常念岳

2857m

雪の常念岳

一ノ沢登山口 2014年11月22日

雪の常念岳日帰り登山 (11月)|一ノ沢から雪の北アルプスを眺めて
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安曇野から見上げることのできる象徴的な常念岳。
山頂からは槍ヶ岳、穂高岳連峰を眺めることができることもあり、来る婦巣の中でも人気のある山のひとつ。
主な登山道は一ノ沢沿いに常念乗越へと続くルートと、蝶ヶ岳への登山口と同じ三股ルート。

11月中旬を過ぎた週末、安曇野から登山口へと向かう林道は閉鎖される。
一ノ沢からのアクセスは難しくなり、三股から東尾根を登ることが冬季の常念岳へ登るコースになる。

天候に恵まれ、明日にも登山道が閉鎖される11月。
うっすらと雪の積もった常念岳へ向かった。

歩いたコース

登り
一ノ沢
下り
一ノ沢
最高標高
2857m
登山口標高
1260m
距離
12.67km
累積標高
1547m
1532m
平均斜度
14.1度
時季
2014年11月
天気
晴れ
日程
日帰り
歩行ペース
登り4:03/下り2:12/合計6:15
平均の歩行速度
2.07km/h

この日のペース

  1. 一ノ沢登山口
  2. 大滝ベンチ
  3. 胸突八丁(1:58)
  4. 常念小屋(3:02)
  5. 常念岳(4:03)
  6. 常念小屋(4:45)
  7. 胸突八丁
  8. 大滝ベンチ
  9. 一ノ沢登山口(6:15)

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山と高原地図 槍ヶ岳・穂高岳 上高地
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真っ白になった槍ヶ岳と穂高岳を見たかったので、まだ雪の少ない時季に天候を狙って登りました。
本格的な冬になると一ノ沢登山口へと続く道路が閉鎖されるので、道路状況をよく確認しておいた方が良いです。
とくに危険な箇所は無いのですが、雪のために夏とは違った状況になっている場所も多いので、登ったことのあるルートでも注意が必要です。

常念岳へ登る一ノ沢の登山道は日帰りルートとしては少し長めで高低差もしっかりある印象です。
雪があって下りやすい状況だったとはいえ、2時間で下山ができたのは驚きで、以来、常念岳は歩き応えと親しみの持てる山になりました。
常念岳へは、もし忘れ物やトラブルがあっても焦らず、また行くことができるだろうという安心感を持って登っています。

使った登山道具

持って行った水の量

雪の常念岳へ一ノ沢から登る

夜が明けるのを待ち、標高1,260mの一ノ沢登山口から常念岳へ。
6時過ぎ、明るく太陽が出るのを待って登山道へ。
前方に見える白い山には日が当たり赤く見える。
登山口に入るとしばらくは落ち葉の積もった緩やかな坂道が続く。
登山道には尖った石が転がり、ところどころに大きな岩も。

登山開始から10分。
鳥居が掛けられた山の神に到着。
大池あたりまで登ると登山道の脇には薄く雪が見えるようになった。

一ノ沢の流れる音を聞きながら、緩やかに登っていく。
30分も登った頃には登山道全体が覆われるほどに雪が積もっていた。
大滝には約40分ほどで到着。標高は1,600mを越えた。
緩やかに登っているせいか良いペースで高度を上げていく。
登山道の雪の合間には厚く氷が張っている。

大滝から20分ほどで枯れた沢を渡り、さらに20分歩くといよいよ常念乗越を見上げられるようになった。

稜線に沿って視線を左に移すと常念岳が朝陽に光っている。
登山口付近と比べて細くなった一ノ沢を渡り、乗越へ向かって登っていく。
夏季なら雪渓が厚く残っている箇所も、新雪が積もり氷が厚く張っている。

最初の難所の胸突八丁には、登山口から2時間ほどで到着した。
胸突八丁のとりつきは狭く急な斜面になっている。
雪が積もり滑りやすい斜面を折り返しながら登っていく。
もともと高度感のある場所。
加えて雪が積もっているので足元にも気を遣う。

    最終の水場は雪に埋もれ、流れは凍っていた。
    落石ポイントになっている斜面は吹きだまり、厚く新雪が溜まっていた。
    滑落しやすいトラバース箇所で、よく足元を踏み固めながら進んでいく。

