七面大明神を祀る霊山

七面山

1989m

2017年5月14日

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山梨県峡南に位置し、身延山地2位の標高1,989mの霊山。
七面大明神を祀る信仰の山で、登山口から続く五十丁目石を辿るように登り、1700mほどの位置に敬慎院が建つ。

羽衣からの表参道、角瀬からの裏参道とある中で、今回は表参道から登る。

天候が良くないためガスに覆われた登山道を楽しめる。
信仰の山という雰囲気に、鮮やかな緑と霧で白く煙った登山道は美しい。
敬慎院に立ち寄るのも七面山だからこその楽しみ方。

前日まで雨が降り、当日も雲が厚く残る予報だった。
いつ雨が降るとも分からないような雲行きでも降水確率は低かった。
湿度が高く延々と続く登り坂は息が上がった。

歩いたコース

登り
表参道
下り
表参道
最高標高
1989m
登山口標高
516m
距離
11.00km
累積標高
1465m
1464m
平均斜度
14.9度
時季
2017年5月
天気
曇り
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り2:32/下り1:29/合計4:01
平均した歩行速度
2.90km/h

この日のペース

  1. 羽衣
  2. 敬慎院(2:02)
  3. 七面山山頂(2:32)
  4. 敬慎院(3:00)
  5. 羽衣(4:01)
Leaflet | Data © OpenStreetMap contributors, © 国土地理院, Imagery © Mapbox

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天気予報では終日曇りとなるようなニュースだったので、であれば眺望が無い山にもと思い、七面山へ登りました。
青空での富士山もきっと満足度が高いと思うのですが、霧に覆われた参道や濃い緑、真っ白な雲に挟まれて色の無い富士山と、見たい景色が全て見ることができました。
登拝をする人も多いようで、法華経がところどころで聞かれました。

天気の良くない中でも楽しめる山でした。

使った登山道具

七面山へ登る

中央横断道増穂ICから身延道を南下する。
国道52号線から県道37号線を早川町方面へ。
七面山口から林道を七面山へと進む。

羽衣は主要な登山口でもあり敬慎院への登拝の表参道となっている。
登山口の周辺のスペースには車が停まり、その下にある駐車スペースにも多く車が停まっている。

入口の門を潜り表参道を登っていく。
序盤は広めに木段が整備してあり、ほどよく広く歩きやすい。
横には祠や灯籠が立てられ、いかにも参道といった雰囲気の登山道が続いていく。
周りに立つ大きな杉の木は皮が剥かれて赤い木肌が見えていた。

二丁目の神力坊を過ぎ、登山道は深く緑に囲まれていく。

表参道を登る

敬慎院へと続く七面山の登山道は、樹林帯に囲まれた中を右へ左へと折り返しながら高度を上げていく。
幅が広く滑り止め程度に木段が付けられているため、歩幅を調整することもなく登っていくことができる。
登山口から30分ほどで肝心坊に到着。

十三丁目に位置し、休憩ができる建物の中にイスが多く置かれていた。
周辺には線香の香りが漂い、ホッとするような気持ちになる。

肝心坊からの登りもそれまでと変わらず、緑に囲まれた九十九折りの登山道が続く。
丁目が書かれた灯籠とベンチが細かく置かれ、休憩を取りやすく目安にもしやすい。
肝心坊から20分ほどで二十三丁目の中適坊に到着。

中適坊を過ぎてさらに20分ほど登ったあたりから徐々に頭上の緑が明るくなってくる。
厚く木の葉に覆われていた序盤から、標高の高さを感じる雰囲気に変わった。
木が広く開けているところもあり、天候が良ければ富士山への眺望も期待できそうだ。

三十六丁目の青雲坊には中適坊から25分ほどだった。
登山口からちょうど一時間半ほどで、この辺ではシャクナゲも見られた。

青雲坊を過ぎていくと徐々に周囲の緑も量を減らしていく。
周りを囲んでいた杉は本数を減らし、まだ新芽を出したばかりの木の葉や、葉を付けていない木が多く見られた。

標高が上がったせいか雲の中に入ったように周囲は白く霞んでいく。
境内へと続く和光門に着く頃には視界の先に霧が流れるようになり、陽の光が遮られた薄暗さと雰囲気を惹き立てているようにも見えた。
和光門からは参道という雰囲気もますます濃くなり、幅広く砂利のように敷き詰められた石と、両側を囲む石灯籠が続く。

