北アルプス最高峰への最短登山

奥穂高岳

3190m

岳沢 重太郎新道 2018年8月18日

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奥穂高岳日帰り登山

北アルプスの最高峰で、日本第3位の高峰でもある穂高岳連峰。
3190mの奥穂高岳を筆頭に、前穂高岳、北穂高岳、西穂高岳、涸沢岳と2500mを越える峰で構成されている。
いずれも険しい岩稜の山で、北穂高岳から涸沢岳への縦走ルートや、ジャンダルムや逆層スラブなどで知られる西穂高岳から奥穂高岳への縦走ルートなど、上級者向けの難コースも存在している。

一般的に奥穂高岳へは1泊から2泊程度の行程で、ルート途中に点在している山小屋へ宿泊しながら山頂へと向かう。
数あるルートの中で比較的短時間で登ることができる重太郎新道から山頂を目指し、奥穂高岳を跨ぐようにして新穂高へと下りるルートを日帰りの行程として計画した。
ゆっくりと向かう奥穂高岳も魅力的で、3000mを越える景色をゆっくりと堪能したい一方で、登ることができるのなら短い時間で行こうとも考えていた。

バスの時間に余裕のある行程を計画した

平湯にある「あかんだな駐車場」は3時半から19時までの開場。
車を停め4時50分のバスで向かう。
約30分で小梨平へと到着。
河童橋から岳沢へ向かい、白出沢から新穂高への下山後に、ロープウェイ駅から濃飛バスで平湯バスターミナルへと戻る予定。

歩いたコース

登り
重太郎新道
下り
白出沢
最高標高
3190m
登山口標高
1512m
距離
15.77km
累積標高
1719m
2106m
平均斜度
13.26度
時季
2018年8月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り4:22/下り3:27/合計7:49
平均した歩行速度
2.02km/h

この日のペース

  1. 河童橋
  2. 岳沢登山口(0:10)
  3. 岳沢小屋(1:31)
  4. カモシカの立場(2:14)
  5. 雷鳥広場(2:59)
  6. 紀美子平(3:14)
  7. 奥穂高岳 山頂(4:22)
  8. 奥穂高岳山荘(4:48)
  9. 荷継沢(5:52)
  10. 鉱石沢(6:07)
  11. 重太郎橋(6:24)
  12. 白出沢分岐(6:57)
  13. 新穂高(7:49)

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地
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穂高岳は登山を始めたころから思い入れがある山で、できれば1年に1度は穂高岳連峰のどこかを訪れたいと思っています。
4つの峰がある中で、最も高い奥穂高岳は象徴的で、どこに登るかと考えたらやはり真っ先に連想をするのですが、上高地から登る周回ルートではなく、上高地から新穂高へと越える行程を組もうと考えていました。
平湯の駐車場を起点にすれば、バスで上高地へ行き、下山後もバスで平湯へ戻ることができるため、1年前の西穂独標から思い描いていたこともありました。

上高地から岳沢への樹林帯は、序盤で早朝ということもあり体も足腰も慣らしながら歩きました。
岳沢からの重太郎新道は、相変わらずのハシゴと鎖、渋滞で「穂高岳」といえばという雰囲気がアリアリとしていました。
数年前にも登っている重太郎新道は懐かしさもあり、また日帰りという行程でも先のことが分かっているため、安心感や体力の配分もしやすかったです。

日帰りルートとして知られる白出沢を下山ルートに選びましたが、こちらの浮き石や急勾配はとても大変で、どちらかといえば登りに使いたいと思いました。
ただ滝や迫力のある岩壁が見られるので、こういった穂高岳の姿を見るのも楽しめそうなルートでした。

持って行った水の量

あかんだな駐車場からバスで上高地へ

まだ日が上がらない朝4時前に、平湯にあるあかんだな駐車場に着いた。
盆近い好天の日ということもあり、陽が昇る前から駐車場には車が多く、すでに始発のバスを待つ列ができていた。
あかんだな駐車場から上高地へのバス運賃は1160円。
始発から2台のバスが出発していた。

