独鈷山

1266m

平井寺 2020年2月3日

  1. 登山百景トップ
  2. 八ヶ岳の山
  3. 独鈷山登山
登り
平井寺
下り
平井寺
最高標高
1266m
登山口標高
869m
距離
2.19km
累積標高
413m
406m
平均斜度
20.49度
時季
2020年2月
天気
晴れ
日程
日帰り
水の量
水900ml
歩いた時間
登り0:50/下り0:23/合計1:13
平均歩速
1.80km/h

この日のペース

  1. 平井寺登山口
  2. 独鈷山山頂(0:50)
  3. 平井寺登山口(1:13)

このコースの消費カロリーを計算する

体重を入力すると、このページで紹介しているコースのおおよその消費カロリー(登り+下り)を計算します。

※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

独鈷山は何度か登っている山ですが、平井寺からの登山道はアクセスが良くないこともあり、登ることができませんでした。
それなりの高低差と短い距離から、勾配がキツいことが伺えるのですが、それ以上に登山口までの林道が悪路でした。
天候や状況によって、登山口へ行く事が難しい場合も考えられる雰囲気でした。

平井寺からの登山道は、これまで登った主要な登山道の中でも、もっとも急でルートが分かりにくいところでした。
独鈷山へ登ろうと考えているのなら、まずはおすすめしないしない登山道だなと思っています。

踏み跡はどこだ・・・

独鈷山東側の登山道

長野県上田市にある独鈷山。
市街地からは美ヶ原の前衛にも見え、塩田平と呼ばれる上田市西側のを代表する山のひとつ。
樹林帯がこんもりとして穏やかに見える角度と、岩峰が細かく切り立つ険しさが見える角度とがあり、東西南北にある登山道が独鈷山を知る楽しみの多さを感じさせる。
主な登山道は、前山寺や塩野神社のある西前山登山口と、鹿教湯温泉へと向かう途中にある宮沢登山口。
このふたつは南北から登ることのできる登山道で比較的歩きやすく、独鈷山への入口的な登山口としてもおすすめできる。

西側の登山道の沢山湖は最も行程の長い登山道で、その反面で東側の平井寺は最も短い登山道となっている。
どちらも高低差に大きな違いはないため、長くのんびりと登るのか、短く一気に登るのかという違いがある。

2月の上田市は、降雪量が少なく積雪が少ないとはいえ、例年でも10センチ程度の雪があることが多い。
記録的な暖冬で、残雪期や春山のような気候が続く中、独鈷山も凍結すらしていないところも多く見られた。

独鈷山の最短コース

長和町から旧和田村、和田小学校付近から県道178号線を美ヶ原へ向かう。
雪が少ないばかりか、暖かさから凍結もない道路状況で、特に難しさを感じるところもないまま、林道の急斜面へと向かっていく。
美ヶ原が近づくと、道路脇にも雪が多くなり、日影は凍結している場所もあった。
陽当たりの良い県道460号線と合流するまでが要注意な道路状況だった。

存在感が強い上に市街地から近く、山登りに興味を持つひとなら山頂に立つことを考えるだろう独鈷山。
信州百名山で標高も行程も里山と呼べるほどの山でありながら、「信州の妙義山」とも呼ばれるような険しい山容を併せ持つ。
東西南北に様々な登山道があり、それぞれに特徴的で独鈷山の様々な表情を楽しむことができる。

今回のコースに選んだ平井寺登山道は、いくつもある登山道の中でも山頂までの距離が短い。
それだけに傾斜がきつく、登山道が不明瞭なところもある難路となっている。
城郭があった遺構が見られる西前山からの登山道に対して、平井寺からの登山道は明治時代まで建っていたという中寺の跡が見られる。

平井寺トンネルから、林道の悪路を通って登山口へ。
天候や状況によっていつ通れなくなるのかというほどの林道で、今回は未舗装の悪路ながらも登山口まで車の乗り入れができた。
決して無理をしてはいけない雰囲気がありありとしていた。

独鈷山登山

ここは状況をよく調べてから来た方が良い

登山口付近には余裕を持って車を停められるほどの広さはなく傾いた路肩に車を停める。
手前には独鈷山の環境を表した看板が掛けられ、広くなだらかな登山道が真っ直ぐに続いている。
杉に覆われているため、薄暗く陰っているものの整地され歩きやすい。

登山道へ入ってすぐに右手側に「頬つき岩」と呼ばれる巨石が埋まっていた。
これは平井寺登山道上に寺があったころ、善海という僧が頬を付いて休息したと言われている。
登山道の序盤は案内が多く、深い落ち葉の上を人が歩いたような踏み跡は少ないものの、登山道が明瞭で歩きやすい。
ここから傾斜が厳しくなるという馬返しの案内板を過ぎると、文字通りに登山道はきつく変わった。
杉は減り、落ち葉が深い。
踏みしめながら登っていくと、中寺跡に出た。
案内板によると、明治時代の廃仏毀釈まで寺があった場所ということで、たしかに穏やかな傾斜で広く開けているような印象だった。
その中寺跡の傍らには、座禅岩という巨岩が埋まっており、奥の院まで登ることのできなかった僧が、こも岩の上で座禅をしたとの記載があった。

