長野で紅葉を見るなら
9月になると北アルプスをはじめとした標高の高い山には秋の気配が漂います。
あんなにも青々としていた緑は、あっという間に赤や黄に染まり、冬を待つ最も華やかな季節になります。
前提として標高によって差が出ますし、その年の気候によっても差が出ます。
一概にどの時季、どのタイミングが良いともいえませんが、往々にして3000M級ならば秋分の日を過ぎた9月25日ごろから。
そこから徐々に街に紅葉が降り、長野市などの標高400m付近は11月になるころには、見頃を迎えています。
山域や標高でかなりの差が出ますので、紅葉を見に行こうと思ったら、スケジュールに合わせて山を選ぶのが良さそうです。
トレッキングでの紅葉といえば、北アルプスの涸沢カールは外せないと思います。
上高地から6時間ほどのコースタイムを歩いて、ようやく辿り着くことができる2300mほどの場所です。
毎年、たくさんの人が訪れ、最盛期ではテントは1000張りを越えるとか。
2つの山小屋が建っていますが、複数人で布団を分けあうほど混み合います。
蓼科温泉郷の横谷渓谷は紅葉が綺麗で知られる場所です。
本格的な登山ではなく、森の中を歩いて紅葉を楽しみます。
すぐ近くに沢が流れ、上流には大きな滝が見られます。
横谷渓谷
横谷峡とも呼ばれる渓谷で、滝を巡るようなコースがある。
黄色く染まる紅葉が美しく、冬季には氷瀑が見られる場所としても知られている。
紅葉といえば、各地に名所はあり、それぞれに美しい景色が見られますが、中でもオススメしたいのは「北信地域」です。
北信地域は長野県の北部、北は栄村から、長野市や千曲市までを含んだエリアです。
際立って標高の高い山はありませんが、妙高山や高妻山、戸隠連峰などの名だたる山が聳えています。
中でも、志賀高原や秋山郷は名所としても知られています。
夏の避暑や冬のスポーツで人気の高い志賀高原ですが、池を巡ったり峰々を渡り歩くようなハイキングコースも整備されています。
比較的歩きやすいコースが多く、峰々を繋いで長い距離を歩くこともできます。
紅葉シーズンには黄色く変わる葉が多いのが特徴で、車道からも紅葉が楽しめます。
秋山郷は秘境とも言われるほど山間の集落です。
北側には苗場山があり、南側には志賀高原が連なります。
鳥甲山は苗場山の向かい側に、秋山郷を見下ろすように聳えます。
山体が崩壊しているところもあり、標高に見合わず難度の高い登山道が続きます。
周囲の紅葉を見下ろしながらの登山道は気持ちが良く、山全体が樹林帯に覆われているため、間近に紅葉を見ることもできます。
美しい台形の山容から信濃富士と呼ばれます。
標高2000mを越える山ですが、街から見える美しい山容は、季節になると三段紅葉に染まります。
登山道に入ると序盤から山頂に近づくに連れて移り変わる季節を感じることができます。
観光客も多く訪れる戸隠エリア。
代表的な眺めは鏡池からの戸隠連峰ですが、登山も含めるとなると、戸隠山や高妻山は欠かせないところです。
険しい戸隠山と、行程の長い高妻山は、どちらも難易度が高めの山ですが、周囲の展望も良いため華やかな秋の色合いが楽しめます。
長野県と新潟県の県境にある鍋倉山は、ブナ林が美しい山です。
稜線上に車を停めることができるため、高低差を少なく登ることができます。
関田峠から往復して3時間ほど。
頭上を覆うたくさんの紅葉を楽しむことができます。
どんな季節でも、その季節ならではの美しさを見せてくれる山ですが、やはり紅葉シーズンは華やかで、その季節にこそ登りたい山もあります。
雨飾山キャンプ場からの登山道を歩くと、深く美しいブナ林の中を通ります。
緑の季節でも美しいのですが、秋になるといっぱいの緑がそれぞれの葉の色に変わり、とても明るい色合いが楽しめます。