穂高岳登山

みんな朝早い

30分ほどのバスはちょうど空が赤らんでくる時間帯で、山間から朝陽に染まる雲が見える。
大正池付近を通るときには、池から見える穂高岳が染まっているのではないかと期待したが、朝陽が照らす角度が違っているのか暗く影になっているだけだった。

バスターミナルから河童橋へと移動し、白樺荘の横で荷物を整える。
ちょうど梓川越しに穂高岳連峰が眺められる展望台のようになっており、そこで朝の風景を楽しむ人も見られた。

上高地から岳沢へ

白樺荘の横で梓川と穂高岳の景色を見たあと、岳沢の登山口へ向かって林道を歩いて行く。
右側に沢の流れる音を聞きながら5分ほど歩くと木道へと変わり、木々の向こうに六百山が朝陽に照らされて見えた。
明神池との分岐を岳沢へと方向を変え、本格的な登山道へと入っていく。

凄いスピードの隊列は電車みたいだ
穂高岳登山

この時間にここを過ぎてく人はみんな早い

厚い木々に囲まれ、大きな石が高い段差を作っている。
急な登り坂と平坦な道を繰り返しながら、岳沢へと近づいていく。
岳沢の登山口から30分ほど歩いたところで、木々が晴れたところから目指す奥穂高岳の山頂が見えた。
ほんの少し歩いて角度を変えると西穂高岳の稜線が見える。
まるで石畳のように、くまなく岩が敷き詰められた登山道で歩きやすい。

あれ・・・折れた

いきなり折れたストックは、登りでも大切だけれど下りで活躍してもらうつもりだった。

風穴を過ぎて5分ほど歩くと岳沢から続く涸れ沢に出た。
河童橋からもよく見えるガレた涸れ沢で、よく知られた景色を形作るひとつ。
西穂高岳から奥穂高岳へと続く稜線がよく見える場所で、大きな石が延々と続く。

登山道に迫り出すように草木が茂り、トンネルのように周りを覆っている。
石段のような大きな石が続く登山道で、振り返るとバスを降りたバスターミナル周辺や河童橋のある小梨平の一帯がよく見える。
その先には乗鞍岳が大きく、存在感があった。

穂高岳登山

お腹が空いたのでチョットひと息付いてるとガンガン抜かれてく

この軽装は、いったいどこまで行くんだ

まだ陽が射さず薄暗い樹林帯の中を岳沢へ。
石の段差を、なかなか近づいてこない岳沢小屋を目安に登っていく。
ようやく岳沢小屋が見える小屋見峠を過ぎ、涸れ沢を渡ると岳沢小屋に到着した。
登山開始から1時間半ほど。
登山道は岳沢小屋のテラスの横に出たため、足を止めて眺めを楽しむ。

岳沢小屋は前穂高岳へと続く重太郎新道の起点で、西穂高岳・奥穂高岳縦走のエスケープルートの終点にもなっている。
エスケープルートは天狗のコルへと続く浮き石の多いガレ場で、一般登山道ではなくバリエーションルートとして印が付けられている。
岳沢から重太郎新道を見上げると、前穂高岳と奥穂高岳を繋ぐ吊り尾根が見える。
雪が解けるのが早かったせいか、万年雪は岳沢の上部に少し残っているだけだった。

重太郎新道を紀美子平へ

穂高岳登山

以前にも来たけど懐かしい

岳沢小屋から沢を渡り、テント場を抜けて重太郎新道へと入っていく。
序盤は九十九折りに登る緩斜面で、トリカブトなどの花が多く咲く華やかな登山道が続く。
西穂高岳や、奥穂高岳の眺望が良く、景色や花を見ながら歩いていると、いつの間にか岳沢が下へ遠ざかっていた。
花畑を登って15分ほど、段差の高い岩の登山道へ変わった。
大きく尖った岩を踏みながら、ゆっくりと高度を上げ、見上げていた稜線の景色はみるみると角度を変えていく。

