深雪と強風に手こずる

唐松岳

2696m

八方尾根 2015年3月15日

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白馬三山から不帰の険の南側に位置する唐松岳は、立山連峰を望むことができ、ゴンドラを利用して八方尾根を登ることもできることから登山者も多い。
唐松岳を経由して五竜岳へと向かうルートも非常に人気があり、日帰りならば唐松岳だけを登頂するのも良い。
標高は2,696m。
鞍部を経た山頂近くに山小屋もあるため宿泊も可能。

歩いたコース

登り
八方尾根
下り
八方尾根
最高標高
2696m
登山口標高
1830m
距離
9.21km
累積標高
945m
945m
平均斜度
11.6度
時季
2015年3月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩いた時間
登り3:10/下り1:25/合計4:35
平均した歩行速度
2.08km/h

この日のペース

  1. 八方山荘
  2. 八方池
  3. 唐松頂上山荘
  4. 唐松岳(3:10)
  5. 唐松頂上山荘
  6. 八方池
  7. 八方山荘(4:35)

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山と高原地図 白馬岳
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積雪期の北アルプスはとにかく綺麗でした。
真っ青な空と、白くも険しさが影になって見える山容が美しかったです。
夏のような気軽さでは登れないと思いますが、天候に十分に気をつけることと、強い風が吹き付けることでの防寒対策をしっかりとできれば安全に登ることができると思います。
人も多いですし、山頂に近い標高からスタートできるのも安心感のあるひとつだと思います。

ただ、そうはいっても北アルプスですので、何か心配事が起きたときにはすぐに引き返すことや対処できる準備は必要です。天候が良くても強風による撤退も選択肢として考えることも必要だと思います。山頂からでなくてもリフトから美しい景色が楽しめます。

持って行った水の量

積雪期の唐松岳へ登る

唐松岳へは八方尾根スキー場にあるゴンドラを利用して約1,800m付近まで登ることができる。
ゴンドラの近くにある駐車場に車を停めて準備を始めた。

ゴンドラは7時半の運行開始。
夏季はモンベルカードの使用で割引もあり八方池までの往復券の購入になるが、スキー場がオープンしている冬季はモンベルカードの使用はできず、料金もゴンドラだけの使用になっている。

ゴンドラを降りると、リフトを2本乗り継ぐ。
片道300円を窓口で支払い、スキーヤーに混じってリフトに乗り込む。ゲレンデを横切って2本目のリフトに向かうと、運行開始は9時の予定。
ゴンドラとリフトを乗り継いでも、まだ8時だったので1時間ほどの待ち時間ができる予定。

準備ができ次第運行が始まり、予定より30分早くリフトに乗り込むことができた。

八方池山荘から唐松岳へ登山開始

リフトを降りた場所は八方池山荘の前。登山者やスキーヤーが上を目指して準備を整えている。
ほとんど木の生えていない八方尾根は強く風が吹き付け、細かな雪の粒が舞い上がる。
すでに鹿島槍ヶ岳や五竜岳が西側に見え、振り向けば周りの山並みを見渡すことができる。
八方池山荘の上に少し登ると真っ白な白馬三山が見える。

見上げると、たくさんの登山者とスキーヤーがすでに先を登っている。
トレースもしっかりと付き、強い風で固く締まった雪は歩きやすい。ただトレースから1歩でも外れると膝の上まで一気に埋まってしまう。
右側から強く吹き付ける風と雪を受けながら真っ直ぐに斜面を登っていく。

第1ケルンには30分ほどで到達。
さらに5分ほどで第2ケルンを過ぎていく。

八方ケルンには八方池山荘から40分ほどで到着。
八方池は雪の下になっていた。
白馬三山と五竜岳への眺めは最高で、風もますます強くなる。

丸山ケルンまでの道程

八方池を過ぎると、狭くなった尾根を歩くようなルートに変わる。
相変わらず強い風が吹き付けてくるので、煽られないように注意。
夏であれば左右を木々に囲まれた場所も、雪の積もった時季では風を避けてくれるものが何も無い。
尾根を過ぎると急斜面を登っていく。
斜面全体が吹きだまりのようになっているようで、踏み跡でも足は埋まり、下山中の人との擦れ違いでも太腿まで足が埋まる。

