斑尾林道から登る古海登山口
古海地区から斑尾山の中腹を縫って、山の反対側にあるスキー場付近まで斑尾林道が続く。
未舗装の砂利道で、途中では野尻湖と黒姫山を望む好展望が得られたり、緑の深い自然を楽しめることもあり、林道の愛好家が訪れることも多い。
ただ古海から2キロほど進んだところで大きな崩落があり、バイクや自動車が通り抜けることができなくなっていた。
災害情報は調べ漏れていた
古海地区よりも標高の高い林道にある登山口からスタートする予定で、歩いて登山口へ向かう。
カケスばかりが飛んでいる林道を進み、斜面に登山口の看板が掛けられているのを見つけた。
登山口から始まる急登
林道脇にある土手のような登山道へと入っていく。
いかにも入る人が少ないといった雰囲気で草木が茂っている。
特別、なにか見えるものも、おもしろみを感じるようなものもなく、ただ木々の中に道がまっすぐに続いていた。
地形図は直登するように見えたけど、やっぱり真っ直ぐ登る感じ?
昨年か今年のものか区別の着かないような踏み跡を辿って、まっすぐに斜面を登っていく。
とにかく斜面は急ですぐに息が上がってしまう。
尾根までの高低差が少ないと分かっていても、なかなかに体感時間が長い。
ツライ
ときどき足を止めて見上げ、空が近く感じられるような、まだ長いような気になりながら、足を上げていく。
20分ほどが過ぎたあたりで、だんだんと笹が濃くなり、踏み跡を見失うところが増えてきた。
よく目を凝らせば、なんとなく足を踏み入れたようにも見えるものの、その上を笹が覆っているために気付くことができない。
ここを登るはずだと笹を踏み分けていくと、数メートル登った先で踏み跡を見つけ、正しかったと安心することを繰り返した。
まさかの笹藪で道が分からない・・
だたゆっくりでも登り続けていると、確実に尾根が近くなってきているようで、いつの間にか尾根までの高低差は100mを切っていた。
枝の間から見える荒瀬川からの尾根も視線より低くなったように感じる。
登山口から30分
笹を掻き分けて登山口から30分近く経ったほどで眺望が開けた。
高い木々は疎らになり、上からの陽が明るく射し込む。
振り返ると野尻湖と黒姫山が見えた。
新緑が鮮やかで、水面の青が濃く、とてもキレイな眺めだった。
ここまでの笹藪の不明瞭さと反するような爽やかさで、急登で疲れた足まで元気になるような気分だった。
良かった
景色が見られて
尾根まではまだ登る。
踏み跡も序盤に比べると薄く、目印になるテープのような物もまったく見えない。
枝や笹の隙間、踏んだ跡に見える場所を辿って急登を進む。
大変でした
大明神岳
登山口から41分
スタートして41分、ようやく大明神岳に到着した。
登山道を多う笹に苦労したのとは対照的な広さを感じた。
期待していた斑尾山は広く歩きやすい登山道だったはず。
斑尾山で最も眺望の良いとされる大明神岳からは、飯縄山と黒姫山、その間に遠く鹿島槍ヶ岳が見えた。
なによりも萌え始めた緑が綺麗だった。
ここの眺めより笹藪から見た方が感動があった
ここから斑尾山の山頂へは10分足らずの尾根道。
なだらかに下って山頂へと登る。
斑尾山山頂
登山口から48分
林道から登り始めて48分、斑尾山の山頂に着いた。
木々に覆われた穏やかな山頂部で、僅かながら東側が見下ろせる。
山頂部からは、東側の大池登山口へ下りる登山道と、北側にあるスキー場や万坂峠へと下りる登山道が続く。
まあ斑尾の山頂なんて長居するところじゃないだろう
下山
山頂で少しの時間を過ごしたあと、登ってきた登山道を戻って下りることにした。
大明神岳へ戻り、再び笹の茂る斜面へと入っていく。
登りで踏み跡を見つけにくく見えた笹藪は、下りでも見えづらさは変わらず、ただ体の重さに任せて下りていくと、あっさりと笹の先にある踏み跡が見つけられた。
登りでは苦労した斜面の角度も、むしろ下りるのに好都合で、短時間で林道へと戻ってくることができた。
下りるのは早かった