岳沢から25分ほど経ったところで、岩の間に挟み込まれるような登山道に差し掛かった。
岩の段差に手を突き、頭上の岩の突起に頭を打たないように注意。
ザックを岩に擦りつけながら登り切ると、最初のハシゴが目の前に見えた。
草の茂る高い岩の上、木々に覆われて高度感は無いものの、間違いなく足場の不安な場所。
ハシゴの長さは10mを超えるように見える。

穂高岳登山

そうそう、こんな場所だった

ヘルメットをかぶりハシゴに取り付く。
重太郎新道は今回で3回目。
初めて登ったときも2度目のときも、ハシゴの手前でヘルメットを整えて気持ちを切り替えた。

その角度と高さから振り返って下を見ることもできず、注意深くハシゴを登り切る。
ハシゴを過ぎてからも岩場が続く。
岩の突起に足を掛け、段差の高いところを踏みながら急登を過ぎていく。
木製の2つ目のハシゴを登り、岩場の登山道を九十九折りに登っていく。

すぐ近くに聳える明神岳の岩壁は、朝陽が差し始め、登山道上も徐々に明るく陽が射し始めた。
岳沢から40分ほどでカモシカの立場と呼ばれる岩場に到着。
木々が開け、穂高岳の険しい岩壁が視界に入ってくる。
振り返ると焼岳や霞沢岳、遠く乗鞍岳と御嶽山がすっきりと見える。
岳沢は遥か下で、その角度の急峻ぶりは凄い。

カモシカの立場を過ぎると、ふたつの連続したハシゴに差し掛かる。
ひとつめのハシゴ、ふたつめのハシゴと登るとすぐに鎖場の下がった岩場が続く。
高く見えていた明神岳は、だんだんと山頂が視線の高さに近づいてくるようだった。

カモシカの立場から20分を経過したあたりで、森林限界に達したようで背の高い木々はなくなった。
岳沢パノラマと書かれた岩場はこれまで以上に眺めが良く、カモシカの立場と同じ景色がさらに鮮明に見えた。
岳沢の右側に見える西穂高岳は鋭く尖り、さらに続く岩の登山道は険しい。
その登山道の先にはたくさんの人が動いているのが見え、その場所が紀美子平のようだった。
紀美子平の右奥に見える尖塔系の岩峰は前穂高岳、奥穂高岳の方向へ視線を戻すと前衛のジャンダルムから山頂を目指す人もハッキリと見えた。

穂高岳登山

撮る写真が全部同じような景色

鋭い岩がいくつも連なった登山道で、鎖場がところどころに点在する。
明神岳の三つ並んだ岩峰には登山道も見える。
高かった穂高の稜線が徐々に視線の高さに迫ってきた。

岳沢から1時間半ほどで雷鳥広場と書かれた岩場に到着。
薄い板状の岩がいくつも重なった場所で、とても眺望が良い。
登山道は岩尾根のような状態で、覗き込むと崖のように岩壁が下へと落ちている。
乗鞍岳方面を見ると、高山市の方から雲が迫ってきているようで雲海が広がり、御嶽山が雲の上に顔を出していた。

岩場の続く登山道を登り、いったんハシゴを下りて再び登り返す。
紀美子平まで目と鼻の先ともいえる場所まで来たところで、重太郎新道でよく見られるツアー渋滞に突入した。
多人数での鎖場通過のため、下から見上げながら先が空くのを待つ。
渋滞待ちで足を止める時間も多いため、明神岳や霞沢岳などの景色を楽しむ。

高い段差と下向きに傾いた板状の岩が紀美子平への鎖場は続く。
登山を始めてから3時間14分、紀美子平へと到着した。

長い岩の急斜面がひと段落する紀美子平は、たくさんの人でごった返していた。
眺めが良く休憩のポイントでもあるため、座り込んで時間を過ごしている人が多い。
まさかこの標高で足の踏み場も無い状況になるとは思いもしなかった。

それにしたって人が多すぎる

紀美子平から吊り尾根を通過して奥穂高岳へ

紀美子平は前穂高岳への分岐のため、そこでひと息入れて岩場へと取り付いていく人も多い。
奥穂高岳へと向かうと、そこまでの重太郎新道の混み具合が一変して人が少なくなった。
吊り尾根と呼ばれる岳沢から見上げた稜線で、奥穂高岳山頂まで300mほどの標高差を登る。

