物屋と食堂が並び、道路を挟んで駅へと階段を登っていく。
蔵王権現や役行者などの仏像が祀られる中をロープウェイの駅へと歩いて行く。

窓口でチケットを買い、運行開始時間を待って山頂成就駅へ。
ロープウェイが到着したところで改めて準備を整えて山頂を目指す。

ロープウェイの駅から成就社までは約80mほどの標高差。
車が走れるような広い未舗装の道路を登っていく。
すぐに奥前神寺が見え、その手前からリフトへの乗り場へと続いていく。

建物の横を過ぎ、右へ左へと折れながら登ること10分ほど。
成就社に到着して、鳥居を潜って登山口へと進んだ。

登山口には神門があり、そこから階段を下るようにして登山道が続き、ほぼロープウェイ山頂成就駅と同じ標高まで下りていく。
なだらかで広く歩きやすく、正面には木々の向こうに石鎚山の影が見え隠れする。

登山口から10分ほど下ったところで鳥居を潜る。
さらに登山道は下っていき、もっとも低い場所になる八丁までは15分ほど。
緩やかな傾斜を進んで行くと、階段が続いていく登山道に変わった。

ある程度の勾配の斜面には必ずといって良いほど階段が備えられている。
階段に足を合わせながら登っては、登った先にある僅かな平坦な場所で歩幅を戻し、また階段を登っていく。

最初の鎖場 試しの鎖

成就社の登山口から35分ほど、試しの鎖に到着した。
表参道は一の鎖から二の鎖、三の鎖と鎖場が続くのは有名で、本番の鎖場の前にこの試しの鎖が掛けられている。

巻き道もあり鎖場を通らない方が早く楽に登ることができるが、この試しの鎖で様子を見てから先の鎖場をどうするかを考えて良いと計画をしていた。
試すことができなければ、ここからの鎖場は全て巻いていこうと。

下から見上げた試しの鎖は長く、上へ行くほどに岩肌の角度がきつくなっている。
よく見かける一般的な鎖ではなく、鉄棒に輪が付けられたような太いもので手を掛けるとずっしりと重い。
序盤は高さが無いこともあり気持ちに余裕が持てたのか、鎖を補助的にしながら三点支持で高く登っていくことができたが、中ほどから氷が残り、岩の隙間には濡れた落ち葉が詰まっているのが見えてきた。
岩に付いた氷と滑りやすく、落ち葉はグリップが効かず、腕に頼ってしまう登りが続く。
こういう状況では鎖の鉄棒に付いた輪が便利で、そこを握りながら懸垂のように力を込めていく。
当然のように上へ行くほどに高度感が増し緊張感も高まる。

時間にして5分ほどの鎖場。
あとで知ったことは、試しの鎖は他の3本の鎖よりも長く急勾配であること。
「試し」とはいっても、もっとも難所だったのかもしれないと感じた。

試しの鎖を登り切った岩峰の上には祠と石像が置かれていた。
周囲の眺めは良く、徐々に近く迫ってきた石鎚山と、東側に聳える瓶ヶ森への眺望が良かった。
岩峰から見下ろすと、下りの鎖が続いて高さに足がすくむよう。
足を掛けやすい場所も多く、登りに比べたら難易度はかなり低い。
ただ試しの鎖を登ってみたことで、他の鎖場は全て巻いていこうという気持ちになった。

夜明け峠から鎖場

試しの鎖を下り、休憩の小屋を過ぎていくと僅かながら残雪が見えた。
階段は相変わらずで、登りにはとにかく階段が続く。

試しの鎖を下ってから10分ほどで夜明け峠まで登ってくると、目の前の眺望が開け天狗岳や弥山などの石鎚山の全容が広がった。
高く大きく見えるようでもあり、山頂部に見える建物は間近に見えるようでもあり、二の鎖や三の鎖もハッキリと見えた。

緩やかに下って夜明け峠を過ぎると、一の鎖の開始地点へと階段が続いていく。
一の鎖直下には小屋があり、ここで準備を整えられそうな広さで、雪が残りやすいのか残雪は30センチほどが踏み固められていた。

鎖の取り付きを横切って巻き道へと進むと雪はさらに多く、登山道上にも残っているようになった。
二の鎖の直下は土小屋からの登山道との合流地点で、弥山の石鎚神社を見上げるように鳥居が建っている。
階段を登っていくとトイレと休憩の小屋があり、二の鎖の方向にはそこにも鳥居が建てられていた。
巻き道は残雪が多い斜面をトラバースするように続き、雪が緩んだ状態では巻き道であっても滑落の注意が必要な状態だった。

