天狗岳

2646m

オススメの八ヶ岳東側ルート

稲子湯中山峠 2016年1月5日

天狗岳 冬季登山(稲子湯) (1月)|天狗岳から強風の稜線を夏沢峠へ
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北八ヶ岳の南端にある天狗岳。
西天狗と東天狗のふたつの峰は両極端で、ゴツゴツとした岩の東天狗と、丸みを帯びた穏やかな山容の西天狗が聳えている。
中山峠からはまるで二つの山があるようにも見える。
北八ヶ岳と南八ヶ岳への眺望が良く、季節を問わず登山者も多い。

歩いたコース

登り
中山峠
下り
夏沢峠 本沢温泉
最高標高
2646m
登山口標高
1687m
距離
16.05km
累積標高
1368m
1368m
平均斜度
11.8度
時季
2016年1月
天気
晴れのち曇り
日程
日帰り
歩行ペース
登り2:55/下り2:58/合計5:53
平均の歩行速度
2.83km/h

この日のペース

  1. 稲子湯
  2. みどり池(1:00)
  3. 中山峠
  4. 東天狗岳
  5. 西天狗岳(2:55)
  6. 東天狗岳
  7. 夏沢峠
  8. 本沢温泉
  9. みどり池
  10. 稲子湯(5:53)

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山と高原地図 八ヶ岳 蓼科・美ヶ原・霧ヶ峰
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天狗岳は八ヶ岳の展望台のような印象です。
北八ヶ岳も南八ヶ岳もバッチリで、登山道の距離もほどほどなのでオススメです。
風が強いのが難点ですが休憩できるポイントもあり、登りやすい山だと思います。
時間があればテントを持って他の山との縦走をしたいところです。

使った登山道具

持って行った水の量

稲子湯から中山峠、冬の天狗岳へ

八ヶ岳を挟んで東西から登山道があり、今回は西側の小海町から。
松原湖やスキー場を過ぎてさらに標高を上げたところに登山口がある。
稲子湯へと続く林道のわきに駐車場があり、30台ほどが停められそうなスペース。
林道の車止めを避けて登山道へと入っていく。

緩やかに登っていく林道を縫うように登山道が真っ直ぐに伸びている。
登山口から20分ほど、車道から本格的な登山道へと入っていく。
標高も徐々に上がり、石が転がる登山道から雪と氷の張った登山道へと変わった。

木に覆われた登山道。
徐々にうっすらと雪が積もり、右側には枝の間から高い岩壁が見える。
傾斜もそうキツくなく緩やかな傾斜の登山道は歩きやすい。
登っていくこと1時間。標高2,000mを越え、みどり池に到着した。

みどり池の畔には、しらびそ小屋という山小屋があり幕営地も整えられている。
氷ったみどり池を見渡すとその先には東天狗が高く聳えている。
しばらく平坦な登山道を進む。

目の前にはリスが雪の上を走り、枝の間から差し込む朝陽が気持ち良い。
5分ほどで本沢温泉と中山峠との分岐になりそこを右へと進むと、徐々に勾配が出てきた。木に括り付けた看板には「中山峠直下で落石注意」の文字。
その看板の通りか、中山峠の直下は急勾配の雪道になっていた。
陽の光を背負いながら急登を登っていく。

みどり池から40分ほど登ったところ、厚い枝の間から空が見え中山峠が近くなったように見えた。
登っていた急斜面をトラバースするように登山道が変わると、進む先にはそれらしい様子が見える。
このトラバース地点が落石注意の場所と思われるので、頭上に注意をしながら中山峠へ。
トラバース地点からは木も開け東天狗が見える。

鎖が張られた岩場を登ると、中山峠へ到着した。
登山口からは2時間ほどでの到着だった。

中山峠から東天狗へ

強く吹き付ける風が木を揺らしている中山峠。
かなり風が強い様子なので、身支度を調えて東天狗へと向かう。
雪が少なく、本来なら隠れているハシゴや木々が露出していた。

見晴らしの良いハイマツ帯に出ると、東天狗と西天狗の両方の峰を見渡すことができた。
振り返ると蓼科山まで北八ヶ岳を一望。
秩父の山並みや北アルプスが見える。

東天狗へと近づくにつれてだんだんと傾斜のキツくなり岩場が続く。
ところどころでマークが雪に隠れているため、岩を見渡しながら歩きやすいところを見つけ、東天狗へと近づいていく。

中山峠から2時間40分。中山峠からは40分ほどで東天狗に到着した。
ここからの眺望も良く西側の山並みを楽しめるが、風が直接吹き付けるため、早々に西天狗へ。

いったん鞍部へと下りて西天狗へ取り付く。
雪の付いた斜面とはいえ歩きやすく15分ほどで西天狗に到着した。

西天狗から夏沢峠

登山口から西天狗岳まで、2時間55分での到着だった。
風が強く吹き付ける東天狗と比べて丸みを帯びているせいか、風が当たらないのか寒さを感じなかった。
陽射しは暖かい。
南八ヶ岳、南アルプスの眺望と、北八ヶ岳を見晴らして景色を楽しむ。
遠く御嶽山は噴煙が上がっているようにも見える。