紀美子平から前穂高岳の斜面をトラバースするように、人ひとり分ほどの登山道を進む。
すぐに手を使って登る急な岩壁に着いた。
先に下りてくる人、進む人を待ってから岩場に取り付く。
浮き石などは無く足元は安定しているものの、斜面は高く真下まで落ちている。
その高度感は足がすくむようで、登ることよりもバランスを取ることに注意が向く。

穂高岳登山

山頂手前が壁のように高く見える

岩を登ると吊り尾根を一望した。
細く狭い登山道が緩やかに登り、山頂手前で一気に標高を上げて見える。
右手の山側に意識を置きながら、登山道に沿って吊り尾根を過ぎていく。

最低鞍部と書かれた前穂高岳と奥穂高岳の間の最も低い場所を過ぎる。
最も低い場所とはいえ、登山道は登ったまま。
谷側はなんの障害物も無く岳沢が見下ろせる。
上高地が霞沢岳や焼岳に挟まれた平坦な場所に見え、遠くに乗鞍岳が見える。

稜線上に出ると、振り返って見える前穂高岳の岩峰の存在感が大きく、それまで見えていなかった常念岳や蝶ヶ岳が見えた。
奥穂高岳の方向は、さらに狭く険しい急坂が続いて見える。
涸沢カールが見える地点まで来ると雪の残るカールの様子と、その先に常念山脈が取り囲むように聳えているのが見えた。
西穂高岳の連続する岩峰や、焼岳とその先に見える雲海と、どこを見ても楽しめる景色が広がり、ゆっくりとした気持ちで楽しむことができた。

数年前に岳沢から吊り尾根を見上げた記憶と、実際に吊り尾根にきたときの気持ちを思い出す。
穂高岳連峰は思い入れのある山だけに、そのときの思いも蘇るようで、見覚えるのあるひとつひとつの段差が懐かしい。

穂高岳登山

とにかくあちこち懐かしい

上から向かってくる人との登山道を譲り合い、徐々に山頂へと近づく。
紀美子平から1時間ほど経つと、岩の影から槍ヶ岳が見えた。
その手前に北穂高岳、涸沢カールを見下ろし、北側にある山々が一望できるようだった。
急な鎖場を登り高い段差を越えると、ようやく吊り尾根が終わり、南陵の頭に到着した。

南陵の頭は山頂の目と鼻の先。
すぐそこに奥穂高岳山頂があり、周囲を見回すことができる。
西穂高岳からの縦走路と、そのルート上にあるジャンダルム。

山頂部にはたくさんの人が集まり、紀美子平ほどではないものの、ごった返しているように見えた。

すごい数の人が見えるのだけど・・・
穂高岳登山

こんなに人がいるのか・・・

奥穂高岳山頂

登山開始から4時間22分での奥穂高岳到着。
思っていた以上の人に驚きながら、山頂へと辿り着いた。
山頂には穂高神社嶺社が建ち、それをバックに記念写真を撮る人が次々と順番待ちをしている。

周りを見渡すと、奥穂高岳から北側に稜線を繋いで涸沢岳、北穂高岳。
その先に槍ヶ岳の尖った山頂部、北アルプス深部の山並が続き、遠く白馬岳まで見え、まるで北アルプスの全ての山が一望できるようだった。
南側には西穂高岳、ジャンダルムの上に代わる代わる登る人が見え、そこからの細い岩稜を渡ってくる人も多かった。
ジャンダルムの右側には笠ヶ岳、多めの雲の上に見える独特の稜線が美しかった。

