燕温泉から妙高山へ
妙高山の登山口にある燕温泉へ向かって、国道18号線を関・燕入口から県道39号線を上っていく。
正面には妙高山を見上げ、左右には妙高カントリークラブの芝生が広がる。
関温泉スキー場を過ぎ、関温泉を抜けて燕温泉へ。
温泉地は行き止まりで自家用車の乗り入れは禁止されているため手前の駐車場に停め、温泉を抜けて登山口へ向かう。
妙高山に登るルートは赤倉と燕温泉があり、まだ赤倉のロープウェイが営業前と言うこともあり今回は燕温泉から登る。
何件かの温泉宿が並ぶ燕温泉は車を停めるところが無いため、温泉のすぐ下にある駐車場を使用して車を停める。
道路脇に30台ほどの車が停められる駐車場で朝早い時間帯から何台もの車が並んでいる。
近くを歩いていた女性から、6月のこの季節には竹の子取りで山に入る人が多いと聞き、そのための車だと分かった。
そういえば中学の行事でここ泊まった
燕温泉から登山口に入っていくと、2mほどの舗装された登り坂が続く。
右側に黄金の湯と書かれた露天風呂があり、目をやると男湯はお湯がよく見える。
藪の中にはタケノコ取りと思われる人が見え、先ほど聞いた話にも納得した。
急な勾配の舗装された道路を登っていくと、道路脇には山菜や花が多く見られる。
そのタンポポと一緒にイワカガミもあり、日常的な花と高山の花とが共存して咲いているところが興味深い。
10分ほど歩いたところで道路は行き止まりになり、その横に1mほどの狭い登山道が続いていく。
登山道の序盤はコンクリートで舗装され、勾配も緩く歩きやすい。
谷側は十数メートルも下へと崖が続き、草木に覆われているために高度感はあまり感じられないが、足を踏み外せば戻ることのできない高さまで落ちてしまう。
何気に右の谷側の高度感
登山口から30分ほど歩いたところで先には妙高山が見えた。
狭く細い舗装路を進むと雪が登山道を覆っていた。
泥と小石が多いため、雪の上でも滑り止めのように登山靴のグリップが効く。
雪を過ぎるとすぐに赤倉温泉の源泉に着いた。
厳選の上には三角の建物があり、硫黄の香りが周りに漂っている。
下山後には嬉しい温泉も、登山道に漂う硫黄臭は息を整えるには苦しい。
源泉の横には登山道が続き、舗装の登り坂は急勾配に変わっていく。
登山道の谷側は相変わらずの高さで、その下には沢が流れて水音が激しい。
先には二段に落ちる滝があり、激しい水量で流れ落ちている。
登山道を進むと滝壺へと向かう分岐もあった。
滝を過ぎてからは舗装から土と岩の登山道に変わり、相変わらずの狭さはより狭くなっていく。
周りには花が目立つようになり、登っていく目を楽しませてくれる。
さらに20分ほど登ったところで、燕新道へと続く湯道分岐に差し掛かった。
沢を渡って少し登ったところで渡り返すと、そこから長く雪渓が続いていた。
きっと落石もあるんだろうなって思った
夏道は雪に押された木や笹が覆いかぶさり歩きづらく、雪渓の上に移って登っていく。
雪渓は数百メートル続き、序盤には登山道のテープも見えるが、上へ行くほどに印は無くなっていく。
真っ直ぐと登っていく雪渓の先には妙高山の山頂部が見える。
胸突八丁の取り付きはどこ??
