鍋倉山

1289m

ブナに囲まれるのレイニーハイク

茶屋池 2023年6月23日

鍋倉山の森を歩く (6月)|ブナに囲まれる山のレイニーハイク
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長野と新潟を隔てる関田山脈。
この稜線上を信越トレイルが北上していく。
斑尾山から苗場山まで続く長大なコースで、長野県飯山市を起点にする信越トレイルの序盤、関田山脈のピークのひとつが鍋倉山となっている。

積雪期にはバックカントリースキーを楽しむひとが多く、雪が解けるとブナが厚く繁る。
尾根を繋ぐ牧峠にはイヌワシの生息し、この一帯では猛禽類も多く見られる。

梅雨を迎えた鍋倉山のブナ林は、いっそう緑が鮮やかで、足元は悪いものの森の鮮やかさを楽しむのにはちょうど良い。
尾根上にある関田峠と茶屋池から、鍋倉山の山頂までは300mにも満たないほどの高低差。
緑を楽しみながら歩くには手軽な行程だった。

歩いたコース

登り
茶屋池
下り
茶屋池
最高標高
1289m
登山口標高
1070m
距離
5.26km
累積標高
259m
242m
平均斜度
5.44度
時季
2023年6月
天気
日程
日帰り
歩行ペース
登り0:51/下り0:44/合計1:35
平均の歩行速度
3.32km/h

この日のペース

  1. 茶屋池
  2. 池めぐりコース分岐(0:07)
  3. 関田峠合流地点(0:11)
  4. 筒方峠(0:14)
  5. 黒倉山(0:38)
  6. 久々野峠(0:41)
  7. 鍋倉山(0:51)
  8. 黒倉山(1:02)
  9. 茶屋池(1:35)

登山を始めた頃、鍋倉山へ通うことが多くありました。
信越トレイルになっているので整備が行き届き、距離もほどよく、高低差もそれなりにあるところが、初心者にはハードルが低く歩きやすく感じられました。
ここで山を歩くことに慣れていったという思い出があります。

バックカントリースキー以外では、わりと地味でマイナーな山のひとつだと思うのですが、ブナが非常に美しく緑が豊富で目を楽しませてくれます。
また猛禽類や野鳥が多く、歩いている道中、あちらこちらで鳴き声が楽しめました。

夏の晴れた日になると尾根は暑くて、虫にも悩まされるのですが、梅雨までなら暑さも気にせずに楽しめました。

使った登山道具

持って行った水の量

鍋倉山のブナの道を歩く

雨が続く中、晴れなくても降らないという予報になった。
湿度の高い天候で楽しめる登山道はどこだろうかと考えた。

それならば北八ヶ岳へ向かうのが定番だと思いながらも、もっと短時間で緑が楽しめるところはどこかと考え、鍋倉山へ行ってみることにした。
鍋倉山は以前によく訪れていた馴染みの山。
特に関田峠から南下するコースは数え切れないほど。
ここ数年は訪れることもなく、ブナの登山道を懐かしく思い出した。

鍋倉山登山

毎日とはいかないまでも、かなりの頻度で鍋倉山には来ていた

長野県飯山市の鍋倉高原を過ぎ、新潟と長野の県境にある関田峠へ向かう。
尾根上の峠道は日本海を眺めることができる。
信越トレイルセクション5のスタート地点で、鍋倉山の山頂へアクセスがしやすい。
これまでも関田峠から何度も鍋倉山へ向かうことがあった。

たまには違うところから登山道へ入ってみたいと思い、関田峠へと繋がる茶屋池から登山道へ入ってみることにした。
登山口は距離にして300mほどしか離れていない。

鍋倉山登山

毎回、関田峠というのもなんだか

茶屋池の畔にある小屋の前に車を停め準備を整えた。
そこから50mほど。
池の畔を少し歩くと森の中へと道が続いていく。

鍋倉山登山

池に近づくなという看板があるから、ちょっと気が引ける

鍋倉山登山

歩きやすい

一見して藪の中へ入っていくように思えた登山口は、少し緑を潜ると遊歩道のようになだらかで歩きやすい道が続いていた。
周囲には背の高いブナ。
青白い木肌と緑が頭の上までいっぱいに広がっていた。
緑の鮮やかさに感心して見上げながら、緩やかに登っては下りる。
右側には池が見え隠れしていた。

5分

5分ほど歩いたところで広々としたところにベンチが置かれていた。
そばには鍋倉山と池めぐりコースを示す道標が立っている。
その矢印に従っていくと、ここまでの歩きやすい遊歩道が極端に狭く、緑は頭を擦るくらいに低くなった。
身を屈めながら緑のトンネルを潜り、ときどきクモの巣を浴びる。

鍋倉山登山

あまりに鬱蒼としていてビビる

茶屋池から入って11分

あまりの狭さと、ひとけの無さに不安を感じながらも3分ほど歩くと、関田峠と書かれた道標を見つけた。
茶屋池から入って11分ほどで関田峠からの登山道と合流したようだった。