景色が良いため所々で立ち止まって眺めを堪能しながらの登山も、ここまで雪に足を取られると夏からは想像できないほどに疲労する。

丸山ケルンから唐松岳へ

登山開始から2時間足らずで丸山ケルンに到着した。
風はさらに強くなり、右側に見上げていた白馬三山はだんだんと目線と同じ高さになってきた。
先には唐松岳の尖った山頂が見える。
ルートは完全に尾根を歩くようになり、右にも左にも深い谷が見える。
幅が狭いということもないので、風に煽られてもよっぽどでなければ落ちることもないと思え、とはいえ高さには怖さも感じる。

夏のルートは山小屋が建つピークを左に巻くようにして、崖に掛けられた橋を渡っていくが、積雪期ではピークを真っ直ぐに登っていく。
急な斜面で左右は崖。
このルートの中では唯一の高度感がある場所になるかもしれない。
足元に気をつけて登れば危険ということもない

登り切った先には、立山への眺望が待っていた。

唐松岳山頂

立山を見晴らす尾根は、風が強く当たるせいかほとんど雪が無く石が露出していた。
雪庇も大きく育ち、ルートのすぐ下には何メートルも窪んだ雪の壁ができていた。

鞍部を下って山頂へと取り付き、唐松岳山頂へと到着。
八方池山荘から登り始めて3時間10分ほどでの到着だった。

唐松岳からの360度の眺望は素晴らしく、五竜岳や不帰の険をはじめとして剱岳や立山、遠く槍ヶ岳も見える。
何よりも日本海が青く見え、富山の街を見下ろすことができたのが良かった。
東側には妙高山や四阿山、浅間山が大きく見えた。
登っている最中に見ることのできた富士山は、山頂に着いたときには霞んでしまい見ることができなかった。

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使った登山道具

唐松岳登山道から見る雪の白馬三山

唐松岳登山道から見る雪の白馬三山

北アルプスの中でも八方尾根から登る唐松岳は比較的難易度も低く雪山初心者向けのルートです。
もちろん天候や状態によって難易度は大きく変わるので、一概に初心者でも登ることができるとは言い難いですが、2015年などは雪も少なく歩きやすい登山道でした。

唐松岳へと登る登山口の中でも八方尾根は、冬場はスキー場としても楽しまれていることから2,000m近い地点までゴンドラとリフトを乗り継いで向かうことができます。
リフトの最高地点には八方池山荘という山小屋があり、白馬三山や五竜岳、鹿島槍ヶ岳、白馬の街並みやその先に見える山並みまで眺めることができ、ここまでを目的に訪れても価値があるような場所です。

八方池山荘から約3時間。
唐松岳の山頂に立てば、立山連峰や日本海までも眺めることができます。
雪の深い季節は危険も伴うので、そこまで行かなくても登山道上にいくつかあるケルンを目印に、途中まで景色を楽しみながら歩くというのもオススメです。

特に登りながら右手に見える白馬三山。
険しくそそり立つ岩壁と鋭利な稜線は、空気の乾燥した冬季ならではのコントラストが楽しめます。

八方尾根は樹木が少なく風を遮るものが無いため、どんなに晴れていても風が強いと歩くことが困難な場合もあります。
また、初心者向けとはいっても北アルプス。
雪の深さや気候の激しさには注意が必要です。

下山後に立ち寄った温泉

白馬八方温泉 みみずくの湯

露天風呂からは白馬三山を望むことができる眺めの良い温泉。
最寄りの八方尾根スキー場からは少し離れているが、時間帯によっては混み合う。
泉質はアルカリ性の単純泉。
ぬるぬるとした感触で、時間帯や時季によって温度にバラツキがあるように感じられる。
加水や循環をしていない掛け流しで、内湯と露天風呂が楽しめる。
けっして広い温泉ではないものの、白馬の山並みを眺めながら開放感のある温泉が楽しめる。

狭い道を入って向かうと、停めやすく余裕のある駐車場があります。
少し分かりづらい場所だったので穴場かと思ったのですが、お湯には入れるのか?というほど混んでいました。
スキーや登山が終わる時間帯は避けた方が良いのかもしれません。
休憩スペースは広くはありませんが、腰掛けてノンビリとすることもできます。

唐松岳周辺の山

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