紅葉の御座山
北相木村の栗生へは国道141号線を小海町と向かう。
小海大橋を渡り、南相木、北相木方面へと進み、ぶどう峠へと続く県道124号線との分岐を南相木へ。
南相木村役場を過ぎてすぐに国道472号線へ入って進んでいくと、上栗生地区に最寄りのバス停があり、さらに登ると道路は舗装から荒れた林道へと変わる。
林道を進み標高を上げていくと行き止まりが登山口になっている。
油断しているとちょっと見逃しそうな林道の入口
登山口の前に空いているスペースに車を停めて登山口へ。
周りには落葉松が紅葉し、パラパラと葉を落としていた。
栗生コースからの御座山
登山口からすぐは沢に沿うように登っていく。
序盤の緩い斜面と、落ち葉が積もりフカフカとした登山道は、すぐに九十九折りの急斜面へと変わっていった。
落ち葉のフカフカの感触は気持ちが良い
大きな石の埋まったゴツゴツとした登山道と、落ち葉を踏みしめるような柔らかな登山道とを繰り返しながら落葉松の中を登っていく。
急な斜面からは周りの様子が見やすく、木々の間から見える景色が橙色一色のようで美しかった。
九十九折りの斜面を登って30分と掛からないうちに細い沢が真横を流れていた。
すぐ上には不動滝。
冬季では凍り付いた状態が見られることもある。
風に煽られながら墜ちてくる水しぶきを横切ってさらに奥へと入っていく。
不動滝からの急登
けっこう急だった
不動滝を過ぎるとこれまで以上の急登が続く。
一気に標高を上げていくような九十九折りの登り坂で、落ち葉も深く登山道は柔らかい。
周辺の落葉松を眺めながら急登に我慢を続けて登っていくと、それまで覆われていた植生はガラリと変わり、濃い緑に覆われるようになった。
落葉松のような明るさのある登山道では無く、緑に遮られ薄暗い登山道。
まるで夏のような雰囲気を感じながら、相変わらずの登り坂を折り返して行く。
すると左側に大きな岩壁があらわれ、それを見ながら進むとすぐに鎖場になった。
そんな難易度は高くないけど注意
長く吊り下ろされている1本の鎖。
深く蹴り込まれた跡が残っているため、鎖に頼らずとも登ることは簡単で、登り切ると視界が開けた。
五丈岩の立つ金峰山への眺めが良く、県道472の終点になる左側には奥三川湖。
振り返るとさらに鎖場が上へと続いている。
登り切ったところで再び緑の深い樹林帯に戻り緩やかに巻いていく。
このあたりから枝葉の間からチラチラと山頂部の岩が見え始めた。
木々の中を上間で登り切ると、御岳神社石宮が置かれ、ここから山頂との鞍部といったん下っていく。
山頂がもうちょっとの距離に。
岩の細尾根がある急な下り坂で、高低差は無くすぐに鞍部へと下りてしまうものの、このルートでは一番気になる箇所だと思われる。
滑るかもしれないとか思うと。
再び山頂への登り。
薄暗く緑の濃い坂道を登っていくと、大きな岩の壁の真下を歩くような場所に出る。
頭上からの落石に注意しながら通り過ぎ、さらに樹林帯を登っていく。
このあたりからシャクナゲが目立ち始め、御座山らしさも感じられる。
避難小屋が見えたら山頂はすぐそこで、木の間を抜けていくと一気に眺望が開けた。
このコースで唯一の高度感みたいな場所
御座山の特徴的な山頂部。
深い樹林帯と柔らかな落ち葉の登山道からは一変して、高く狭い岩場の上を歩いて行く。
左手には八ヶ岳が一望しながら、浅間山、西上州の山々を見渡すことができた。
御座山山頂
栗生の登山口から1時間15分、御座山に到着した。
風は緩やかで陽射しの温かい登山にはちょうど良い陽気。
西側には八ヶ岳を一望し、北側には浅間山。
東へと目を移すとうっすらと妙義山と、険しい山容の両神山。
南アルプスや富士山は雲か霞かではっきりと見ることはできなかった。
穏やかな天候と静かな山頂は気持ちが良く、眼下に見える落葉松の紅葉を楽しみながらの時間だった。
ここは八ヶ岳を眺めるのにちょうど良い
栗生への下山
御座山からの下山は、登りと同じルートをピストンで降りる。
避難小屋から鞍部へと下り、登り返して御岳神社。
鎖場と九十九折りの急登を下り、不動滝を通過して栗生へ。
落ち葉がいっぱいのフカフカとした登山道は下りにも優しく、歩きやすい下山路だった。