三城からダテ河原を登って王ヶ頭へ
王ヶ頭にはホテルが建ち、ほぼ歩くこと無く到達できるので、百名山とはいえ「山」という印象は少ない。
いくつかあるルートの中から、今回は王ヶ頭を見上げる松本市三城からスノーシューでスタート。
王ヶ頭直下の三城からは岩壁とテレビアンテナが見える。
三城牧場に駐車のスペースがあるが、積雪のため閉鎖されているので、車は路上駐車になる。
ビーナスラインが冬季閉鎖で交通量が少ないとはいえ、できるだけ迷惑にならない場所を選んだ方が良い。
桜清水茶屋から登山道へ入る
美ヶ原登山口の桜清水茶屋は、10〜20センチほどの積雪。
すでに前を歩いたトレースが付けられているため、装備が無くても難なく歩くことができる。
落葉松に囲まれた登山道は、霧氷で覆われると白く美しい景色が見られるが、この日はとくに何も目につくものもなく真っ黒な枝ばかり。
登山口から30分ほど歩くと勾配が急になり、つぼ足では滑るように。
スノーシューかアイゼンか迷うところで平坦な道路に出た。
右へ進むと王ヶ頭へ直接向かうダテ河原、左は王ヶ鼻へと続く八丁ダルミ。
ここから一気に雪が深く。
スノーシュー装着
前を歩いていたトレースのほとんどは八丁ダルミへと進んだようで、足跡ひとつを残してほぼ新雪に。
ところどころ動物の足跡があるものの、歩きづらくなったのでスノーシューを装着。
雪質も良く軽いので、スノーシューのさくさくが気持ちが良い。
跳ね上げれば軽く舞うので、重さも感じず最高の歩き心地。
美ヶ原への登り坂はだんだんと急になる。サラサラ雪の急坂は、なかなか滑りやすく、スノーシューで踏みつけるように。
いつの間にか足跡が増え雪の登山道も広くなっていたが、この広く踏みしめられた快適な雪道も30分だけ。
途中に建っていた2階建ての木造建築の前でたくさんの足跡は消えた。
雪に埋もれた登山道
雪に埋もれた看板を発見し、たった一つだけ残った足跡を辿り、王ヶ頭を目指してさらに上へ。
ところどころ勾配がきつくなる坂を滑りながらも、踏み締めながら登る。
後ろを振り返り見渡すと、南アルプスの山並みが。
仙丈ヶ岳、北岳、甲斐駒ヶ岳と特徴的な稜線が見えた。
スタートから2時間ほどで、三城からの樹林帯を抜けた。
景色が一気に広がり、中央アルプスが見える。
北アルプスの山並みも見える。
勾配は緩くなり歩きやすくなった。
木が無くなったために風が強く当たるようで、身の回りに埋まっている枝には雲母のような薄さで氷が張っていた。サラサラと音を立てながら風に舞う雪や氷がキレイ。
王ヶ頭直下が雪のための難所
いよいよ王ヶ頭のアンテナが近くなり、ゴールが近くなったところで最も風の強いところに差し当たった。
先ほどまでルートを示していた足跡が風のために消えた。
膝ほどの深さでラッセルに。
サラサラに滑る雪で、勾配も急になっていて歩くのに苦労する。
木に囲まれている間に感じていた熱さは、ここにきての強風で凍えるほど寒くなった。
王ヶ頭
時間にして15分ほど。王ヶ頭に到着。
王ヶ頭のアンテナを目の前すると、ホテルの宿泊者と思われる人たちがカチカチに固まったところをスノーシューで歩いて行く。
きっと王ヶ鼻へ向かうところなのだろう。
美ヶ原からの下りは百曲がりへ
下りは山本小屋方面へ20分ほど進み、塩くれ場から百曲りを通って三城いこいの広場へ。
クネクネと曲がり、さらに大きく回りながら降りていくコース。
山頂近いサラサラの雪を経験した後では、下山時の湿った雪で重いし取り回しも悪く感じた。