さるすべりコースで虫倉山へ
気が付いたら毎月のように虫倉山に来ているんじゃないか?
虫倉山への登山口は、県道小川長野線を旧中条村から小川村へと向かう。
道路の端に建てられた登山口の案内に従って林道へと入っていくと、道路にはうっすらと雪が積もっていた。
とても除雪が行き届くような立地とも思えず、天候や状況によっては登山口の最寄りまで車を入れることは難しく、林道の入口あたりで駐車することが考えられる。
林道の終点まで進み、不動滝を横目に見ながら未舗装の道路を進むと登山口を過ぎ、数台が停められる駐車場に着く。
駐車場までの車道もなかなか・・・
不動滝コースとさるすべりコースへ登ることのできる登山口で、虫倉山を周回するには都合が良い。
準備を整えて、まずは駐車場の奥へと続いていくさるすべりコースへと進む。
登山口から入って少し下ると、注意喚起の看板が建てられている。
虫倉山の斜面は脆く、特に落ち葉が積もった柔らかな土質は足を取られやすい。
序盤から鎖が架けられた狭い登山道を歩き、折り返しながら登っていくと、うっすらと雪が残っている。
人が歩いたような足跡も多く、この季節でも同じようにこのコースを歩く人がいるものだと感じた。
意外と足跡が多い
折り返して登ったあとの平坦な登山道を進むと、さるすべりコースと虫倉神社との分岐に差し掛かる。
分岐からふたたび折り返しの登り坂へ。
いっぱいに積もっている落ち葉は湿気を含んで重く軟らかな土が脆い。
急登が緩まると平坦な尾根に変わった。
このまま尾根に沿って杉の急登へと入っていく。
ここらへんで人が歩いた形跡が無くなってる
さるすべりコースは全般的にきつい傾斜が多い。
序盤のうちは斜面が広く、傾斜を折り返しながら登ることができる。
杉の間を縫うようにして急登は、右手側が急傾斜で登山道から外れることができない。
登り切ると岩壁の真下に建つ虫倉神社奥の院があった。
登山口からは21分ほど。
奥の院を避けるようにして登山道が続いていく。
高さ5mほどの岩場があり、鎖が架けられている。
さるすべりコースの最初の核心部で、岩の凹凸に着いた雪が滑りやすくて憎らしい。
高さはないのだけど難しいなと思う
鎖を手がかりに、岩に手を掛け足を乗せる。
残っている雪の上に足を乗せると滑りやすく、高さ以上の難しさが感じられた。
鎖を登り切ると、急登が続く。
どこを歩いても良さそうなほどに踏み跡は不明瞭で、なんとなく落ち葉が踏まれたような雰囲気の場所に足を選び登っていく。
見上げると葉の落ちた枝には、小さな霧氷が付いていた。
枝の先には山頂が見える。
急登を登り切って、広く緩やかな尾根上に出ると、足首ほどの深さの雪が積もっていた。
湿気を含んだ雪が気温の低さで固まり、踏みしめるとバリバリと音を立てて足が埋まる。
微妙に力を込めて踏み込むような雪が歩きづらい。
雪の道は大変で・・あまり・・・
雪が少なくなっている木の根元を選んで登り、山頂直下の鞍部へと緩やかに下りた。
ここからがさるすべりコースの核心部。
尾根の急登と高い段差の鎖場が続く。
さるすべりに来た感じがする
凹凸の影にうっすらと残った雪を踏み、尾根の急登へ取り付く。
頭上には霧氷、見上げるのも楽しい景色が広がる中で、足元に注意をしながらの登山道が続いていく。
序盤は足の踏み場も多く、歩きやすい段差を選んで登っていく。
まるで階段のように木の根が張りだしていたり、登山道が作られているところもあり、手を突き、鎖に頼りながら急傾斜を登っていく。
何度来ても大変だと思う
下を見ると高い階段のように真下へと傾斜が続き、登山口周辺の集落が見える。
見上げていた霧氷も視線と同じ高さに変わり、間近にその様子を楽しむこともできた。
一際高い岩の鎖場を登り、階段上に張った木の根を踏んでいく。
崖のように右側が鋭く切れ落ちた登山道を過ぎると山頂は間近。
虫倉山の山頂
数年前の崩落で進入禁止になった看板を避け、登山道を巻き、山頂に到着した。
登山口からは55分。
急登に苦労しながらも順調に登ることができた。
空には雲が広がっているものの、周囲の山々の眺望は良く、特に北アルプス後立山は存在感があった。
間近に見える鹿島槍ヶ岳や五竜岳、なによりも針ノ木岳と蓮華岳の迫力があり、ひときわ白くなだらかな野口五郎岳は印象的だった。
北側には雲が広がっていたため、高妻山や妙高山、奥裾花の山々は見ることができなかった。
やっぱり山頂からの眺めは良い。
周囲の山を見渡す他にも、眼下に見える集落を見下ろすのも楽しく、長閑な山村らしい雰囲気を感じられる。
高低差も400mほどと比較的近く、集落での物音が響いてくるのも里山らしい。
不動滝コースでの下山
山頂からの下山は不動滝コースを下りる。
登りに使ったさるすべりコースに比べてなだらかで、比較的歩きやすい登山道が続く。
山頂からは細尾根を伝い、細かなアップダウンを繰り返していく。
雪は足首ほどまで積もり、ここにきて想定以上の雪を踏むことになった。
尾根を伝って日本記との分岐を過ぎると登山口へ向かって下っていく。
吹きだまりになっているとこもあったし意外と雪があった
標高を下げていくほどに徐々に積雪量は少なくなり、登山口へ近づくころにはソールほどの深さもなかった。