新穂高ロープウェイから西穂高岳へ登山
新穂高ロープウェイは2本。
鍋平からの第2ロープウェイを利用して2,000mを超える西穂高口へと向かう。
シーズンによって就航時間の変わるロープウェイは、9月のグリーンシーズンなら8時45分から始発がある。
登山者用の駐車場に車を停め、400mほど歩いてロープウェイ駅へと向かう。
時間前から登山目的の利用者が並び、扉が開く頃には長い列ができていた。
2階で乗車券を購入し、6キロ以上の荷物分と、駐車料金を払う。
2階建てのロープウェイに乗り込むと、目指す西穂高岳は近く、さらに左手には槍ヶ岳。
背後に笠ヶ岳が大きく見える。右側には焼岳と乗鞍岳、右後方には白山が聳えているのが見える。
西穂高口から西穂山荘へ向かう
ロープウェイ駅から降りた周りは遊歩道があり、観光者が散歩を楽しめるように整備されている。
登山口の標識に従って先へと進み山道へと入っていく。
登山道に入るとまずは鞍部へと下っていく。
足元は広く踏み板なども置かれているために歩きやすい。
木々に囲まれた中、アップダウンを繰り返しながら先へと進んでいく。
意外と大変な気がする
登山口から20分ほど歩くと、登り坂が続くようになり、だんだんと傾斜もキツくなってきた。
ロープウェイから西穂山荘へと向かう人たちも多く、列になって登り坂を進んでいく。
急登が続くのでペースに気をつけながら進むこと40分。
西穂山荘の屋根が見えた。
西穂山荘から独標へ
西穂山荘は焼岳や上高地からの登山ルートとの分岐点。
テントも可能で、穂高岳を縦走したり、西穂高岳へと向かう場合に利用されている。
メディアで紹介されることも多く、映画「岳」のロケにも使われていたそうだ。
「西穂ガール」と名付けられたワインや、「西穂ラーメン」などのオリジナル商品も販売されている。
西穂山荘を過ぎると樹林帯からハイマツの稜線に出る。
周囲への景色が一度に晴れ、振り返れば焼岳と乗鞍岳を望むことができる。
左側の笠ヶ岳を眺めながら登り続けること10分。
丸山を過ぎた。
丸山からは独標を見ることができる。
狭い先端にはすでに到達している人影が見える。
緩やかになった石の坂道を上り、独標へと近づいて行く。
やがて石の登山ルートは右へ左へと折り返しながら斜面が傾いていく。
石の転がったキツイ勾配は歩きづらい。
右側後方には大正池が見える。
目指す西穂高岳の山頂も徐々に近づいてきた。
西穂山荘から30分。
登山口から1時間20分ほどでの独標到着だった。
独標直下では、広く比較的緩やかだった登山ルートは本格的な岩場に変わっていた。
鎖場とよじ登るような岩。
独標から先はさらに狭く切り立った登山ルートになる。
独標からピラミッドピークへ
独標からは西穂高岳へと続くピークを見晴らすことができる。
西穂高岳から奥穂高岳、右側へと続く吊り尾根と前穂高岳。
迫力ある穂高岳の岩稜の景色は素晴らしく、独標からでも十分に景色を堪能できた。
さらに続く岩場の前にヘルメットを身につけ、まずは独標を降りて10峰へ向かう。
さ、行こう。という感じ。
独標から急な岩場を下りると、鞍部は狭く切り立った登山ルートになっている。
鞍部からすぐに鎖場を登り、10峰を巻いてルートは続く。
左手の新穂高側は下まで真っ直ぐに切れ落ちている。
時に岩に張り付き足元を確認しながら、独標から20分ほどで8峰ピラミッドピークに到着。
緊張感があるからか早く感じる
ピラミッドピークから西穂高岳の山頂へ
だいぶ西穂高岳が近く見えるようになった。
ピラミッドピークまでくると、山頂に建つ標や登山者の姿が見える。
それと同じように登山ルートの険しい様子も見て取れる。
ピラミッドピークを降り、細い尾根を渡る。
左側の新穂高と右側の岳沢。
高度感のある尾根から再び岩の急斜面を登っていく。
ピークに近づくと岩には番号が書かれているので、それをカウントダウンしていく。
数あるピークを巻きながら、4峰のチャンピオンピークへ。
山頂直下の鞍部は、一際長く急勾配の岩場になっている。
ペンキで付けられた印に沿って登っていくものの、足場は狭く爪先を掛ける場所にも考えさせられる。
前方からくる下山者との擦れ違いに気を遣いながら山頂を目指していく。
高く険しく見えた西穂高岳の山頂は、直下まで来てみると意外にもすぐ近くに標が見えた。
意外と山頂はそこにある感じ
西穂高岳山頂
登山口から2時間10分ほど、勾配を登り岩を渡って山頂へ到着した。
奥穂高岳へと続くこの先のルートは険しく大きな岸壁が連続している。
前穂高岳と明神岳といった岩稜も迫力がある。
奥穂高岳の左側には槍ヶ岳が見え、その奥には鷲羽岳や双六岳といった北アルプス奥地の山々が眺められる。
西側にはずっと眺めながら登ってきた笠ヶ岳。
後方の焼岳は上り始めたときよりも低く小さくなっている。
眼下には岳沢と上高地の小梨平が見下ろせた。霞沢岳の遥か奥には南アルプスと北岳。
うっすらと富士山が頭を覗かせている。
急いでいたけど思った以上に早く着いた
西穂高岳山頂からの眺めは、時間を忘れさせるほどの絶景で、いつまでもここから峰々を見ていたいほどだった。
西穂高岳からの下山
下りる方が気を遣う
天狗ノ頭やジャンダルムへ向かうこともなく西穂山荘へピストン。
急斜面の岩場は、登りよりも下りの方が高度感があり、登ってきたときとは姿勢が変わるために全く違うルートのように注意が必要。
山頂直下の狭い足元の岩場では、まるで真下へと滑り落ちてしまいそうな感覚も。
慣れた狭い尾根と連続する岩場を通って高度を下げていく。
狭いだけに先をゆく登山者のペースや、登ってくる登山者との擦れ違いに注意をしながら西穂山荘へ。
ロープウェイの終業時間までに余裕があれば、西穂山荘での休憩もおすすめ。
見晴らしの良い尾根から樹林帯へ入り西穂高口を目指す。
だんだんと歩く人も増えるので、ペースや周りに気をつけながらロープウェイへ。
駅の展望台からは西穂高岳を望むことができる。
西穂山荘で登頂記念のヤツを買った