山本小屋から歩くナイトハイク
冬季に加えて夜間ということもあり、ひとけもない山本小屋の駐車場。
除雪は行き届いて安全に車で向かうことができたが、気温はマイナス10度を下回り風が吹けば、そこに立っていることもできないと思えるほどの寒さ。
防寒対策をしっかりとし、灯りの点いた山本小屋から王ヶ頭へと向かう。
王ヶ頭のある西側の空は、松本市街からの光りか空はボンヤリと明るい。
見上げると空には星が広がり、乾いた雪の音が気持ち良い。
車が走ったようなチェーンの跡もあり、踏み固められた雪の上は歩きやすい。
山本小屋から歩いてすぐのところに旧館があり、こちらも明かりが点けられていた。
山本小屋の旧館の前からは、雪上車の跡を歩いて雪原を進んでいく。
先ほどよりも少し柔らかい雪の上、星を見上げ、目指す王ヶ頭にあるホテルの明かりを眺め、まっすぐに南へと続く踏み跡を追っていく。
左手には八ヶ岳の山影が見え、ゴツゴツとした八ヶ岳の稜線がキレイに見える。
塩くれ場の分岐で踏み跡は大きく右へと折れ、正面に松本からの街明かりを見ながら歩くように景色が変わった。
左右に設けられた柵に沿って蛇行する踏み跡を進み、雪道は徐々に登り坂に変わっていく。
見下ろす松本市街も徐々に見えるようになり、さらに王ヶ頭へと近づいて行くと東側の上田市街の明かりが見えてきた。
最後の数百メートルだけ若干の登りで暗い中、息を上げながら王ヶ頭へと近づいて行く。
王ヶ頭
王ヶ頭ホテルでは冬季でもたくさんの宿泊者がいるようで、館内の電気が明るく点けられ、外では星空の見学会が行われていた。
その人だかりの横を過ぎ、王ヶ頭ホテルの脇を通って三角点に到着した。
美ヶ原の最高地点は、松本市街と王ヶ鼻を見下ろし、明るい時間帯にはアルプスを見渡すことのできる絶好の展望がある。
夜間でも街明かりを楽しむことができ、星空の下に多く立っている電波塔も特徴的で楽しい。
電波塔の赤いランプが写真に写ってしまうところが残念だけれども景色を楽しむには影響も無い。
運良く風も少なく、しばらく王ヶ頭で景色を楽しむことができた。
山本小屋へ同じルートを戻る
王ヶ頭ホテルの明かりをあとに、向かってきたのと同じ雪上車の踏み跡を戻る。
帰りは時間が経って街が暗くなったせいか星が明るく見えるような気がしてくる。
ルート全体を通して風が少なかったのが幸運で、樹木が少なく避ける場所の無い冬季の美ヶ原で無難に歩くことができた。