湯道分岐からは胸突八丁という急登を経由して6合目の尾根へと登山道が続く。
雪が多く残っているために胸突八丁への取り付きがどこにあるのかが分かりづらく、尾根のある左側を注意深く見ながら雪渓を上へと歩く。
テープも見えず、雪渓の上はトレースも薄いことや距離感が夏とは違うため、正確な登山道も分かりづらい。
できるだけ雪渓の左側を歩き、登山道らしく笹が開けているところを探しつつ湯道分岐から20分ほど。
トレースが明瞭になっている所があり、その先には赤い矢印が見えた。
雪渓と胸突八丁の間には小石や小枝、動物の糞が多く、滑りやすい雪の急勾配を登るところでそれがとても気になった。
胸突八丁へと入っていくといったん雪が切れ、岩の上を歩いてすぐにまた雪の急登に戻った。
残雪の胸突八丁はなかなかに緊張感があり、滑りやすい上にところどころに枝が落ちている。
雪が柔らかいために足先が差し込みやすく注意をすれば急登も難しくはない。
10分ほど登ったところで雪の急登は終わり、岩と高い段差の登山道になり、徐々に高度を上げていく。
急勾配が終わったところでも残雪があり、雪を崩しながら進んで行くと6合目に到着した。
登山口から1時間32分。
六合目の天狗堂は赤倉からの合流地点で広さも休むにはちょうど良い。
ここから尾根を辿って登っていくように登山道が続いていく。
七合目の光善寺池を過ぎ、八合目の風穴と登っていく。
深くえぐれたような登山道は、その周囲に笹が高く茂っているため、まるでトンネルのように頭上を覆っている。
胸突八丁よりこの辺の方がグッとくると思う
風穴を過ぎると高く茂っていた笹や木は少なくなり、妙高山への眺望が良くなってくる。
左側へと目を移すと外輪山が視線の高さに見える。
九合目近くまで来ると尾根を登っていた登山道は、山の斜面を横切るように右側へと周りこんでいく。
勾配のある登り坂から、平坦で細かくアップダウンを繰り返していくようになり、ところどころで残雪や雪に押された木々を避けていく。
九合目の鎖場
中学でこの鎖場を通らせるってどう?
九合目の入口はロープの岩場から。
岩場を登ると鎖が上へと続く妙高山の核心部に着いた。
鎖場の岩は階段状に掘られているため足を掛けやすく登りやすい。
5mほど登ったところで左側へと鎖場が続き、片足が置けるほどの広さで真下には登ってきた尾根が見える。
鎖場を折り返して再び5mほど登り、すぐ近くに見える山頂部へと登っていく。
笹の登り坂を過ぎると西側の景色が開けた。
登り始めでは晴れていた天気も、この時間では雲が多く周辺の山々を見ることはできなくなっている。
山頂部は熔岩石が多く、まるで階段のように細かく段差ができている。
十合目 南峰
登山口から2時間半、岩の高い段差を登り西側へと巻いて十合目に着くと妙高山の南峰に着いた。
南峰には将軍地蔵が祀られている。
山頂部の北側は少し離れたところに見える。
誰もいないし静かで所在がない感じ
巨岩に囲まれた登山道を歩いて5分ほど。
山頂の妙高山北峰に到着した。
妙高山北峰
北峰は広く、標の周りには巨岩が多い。
西側には火打山や焼山、その先には雨飾山があり、雲の中にうっすらと北アルプスが見えた。
雲が厚く登ってきているため、東側の斑尾山や野尻湖は見ることができない。
北峰の奥には火打山への登山道が通じていた。
山頂から見る妙高山の周囲は雪が多く残り、燕新道へ続く雪渓も雪が深そうな雰囲気だった。
火打方面の山頂直下は雪が残って危険な状態だったみたい
妙高山から燕温泉へ下山
山頂からはピストンで燕温泉へと下りる。
高度感のある岩場や笹の広がる尾根を、登りとは違った角度で見下ろしながら歩くのもピストンの楽しみで、妙高山は周回しなくても楽しめる登山道だった。
登り坂を見上げながら見つけた花は、下山時に足元を見ながら歩くときにも新しい発見があり、雪渓を下りるのも楽しめた。
このあと、妙高はトレラン大会と化したらしいけど。