登ってきた吊り尾根を振り返ると、前穂高岳からの岩稜が真っ黒に見え、前穂高岳の左側には常念岳が大きく裾野を広げていた。

乾いた風が気持ち良く、しばらく山頂で時間を過ごしながら景色を楽しんだ。

穂高岳登山

山頂は気持ちが良いけどやることが無い。
写真撮ってたら「写真撮るんでどいてください」って怒られるし。

奥穂高岳からの下山

上高地から岳沢、重太郎新道を登り、下山は白出乗越から新穂高へ。
山頂から西側へ向かって下山を始める。

山頂から下りるとはいえ、穂高岳山荘のある白出乗越へ向かって岩場は続く。
穂高岳山荘の真っ赤な屋根が見えると、乗越の深さが感じられた。
足元に注意をしながらガレ場を下りていくと、あっという間に槍ヶ岳が涸沢岳の影に隠れた。
穂高岳山荘の建物が見えるようになってくるほど、下りのルートは険しくなり、鎖場とハシゴの続く緊張感の高い登山道になった。
登ってくる人と狭いスペースを譲り合いながらゆっくりと下りる。
山頂から25分ほど下り、穂高岳山荘に到着した。

穂高岳登山

この下りは苦手

穂高岳山荘

穂高岳山荘ではたくさんの人が腰を下ろしていた。
時間帯が昼近かったこともあり、穂高岳山荘の中も休憩の人が連なっていた。
たくさんの人に混じって穂高岳山荘で昼食をとり、建物の前のテラスで景色を楽しむ。
下りてきたばかりの山頂への取り付きを見ると、ハシゴや鎖場を登る人が切れないほど。
眼下の涸沢カールにもテントが見え、たくさんの人がいる様子だった。

穂高岳登山

どこにでも人がいる感じ

白出沢

新穂高への下山は白出沢を下りる。
穂高岳山荘の裏側へ周り、長い長いガレ場を下りていく。
岩壁に囲まれた深い谷の登山道で、大きな石が延々と続く。
深く続く石のガレ場は終わりが見えず、浮き石も多いために下りるのにも気を遣う。
ペンキの印は場所によっては分かりづらいところもあり、中盤あたりでは気が付かないうちに登山道を外れてしまっていることもあった。

穂高岳登山

下りはペンキが見えづらいし難しい

荷継沢の標が建つガレ場の終わりまで約1時間。
延々と下りたガレ場から穂高岳山荘を見上げると、すでに雲に覆われていてよく見る穂高岳らしい景色は見えなくなっていた。
荷継沢からは樹林帯の急な下り坂が続く。
丸太のハシゴや高い段差が多く、何度も折り返しながらの登山道。
荷継沢から15分ほどのところで鎖場を下り鉱石沢を渡渉する。

高い岩壁の真下にひとり分ほどの幅の登山道が続く。
大きく崩れた山肌と、岩の間を流れる沢、高く迫る岩壁の迫力がある場所で、ところによっては落石が多いと注意書きも見られた。

穂高岳登山

なかなか大変だ

岩壁の真下を歩くような登山道が続く。
右側に鎖が張られ、左側には崖が切れ落ちている。
岩壁を渡るような狭い登山道は5分ほど。

この登山道の名物のようなハシゴを下りる。
重太郎橋と呼ばれる橋から沢の反対側へと渡ると、岩壁の下を歩く登山道から樹林帯へと変わった。

重太郎橋を渡ってからは勾配も緩く、歩きやすい登山道が続く。
右側に流れる白出沢を見下ろし音を聞きながら登山道を下る。
特に眺望も無く緑に囲まれた中を延々と下り、30分ほどで白出沢の林道に到着した。

穂高岳登山

滝も見えたし岩壁は迫力あるし写真を撮るのなら良いのかも

林道を新穂高へ

看板の写真を撮る人たち。
だいたいみんな看板を撮るんだ。

林道は新穂高から槍ヶ岳へと向かうルートになっている。
白出沢で穂高岳への分岐があり、ここから登山道と車道と分かれいる。
舗装はされていないものの車が通れるほどの林道は歩きやすく、なだらかに下っていく。

20分ほどで穂高平山荘を過ぎ、そこから近道へと入って再び林道へ出る。
この近道は林道に比べて距離は縮められるものの、歩きやすさを考えると決して負荷を軽減できるわけではないため、林道をそのまま下りるのも良い。

