菅川から斑尾山へ登る
野尻湖の湖畔を眺め、菅川地区から斑尾山へと向かう。
菅川は野尻湖の東側畔にある集落で、野尻湖を周回する道路沿いにある。
北を上にして野尻湖を見た際に、右肩あたりに位置するのが菅川地区で、集落の中を縫うように農業用道路が斑尾山へと向かっている。
狭い道路を登っていくと未舗装の林道にさしかかり、信越トレイルの立て看板が見えたところが登山口のしらかば台になる。
道路の脇に数台が停められるスペースがあり、すぐ近くに登山口の矢印が建てられていた。
菅川神社の横を通り、左右を田畑に囲まれた農業用道路を上っていくと、すぐに新緑に囲まれ、枝葉の落ちた林道へと変わった。
ホントにこの道で良いのかな??
菅川から10分ほど、林道とのT字路に差し掛かるしらかば台に到着すると、道路の横には信越トレイルのマップを示す看板があった。
すぐ近くの斜面には登山道の矢印。
道路の横のスペースに車を停め、しらかば台から登山道へと入っていく。
登山道に入ってからすぐに急な斜面が始まり、2度3度と折り返すとなだらかな登り坂に変わった。
周囲には新しい緑が芽吹き始め、見上げる枝葉が美しい。
木々の間からは、すぐ近くに妙高山が大きく見え、その真下には野尻湖の水面が黒く見えた。
斑尾山は樹林帯に覆われているため、山頂を含めて登山道のほとんどから眺望が得られない。
そのつもりでのスタートで、最初から妙高山を見晴らすことができるのはありがたかった。
足元には落ち葉が積もったやわらかな土で、木の根が張り出していることもなく歩きやすい。
10分ほどで釜石山に着いた。
たぶん・・・登山口がベストビュー。
釜石山は信濃町の荒瀬原からの合流地点にあたる。
山と名が付いていても、際立ったピークがあるわけではなく、看板が無ければ尾根の膨らみのひとつにしか見えない。
登山道の先は僅かに緩やかな下りになっているだけで、先にはさらに高く尾根が続いているのが見える。
登山口から短い時間ということもあり、休憩しやすいポイントの釜石山を素通りして、ここから斑尾山への尾根道を登っていく。
2・3分歩くと、一気に登り坂が急に変わる。
足元には紫色の花が多く見え始め、花を避けるように登山道は細かく折り返していく。
周りにはブナの木が多く、木の間から見る左側は高く崖のような急な斜面、右側は明るく陽の射す斜面になっていた。
蟻の塔渡りと名の付けられた急な登り坂の尾根で、戸隠山に代表される「蟻の塔渡り」ほどの狭さや高度感は感じられない。
蟻の塔渡りを登り切ると勾配は緩まって、やわらかな土のやせ尾根を横へと移動していく。
雪のせい?地面が崩れ気味にも見える。
小さなピークを登り、狭かった尾根道は広く歩きやすく変わった。
先へと続く尾根道を見ると、過剰とも思えるほどにピンクのテープが続いているのが見える。
広々とした登山道を歩いていくと、徐々に勾配は急になり、周りを覆っていた葉も少なく変わってきた。
僅かな標高差でも少し登ると葉の茂る時季が変わるようで、青い笹の葉に混じって、ヤマザクラが多く咲き残っているのが見えた。
登っていくと背の高い木が減ったのか、周囲の眺望が開け、振り返ると春霞の中に信濃町が見下ろせる。
右側にはなだらかな斜面が見えてきて、その高さから斑尾山の山頂と思われた。
大明神岳
尾根に沿って続く登り坂を進み、約40分ほどで大明神岳に到着した。
斑尾山で最も眺望が良い場所で、間近に野尻湖を見下ろし、その先には妙高山が見える。
並んで聳える黒姫山や高妻山、飯縄山も見ることができた。
菅川から特に危険箇所もなく歩くことができる中で、唯一、大明神岳の山頂手前だけが岩場になっており、特に危険な場所というわけではないものの、慣れていなければ注意が必要で、特に下りは段差が高く感じられる場所ともいえる。
確かに。ここは眺めが良い。
大明神岳まで登ると斑尾山の山頂は近く、尾根を繋いだ先のやわらかな膨らみが見える。
ふたたび樹林帯の尾根道を歩くために眺望は無く、深緑や紅葉など、葉が華やかな色になる季節を思いながら山頂へと進む。
斑尾山山頂
菅川の登山口から45分ほど、斑尾山の山頂に着いた。
まだ葉に覆われる前だからか、東側のスキー場や、その先の景色を霞の中に見ることができた。
広い山頂部ではないものの、ベンチがあり休憩を取りやすい。
建てられていた信越トレイルの看板を見て、その矢印の指す方向へ尾根をなぞって行きたい気持ちになりながら、山頂から見える景色を楽しんだ。
景色といってもほんの少しの眺望だけど。
菅川への下山
斑尾山の山頂からはピストンで菅川へ戻る。
歩きやすい尾根が続くことと、眺望が少ないことで下山の足も速まる。
大明神岳の岩場を下り、信濃町を眺めながら樹林帯の中へと入っていく。
蟻の塔渡りも足元の土が軟らかいおかげで膝に優しく、釜石山からは新緑を楽しみながら菅川へと下りることができた。
荒瀬原からの登山口も行ってみたい。