登り切ったところ敬慎院への入口がありには鐘楼と、さらに上へと続く参道があった。

七面山の山頂へ

随神門へと登ると周囲は開け、真っ白な景色が広がる。
富士山が見えるであろう方向は白く、間近の随神門すらも白く霞んで見える。
片隅には「山頂40分」の看板が建ち、それに従って山頂へと続く登山道へと進む。

すぐにヘリポートと荷揚げのためのゴンドラが見えた。
その先には七面山の山頂部が見える。
ここにくると周辺の木の種類がまったく変わり、葉も少なく明るく乾いた登山道が続く。

ヘリポートから緩やかな登り坂が続いていたところが、10分ほど登ったところから斜面の勾配がキツく変わった。
登山道の左側には大きく崩落した斜面が見え、振り返れば厚い雲海の上に聳える富士山が見える。
真っ白な中に見える巨大なモノクロの富士山は異様なほど存在感があった。

無数の木々に囲まれた登山道を登り、こんもりとした木の無い空間に着いた。
登山開始から2時間32分。
七面山の山頂に到着した。

木々に厚く囲まれて、西側にある富士山も東側の南アルプスも見えない山頂部。
標高の書かれた標と、周辺の山が書かれた案内盤があるだけ。
ここから先の希望峰まで行くと眺望を楽しめる。

七面山からの下山

登りと同じルートを羽衣へと下りる。
途中、随神門から敬慎院へと立ち寄る。

<

七面造りと呼ばれる建築様式の本社、宿坊などの建物が建ち並ぶ。
九十九折りに登ってきた登山道を、同じように折り返しながら羽衣まで下りた。

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七面山登山道から見る富士山

七面山登山道から見る富士山

七面山は登山道のほとんどが樹林帯に覆われている山です。
山頂も木々に覆われているために眺望がありません。

登山口から山頂への標高差も1400mほどあり、眺めも無いままひたすらに登るというイメージが強く、晴れた日よりも雨が降りそうな景色を諦めざるを得ない天候に登る山だと決めていました。

実際、七面山に登った日は雨が上がったあとで、まだ降り足らなそうなほど厚い雲が空を覆っていました。
樹林帯を歩くのだからと真っ白な空は気にせず、それ以上の眺望も期待せずに登ったのですが、敬慎院を過ぎて急登に差し掛かるころ、西側の空に富士山が見えました。

厚い雲を突き抜けるように雲海から聳える富士山の存在感。
白い雲に挟まれた黒く大きな姿は圧倒的で、ひと目見ただけでこの日の七面山に満足しました。
もともと雨を吸って鮮やかになった緑を視界いっぱいに見ることを楽しみにしていたので、富士山が見えるとも思っていませんでしたが、まさかの眺望と存在感に圧倒されました。
こんなに白く大きな中に見たことが無かったことも、印象に残った理由のひとつだと思います。

景色が見えなかったせいか高低差を感じることも無く、高度が上がっていくことでの季節の変わり方を楽しみ、そこにある信仰を見ながら楽しく登ることができました。

そして山頂の手前で見た富士山で満足度はピークでした。
もうここで帰ろうかというくらい。

下山後に立ち寄った温泉

草塩温泉

早川町にあるオートキャンプ場近くの温泉施設。
内湯のみで小さな雰囲気の施設で、食堂が隣接し温泉と合わせて刺身などが楽しめる。
休憩スペースは別料金で1500円。
泉質はナトリウム 塩化物・炭酸水素塩泉。
トロみのあるお湯で上がった後は肌がスベスベとする。

いろいろなものがこぢんまりとしている施設でした。
ロッカーの奥行きや洗い場の台など、少し戸惑いましたがお湯は気持ちが良かったです。
温泉の入口には人がいないことがあるようで、隣接の食堂に声を掛けて入りました。
熱くもないので、のんびりと入るにはオススメです。

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