林道を下ること50分ほどで新穂高へ到着。
ロープウェイのある新穂高温泉駅に出た。

穂高岳登山

林道が長かった・・・

平湯へ戻る

新穂高から車の停めてある平湯へは濃飛バスで戻る。
ロープウェイ駅から30分ほどバスに乗って890円ほど。
平湯バスターミナルで下車し、そこからあかんだな駐車場へは15分ほど歩く。
バスやタクシーでも戻ることができるので、時間が合えば便利に戻ることができる。

穂高岳登山

バスターミナルからもできるだけ交通機関を使いたい

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使った登山道具

紀美子平から奥穂を見る

紀美子平から奥穂を見る

「奥穂へ日帰りしようか」
そう考えたのは2015年でした。
上高地からの高低差は1600mほど。 重太郎新道を登るのなら距離も短く、ハシゴと鎖場が連続するルートではあるけれど、涸沢を経由するよりは時間を気にすることなく登ることができるはず。
当時、その思いを持って日帰りした前穂高岳。
徐々に近づく奥穂高岳への稜線を見ながら、紀美子平に着いたときには、その頂がまるで壁のように高く聳えているように見え、これは登ることができないと思いました。
紀美子平からの奥穂高岳への標高差は300mほどだったと思います。
たしかに間近に迫った標高で、その高さは壁のような印象を受けます。
上高地から駐車場へと帰るバスの時間を気にしながら登った中で、前穂高岳が精一杯だと感じながら下山をし、自分にはやはり無理な行程なのかと思いながら、この景色から撮った写真を眺めました。

それから3年経って、改めて奥穂高岳へ登ろうと思いました。
あのときに見た場所から同じように奥穂高岳を眺め、あのときほどの印象を受けず、けっこう近いなと感じたときには、精神的にも距離が縮まっていたのだと思います。
紀美子平から見る奥穂高岳は当時の思い出と、気持ちを新たにして向かったときの思いが合わさった特別な眺めです。

下山後に立ち寄った温泉

平湯温泉 ひらゆの森

奥飛騨温泉郷の入口にある温泉施設で宿泊もできる。
休憩施設の奥にあるレストランでは飛騨牛も味わうことができ、温泉と合わせて食事も楽しめる。温泉は広い洗い場があり、露天風呂では温度の違う湯船に分けられている。宿泊者は深夜・早朝でも入浴ができるため、登山前の目覚めに温泉を楽しむこともできる。

上高地や高山周辺での日帰り温泉といえば、まっ先にここを思い浮かべてしまうほど定番にしています。駐車場も停めやすいですし温泉も快適です。たくさんの人が訪れる温泉地なので、休憩室がいっぱいになってしまうこともあり、快適なだけに広さが欲しくなります。
豊富なお湯が湧くのか、露天風呂はいくつもの湯船が楽しめ、内湯も広く快適に浸かれます。鉄鍋でできた貸切風呂もあるようで、こちらは1人1000円。施設の外では足湯も楽しめます。

食事のオススメは鍋焼きラーメンです。少し価格が高めですが美味しく頂きました。

建物の奥は宿泊のための施設になっていました。宿泊すると朝から深夜まで温泉に入れるため、出発前の温泉も楽しめます。トイレは部屋の外でしたが綺麗で落ち着く空間でした。

高地にある平湯温泉らしい冷やっとした空気が魅力的です。

お世話になった山小屋

穂高岳山荘

奥穂高岳と涸沢岳との鞍部にある山小屋。
小屋の周囲に貼られた石畳が特徴的で、涸沢カールが一望でき、建物の裏からはジャンダルムや白山まで一望できる。奥穂高岳山頂へは約1時間。北穂高からの縦走の宿泊地として使用する登山者も多い。

広くキレイな設備が整っている印象です。
建物の前から見下ろす涸沢カールや、白出沢越しに見る夕陽など、美しい景色がたくさん楽しめました。
テント泊でも当日の食事に対応してもらえるのが嬉しいです。
紅葉シーズンなどの繁忙期には寝る場所も限られることがありますが、稜線に建っているだけにその眺めは最高です。

穂高岳周辺の山

    同じ時季に登った山