岩肌に掛けられた鉄製の階段は登り用と下り用とに分けられ、下り用になっている谷側には手すりが無く、それはそれで高さを感じる場所だった。
階段と雪を登って二の鎖の到着地点を過ぎ、雪をトラバースしていくと三の鎖の取り付きに出た。

下から見た状態では、三の鎖には雪があるようには見えなかったが巻き道へ。
木が少なくなり岩肌に掛けられた階段は眺めが良く、山頂が目の前ということもあってかなり開放的に眺望が楽しめる。

鉄製の階段を登って山頂の稜線に出ると岩の階段に変わり、石鎚山の西側の眺めが広がる。
石鎚神社と山頂小屋の建つ弥山に到着した。

弥山

標高1974mの弥山には石鎚神社山頂社があり山頂小屋も建てられている。
三の鎖を登ると社殿の前に到着し、信仰の山という雰囲気が漂っている。
ほぼ天狗岳と同じ程度の高さで広さもあり休憩に適していることから、ここで眺めを楽しむ人も多い。
ロープウェイ山頂成就駅からは2時間と掛からずに到着した。

よく見ることのある天狗岳への眺めは、弥山の南側から楽しむことができた。
霧氷や紅葉の写真でよく見る尖った岩峰で、そこへは狭い岩の上を進んで行く。
ただ岩の脇にあるマツの中を通る道も見え、必ずしも高度感のある岩を通らなくても天狗岳へ行くことができる。

石鎚山山頂の天狗岳

弥山から鎖の掛けられた岩場を下り、天狗岳へと続く岩の稜線を進んで行く。
天狗岳は想像していたよりもずっと近く見え、想像していたほどの高度感も無い。
岩の上から木々の間に作られた巻き道へと入ることもできる。
ただ岩の上に立つと西側は絶壁で、周囲に視界を遮る物が無いこともあってかなりの高さを感じる。

弥山からは10分ほど。
ロープウェイを下りてから約2時間での山頂到着だった。

山頂には弥山を向くように祠が置かれている。
見渡せば成就社は近く、土小屋から続く登山道も見える。
天狗岳の南側にある南尖峰と呼ばれる峰も近い。
高くて狭い岩の山頂部からの眺めは良く、岩の段差があるため腰を掛けて休むのにもちょうど良かった。

石鎚山からの下山

天狗岳から弥山へと戻り、登ってきた表参道をピストンで成就社へと戻る。
登りで苦労した階段は下りでも歩幅を合わせるのがなかなかに面倒だと感じる。
緩くなった残雪はカカトを差すのにもちょうど良く、雪のトラバース箇所も難なく下りていくことができた。

八丁まで下ってからの成就社への登り返しを過ぎ、ロープウェイ駅へと戻った。

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下山後に立ち寄った温泉

石鎚山温泉 温泉旅館京屋

石鎚山の表参道へと続くロープウェイ山麓下谷駅の真下にある温泉旅館。
駐車場の貸し出しがあるため、ここに停めて向かう登山者も多い。
温泉旅館の入口と併設するように食堂も経営しており、温泉のドアが締まっているときには食堂側から入ることができる。
泉質は含二酸化炭素・ナトリウム塩化物・炭酸水素塩冷鉱泉。
白濁してヌルヌルとした感触で、温度は40度ほど。
人が訪れる時季が限られているのか、時間帯や日によっては電源が落とされていることもある。

入口からして怪しげな雰囲気があり、失礼ながら入るのを躊躇ってしまいました。
最寄りの駐車場があると知らなければ立ち寄らないと思われるほどの古びたアーケードと電気の消えたお店というのが第一印象でした。
下山してから食堂が開いているところを目にし、お土産物をチラ見して温泉を探していたところ、インターネットから泉質が素晴らしいことを知りました。
温泉のある旅館側はカーテンが閉まっていて、料金は手書きで置かれているだけだったので、土産物を買うついでに聞いたところ、食堂から入るようにとのことでした。

入口には温泉からできた「化石」と書かれた鍾乳石のような大きな石が置いてあります。
温泉の鉱物が固まってできたようで、湯船にも硬化したものが付着していました。
お湯は熱すぎず、とろっとした感触が気持ち良く楽しむことができました。
窓からの景色も紅葉の季節なら楽しめそうでした。
ひなびた印象のある温泉ですが、登山後の日帰り温泉にはおすすめです。

石鎚山の登山記事

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