白駒池からにゅう中山周回
東側の佐久穂町、西側の茅野市から麦草峠へアクセスができる。
最高地点を目指して車道を上っていくと麦草峠の佐久穂側に白駒池への有料駐車場がある。
麦草ヒュッテのある茅野市側にも駐車場があり、こちらは無料で停めることができる。
白駒池は観光地のようにたくさんの人が森林を楽しみに訪れる。
麦草峠の駐車場には車が多く停まり、案内板の立つ入口から整備された遊歩道へと入っていく。
入口から入ってすぐに木々と苔がビッシリと茂る。
木道が整備され広く歩きやすい道を進むと、白駒池を囲むように遊歩道が続く案内板が立っていた。
右へ行けば丸山を経由して高見石小屋。
まっすぐ行けば白駒池の西側を回るルート。
今回は左へ進み青苔荘から白駒池の東側をルートへと進む。
緩やかに下りながらすぐに青苔荘に到着し、ここからは幅30センチほどの木道が続く。
雨で濡れた木道は滑りやすく、細かくアップダウンがあるところは転倒しやすい状態だった。
周辺に広がるトウヒなどを見ながら、ところどころで木々の間から見える白駒池を眺めて歩く。
30分ほどしたところ白駒池の西側から回ってくる周回路と合流した。
さらに10分ほど歩いたところに白駒湿原があり、見上げると雲の中に登っていくにゅうの斜面が見えた。
白駒湿原からは木道は終わり、水の多く溜まった登山道へと変わっていく。
ところどころに丸太が置かれて歩きやすく整備されているものの、降雨量が多かったせいか歩くことも躊躇うほどに深い水たまりが多くできている。
ところどころに苔についての説明が書かれた看板が置かれ、びっしりと生えた苔を見渡すのにも楽しい。
緩やかな登山道も徐々に大きな石と段差が増え、登り坂が続くように変わっていく。
にゅうと稲子湯との分岐には1時間10分ほどで着いた。
分岐をにゅうへと進むと、登山道らしい登り坂が続いていく。
ところどころの段差が高く場所によっては木の根がビッシリと張りだしている。
登り坂を15分ほど登ったところで、ふたたび稲子湯との分岐に差し掛かった。
この分岐を過ぎると勾配が緩くなり、イワカガミの鮮やかなピンクが目立つようになった。
緩やかな斜面を5分ほど、にゅうへと続く急斜面があり登ると眺望が開けた。
にゅう
にゅうの直下は西側が崖になっており、この岩の一帯だけが樹林帯が開けている。
入口からは1時間15分。
にゅうの乳岩の上は風が強く、雲が無ければ周囲の景色が見渡せそうな様子だった。
流れの速い雲の切れ目からは金峰山や富士山がチラリと見えた。
にゅうの岩場から下り、中山峠へと樹林帯に入っていく。
イワカガミが多く咲き、苔の濃い緑の中に鮮やかな色合いが見える。
急な斜面は少なく、登っては緩やかに変わる木々の中を進む。
雲の流れが速いせいか視界は霞んでは晴れることを繰り返し、靄が濃くなったシラビソの森は幻想的で美しい。
にゅうから樹林帯のアップダウンを繰り返して40分ほどで中山峠に着いた。
この分岐を左へ曲がると黒百合ヒュッテと天狗岳。
風が強く眺望も無いため、天狗岳へは行かずに中山方面へ続く右側へと進む。
中山
平均台のように板が渡された登山道を過ぎ、中山へと徐々に標高を上げて歩いて行く。
中山峠からの登山道は左右にびっしりと木々が生え、まるで檻のように隙間もなく茂っている。
中山手前で樹林帯が明るく開け、晴れていればにゅうが見渡せそうな登り坂を過ぎ、中山峠から5分ほどで中山に着いた。
特に眺望も無く標のみが建つピークが中山で、少し進んだところに展望台がある。
展望台は西側の景色が開け、天狗岳や南八ヶ岳が見渡せそうな場所だった。
今回に限っては強い風が吹き付け真っ白な空が広がる。
高見石小屋を経由して下山
中山展望台からは下り坂が続く。
大きな石が続く下り坂で、雨で濡れた石は滑りそうで気を遣う。
ところどころで歩く場所に困るほどの水たまりがあり、登山道を巻きながら先へと進む。
周囲に多くある苔や木々を眺めての下山路を進み、高見石小屋には中山から40分ほど。
ここまで下りてくると人も多く、登山装備も軽微な人も目立つ。
足元は雨に濡れ、木道が始まると石の登山道より滑りやすい。
20分ほど下りると白駒池の畔、白駒荘の前に出た。
白駒荘からは遊歩道のように広く整備された道に変わる。
観光で訪れる人も多い。
にゅうから中山を経由した周回は3時間ほど。
湿度の高い季節の苔は美しく、北八ヶ岳の厚い樹林帯を十分に楽しめた。