独鈷山登山

そういえば、案内は立派だという書き込みをネットで見た

中寺跡を過ぎると、いよいよこのルートの核心部に差し掛かる。
小柳坂と案内板が掛けられた急坂で、一面に落ち葉が広がり踏み跡が見えず、登山道が不明瞭な状態に変わる。
お椀状に囲まれた上にある尾根が山頂へ続いていることは確実なので、たとえ道を見失っても登れば山頂が見えるはずと思いながら急坂に取り付いていく。
見上げても登山道が分からなかった状態でも、ゆっくりと登っていくと足元がそれらしい状態になっていることが分かり、登山道から外れてはいない安心感があった。

独鈷山登山

おもいがけず急な登り

今にもずり落ちてきそうな巨岩を巻き、急な斜面を登っていく。
どこを歩いても登山道のようにも見え、だからといって確かな山頂部が視界に入っているわけではなく、外れてはいないだろうという勘と視界に入る状態を頼りにしていく。
ふと石に立て掛けられた「山頂まで50分」という看板を見つけ、登山道から数メートル外れていたものの、あながち見当違いの場所を歩いているわけでもないと分かった。
目を凝らすと、登山道を表した物かは分からないテープが木に巻かれている。
そこまで登ることを目標にして、落ち葉を踏みしめていく。

独鈷山登山

道が分からなくても尾根づたいに山頂へ行けることは分かってる

斜面をトラバースするようにロープが架けられている踏み跡を見つけ、登山道から外れずに登ってきていることを確認した。
そのままロープに沿って急坂の横切っていく。
見下ろすとかなりの傾斜角があることが見てとれる。

うっすらと雪が見え始めたものの、偶然、解け残ったようなもので、登山道には凍結の様子も無い。
落ち葉も少なく踏み跡は明瞭で、柳小坂のような傾斜角もなかった。
登山道をそのまま登っていくと、北側からの尾根と合流した。
見るからに登山道では無いものの、ここもバリエーションルートとして歩こうとする人もいるのだろうと思えた。
それくらいに独鈷山は登攀技術があれば登ることのできる尾根が豊富という印象がある。

独鈷山登山

この尾根もきっとバリエーションルートのひとつなんだろうな

独鈷山登山

なかなか高度感のあるトラバース

尾根を過ぎると崖の上を歩くような狭いトラバースになった。
そこで「山頂まで30分」という看板を見つけた。
山影になっていたため雪が残りやすく、ほんの少しだけ乾いた雪があった。
雪の下は霜柱があるようで、踏みしめるとバリバリと音がする。
決して難しい場所ではなくても、もし凍結しているようだと滑落をしないともいえず、やはり締まった雪は緊張感があった。

登山道の傾斜はなだらかで、とても歩きやすい。
右へ左へと折り返すと、別の尾根との合流地点に着いた。

山頂まで5分と書かれた看板のある場所で、バリエーションルートの帰望尾根との合流地点。
膝ほどの高さにロープが張られ、帰望尾根には気軽に近づけない雰囲気があった。

独鈷山登山

行ける物なら行ってみたいけれど。

木々の間からは独鈷山の山頂がうっすらと見える。
登山道はトラロープの架けられた岩場に変わる。
独鈷山らしい細尾根で、左右には急な斜面が深く落ちていくのが見える。
難しい場所ではなくても、高さがあるというだけで気持ちの難易度が高くなっていく。

独鈷山の山頂に到着

独鈷山の山頂には登山口から50分ほどだった。
山頂に置かれた干支の裏側に出たような印象で、何度目かの独鈷山としては、裏口からやってきたような印象だった。

独鈷山登山

案の定、誰もいなくて静かな山頂だった

青空にうっすらと雲が広がっているものの周囲の眺望は良い。
間近に見える美ヶ原や霞んで見える八ヶ岳、北側には上田市街と北信五岳が見渡せる。
北アルプスや浅間山もくっきりと見える状態だった。

独鈷山登山

とても景色のイイ日

平井寺登山口への下山

下山は登りと同じ平井寺へ。
短い行程の登山道だっただけに、傾斜の角度はキツくても下りていくのは早かった。
帰望尾根との合流地点を過ぎ、雪を踏みしめて狭いトラバースを下りると、登りの核心部だった柳小坂へ。
登りで苦労した角度は、やはり下りでもキツい。
ただ登山道を探す必要がないため気持ちは楽で、見覚えのある景色へ向かって下りてく。
中寺跡まで下りてくると、登山口はすぐそこだった。

独鈷山登山

下り早かった

感想をお聞かせください

こちらのフォームからお送り頂けます。

メッセージは文字まで、送信は一日回まで
現在文字数 0文字

同じ時季に登った山