関田峠と繋がる登山道は信越トレイルの本線に入ったようで、少し広くなったように感じる。
登山道の傾斜は緩やかで、緑だらけで眺望が無いところだけは変わらなかった。
ときどき頭が当たりそうな高さに迫り出している木を屈んで避けるくらい。
すぐに光ヶ丘高原からの合流地点の筒方峠に着いた。

鍋倉山登山

何だか分からないけれど、大きな猛禽類の鳴き声が聞こえる

筒方峠からは急な斜面を登る。
20mほどの高低差で足元は滑りやすく、登った先も緑が厚く頭の上を覆って、薄暗いトンネルが続く。

筒方峠から5分

筒方峠から5分ほど、景色が開ける場所に出た。
傾斜の谷側だけが木が少なく、木の葉の上から遠くを見渡せる。
ただ天気が良くないため真っ白な空ばかりで、光ヶ原高原キャンプ場と集落が少し見えるだけだった。
晴れていれば日本海が見える場所だった。

鍋倉山登山

コガラ?いっぱいいる

斜面を横切るように続く登山道は、山側からの木々が迫り出してきている。
序盤に比べて、跨いだり屈むところが多くなった。
平坦でなだらかなところが多いとはいえ、足を上げて木を跨ぐことが増えるのはきつい。
気が付くと、足元は序盤のような土から落ち葉が覆うように変わっていた。

筒方峠から15分

筒方峠から15分ほど、緩やかに登り続けると、尾根上を歩く登山道に変わっていた。
頭の上を覆っていた緑は空に変わった。
尾根の先、間近には黒倉山らしいピークが見える。

黒倉山

茶屋池から38分

茶屋池から入って38分ほどで黒倉山に着いた。
黒倉山は鍋倉山の北側に位置し、標高は1242m。
北側の木々が開け、日本海を見渡すことができる。
このコース上で最も眺めの良いポイントで、広さもあるので休憩をするにもちょうど良い。

鍋倉山登山

なんにも見えない

ただ天候が悪いために、何も見えず真っ白な空が広がるだけ。
そうそうに黒倉山を後にして鞍部へと下りていく。

黒倉山から30mほど下りた鞍部は久々野峠、新潟側から登る合流地点になっている。
久々野峠の分岐を鍋倉山へと向かうと、背の高いブナに囲まれた。
すぐに巨木の谷からの合流点に着いた。
鍋倉高原から関田峠へ向かう途中にある登山口から入ると、コースタイム1時間45分ほどでここで合流する。

鍋倉山登山

巨木の谷も行ってみたい

この合流地点からは鍋倉山へと登り返す。
登山道に向かって生えているような木々もあり、斜面を登りながら木々を跨いでいく。
一瞬、木々が開けて振り返ると、黒倉山の尾根に鬱蒼とした緑が見えた。
木々を避け、登山道に沿って登り、黒倉山から15分ほどで鍋倉山の山頂に着いた。

鍋倉山

茶屋池から51分

茶屋池から51分、鍋倉山の山頂に着いた。
稜線上の山頂は南北にコースがあり、縦走路の途中にあるピークのひとつのような雰囲気。
中心に祠が置かれ、その傍らに道標と三角点が建っていた。

鍋倉山登山

地味

山頂のコースから少し離れると、藪の向こう側が開け、まるで幕営地のように均されたところがあった。
信越トレイルのコース上で幕営ができるのかは分からないが、ロングコースを歩くために開かれたようにも見える。

山頂からの眺望は無く、ただ周りの緑を眺めるだけ。
登山道の景色を楽しみ、その到達点が鍋倉山の山頂という印象だった。

下山

鍋倉山の山頂でひと息ついていると雨が降ってきた。
昼間のうちは持つだろうと考えていたのが甘かったようで、急いで荷物をまとめて背負った。

鍋倉山登山

雨!

鍋倉山から下り始めると、雨がブナの葉を叩く音が大きく聞こえる。
森の中は葉が雨粒を遮ってくれるとはいえ、ときどき途切れるブナの隙間から雨が当たる。
久々野峠から黒倉山へ登り返すと、尾根上の登山道に変わり、雨を遮っていた葉が無くなった。
ペースを上げて下りたいところ、登山道に迫り出しているブナを跨ぐために、いちいち足を止める。

鍋倉山登山

下り長い

登りでは気にならなかった行程も、雨となると尾根が長く感じられ、なかなかにブナ林に戻れないような気持ちになってきた。
ようやく筒方峠の間近まで戻り、ブナの葉の中に潜ってもすでに雨が滴っている状態で、雨粒が落ちてくることには変わりはなかった。

筒方峠の横には地塘があり、水面に強く雨が降っている様子が見えた。
関田峠との分岐から茶屋池へと向かい、ベンチから池めぐりコースへと回った。

鍋倉山登山

茶屋池が間近に見えて安心する

池の畔を歩くなだらかなコース。
足元に水たまりができているものの、広くて歩きやすい。
水面を眺めながら、車道を目指し、最後に登り返すと森の中から道路に出た。
鍋倉山からは40分ほど掛かっての下山だった。

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