西天狗からは根石岳を経由して夏沢峠へ。
さきほど下りた東天狗へと再び登り返し根石岳へと下りていく。
天狗岳と根石岳の鞍部へと下りると、一気に風が強く当たるようになった。
体を煽られるほどの風に、ときどき足を停めて耐えながら根石岳へ。
高低差や勾配はそうキツくはないものの、急に吹き付ける強風に苦労する。
狭くはない登山道も風に煽られ体が流される危険も感じる。

帽子を飛ばされながら西天狗からは30分ほどで到着。
相変わらずの風の強さで、景色を見ることなく根石山荘へと下りる。
風を感じながら根石山荘を過ぎると樹林帯に戻り、風からは逃れることができた。

八ヶ岳の西側と硫黄岳との分岐になる夏沢峠。
八ヶ岳の西側にある崖の真上を下るように夏沢峠から硫黄岳方面へ。
樹林帯に隠れているものの、この崖を覗き込んでみると高度感はかなりのもの。
硫黄岳と本沢温泉の分岐にあたるヒュッテ夏沢と山彦荘を経由して下山路へと進んだ。

本沢温泉を経由して下山ルート

夏沢峠からは一気に高度を下げていく。
樹林帯に囲まれた本沢温泉へのルートは緑が多く気持ちが良い。ときどき見える硫黄岳が高い。
登山道は徐々に歩きやすく広くなっていく。
20分ほど下りたところ硫黄がきつく臭ってきた。
本沢温泉へと近づいている雰囲気を感じながらさらに下りていく。
登山道の下に浴槽が見え、さらに少し下りたところで露天風呂の案内が立っていた。

本沢温泉は国内最高地点の露天風呂が楽しめる温泉地。
山小屋と同じように宿泊も食事もできる。内湯もあるため、本沢温泉を目的として八ヶ岳を楽しむのも良い。
本沢温泉で休憩をして、再びみどり池へと戻る。

登り返しもあり、ここまで下りてきたルートではなかなかに足に堪える下山ルート。
場所によっては登山道一面に厚い氷が張っているところもある。
登っては緩やかに下り、中山峠の分岐まで戻るとみどり池まではすぐ。
あとは登ってきたルートを戻るのみ。

八ヶ岳の西側の登山道は、美濃戸や渋ノ湯、唐沢などと比べて裏側という印象もあるが、静かで落ち着いた雰囲気があり、テントを担いで登るなら西側が良いと感じた。

夏沢峠の標識

夏沢峠の標識

この標識が好きです。

1月、天狗岳から根石岳を越えて夏沢峠へと向かった日でした。
爆風ともいえるような強い風が吹き根石岳ではまともに歩くのが難しく、空には雲もなく陽射しが眩しいといった陽気でした。

根石岳を下って山小屋の建つ鞍部から再び登り返してようやく樹林帯に入ります。
そこでようやく風から逃れることができ、歩きやすくなりました。
風が無くなったかわりに体温が上がり汗をかきやすくなりましたが、あの風には良い経験をしました。

夏沢峠は天狗岳と硫黄岳の中間地点。
どちらの山にも向かうことができ、北八ヶ岳と南八ヶ岳の境にもなります。
東側の桜平から夏沢鉱泉から登ることや、西側の本沢温泉から登ることができ、どちらからもアクセスが良い場所です。
ふたつの山小屋が並ぶように建っていることからも、たくさんの登山者が訪れやすい場所だという雰囲気を感じます。

夏沢鉱泉へ下りるのか、本沢温泉へ下りるのか。
硫黄岳へ登るのか、天狗岳へ向かうのか。
夏沢峠はそういう場所で、この標識が行く先を指しています。

下山後に立ち寄った温泉

北八ヶ岳松原湖温泉 八峰の湯

松原湖や小海リエックススキー場からも近い温泉施設。源泉掛け流しで広い浴室と露天風呂、岩盤浴が楽しめる。晴れていれば八ヶ岳が望め、休憩スペースも広くリラックスできる。駐車場は100台まで可能。

八ヶ岳の登山口から近く、車も停めやすいのでオススメです。
施設も綺麗なのに500円という入浴料も素敵でした。
食事もできるので温泉だけでも良いと感じてしまうほどノンビリとできました。
窓に書かれている肩こりや関節のストレッチのイラストが親切です。湯船が広いので真似しながら浸かれました。

お世話になった山小屋

本沢温泉

標高2000mを越える高所にある温泉地。通年営業で冬でも訪れることができる。標高2150mの露天風呂「雲上の湯」は、硫黄岳を見上げる登山道の真下にあり、爽やかな空気と眺望を楽しみながら入浴ができる。周辺は硫黄の香りが漂い、温泉を楽しみながらの宿泊が可能。施設の近くには幕営地も整備されている。

静かな雰囲気の落ち着いた佇まいでした。八ヶ岳の山頂を目指さなくても本沢温泉が目的地で良いのではないかと思うほど良いところでした。露天風呂は登山道から見えてしまいそうな場所にありますが、若干濁っているので注意すれば迷惑を掛けることも無いのかなと思います。車で入ることのできるゲートからも遠くはないので、ふだんあまり歩かない人でも訪れることができると思います。

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