    常念乗越手前の折り返しが続く胸突八丁は足にも疲労が溜まる。
    登山道に積もる雪は寒さのせいで乾燥してフカフカとしている。
    目印になる一つ目のベンチは雪の中に。
    さらに10分ほど登ったところにある第2ベンチも。

    3つめのベンチを経由して登山口から3時間ほど。
    常念乗越に到着した。

    常念岳と横通岳の鞍部になる常念乗越は、一ノ沢から登ってくると正面に槍ヶ岳と穂高岳の稜線が見える。
    それまで樹林帯に囲まれながら常念岳を見上げてきたルートが、一度に視界が開けて、思わず声を上げてしまうような絶景に出会うことができる。
    常念小屋はこの絶景が楽しめる鞍部に建っているので、小屋が開いている時季には休憩にもちょうど良い。
    11月にもなると冬季小屋のみが使用可能。

    常念乗越から常念岳へは約400m。ガレ場の急登が続く。
    穂高岳方面からの強い風が吹きつけるため全体的に積雪は深くないものの、凍り付いた岩は硬く締まり岩と岩の隙間には雪が吹き溜まる。
    ところどころで膝下まで足が埋まり、場所によってはソールほどだったり、まったく雪が無かったりといった状態だった。
    もともとペンキで付けられていた目印は雪に覆われて見えなくなっているところも多く、先を見上げながらルートを探っていく。

    高度を上げるごとに風は強く吹き付け、時には体を持って行かれるのでは無いかと思うほどに強く吹いていた。
    風の強さと共に体感温度も下がる。
    風と雪の吹きだまりに気をつけながら、1時間で三股との分岐点に到着。

    常念岳の山頂

    登山口から4時間3分。常念乗越から1時間10分ほどで常念岳の山頂に到着した。
    乗越からは風が強く寒さに苦労した。

    山頂からは穂高岳と槍ヶ岳。
    裏銀座の稜線や大天井岳、後立山、南側には乗鞍岳や御嶽山がハッキリと見えた。
    南アルプスの向こうには、薄く霞んだ富士山。
    東に目を移すと浅間山と長野県北部の山並みがよく見えた。

    安曇野から象徴的に見える常念岳。
    その山頂から眼下に見える安曇野は広く、まだ秋の景色だった。

雪の常念乗越から望む槍ヶ岳

雪の常念乗越から望む槍ヶ岳

安曇野から見上げることのできる常念岳は大好きな山のひとつです。
中信地域を代表する山のひとつで、北アルプスのなかでも初級向けの山として親しまれています。

主な登山口は上高地と安曇野市の一ノ沢と三股。蝶ヶ岳などから常念岳を経由して常念山脈を縦走していくルートも人気です。常念岳はとても眺めの良い山で槍ヶ岳や穂高岳を始めとして、北アルプス南部の山が見渡せ、展望台のように眺望を楽しみながら歩くことができます。その中でも好きな景色のひとつがココです。
常念岳と横通岳の乗越での眺め。常念乗越という場所からの槍ヶ岳です。ここには常念小屋という山小屋もあります。常念小屋は北アルプスの中でも有数の眺めの良い山小屋だと思うほど、乗越からの眺めは素晴らしいです。

一ノ沢から常念岳へ登ると、序盤のほとんどは樹林帯に囲まれた登山道になります。胸突き八丁で1時間ほどの急登を登り終えると乗越まではもうすぐ。一気に眺望が開け目の前には槍ヶ岳。そして穂高岳へと続く稜線が目の前に広がります。それまでの苦しい登りが報われるような眺めです。
常念岳の魅力のほとんどがココに詰まっているようにも感じます。北アルプスを代表する山並みという満足度が非常に高い景色。常念岳へ登るのなら一ノ沢からの登りもお勧めです。

下山後に立ち寄った温泉

安曇野蝶ヶ岳温泉 ほりでーゆ〜四季の郷

国営アルプスあずみの公園の堀金エリア近くにある宿泊も可能な温泉施設。
いくつもの温泉が楽しめる広い浴場と、蝶ヶ岳、常念岳の登山口が近いことが魅力。
館内は広く清潔で、休憩や食事もできる。

広く大きな施設です。
蝶ヶ岳、常念岳の登山口になる三股から最も近い温泉施設で、ここ以外は少し遠くなってしまう印象です。
宿泊が可能で、ゴロゴロとできるスペースも広く、登山後に体を休めるにはちょうどいい雰囲気でした。
泉質は、香りやトロミなどが無いラドン温泉で、天然温泉と書いてあるのでラジウム泉のようにも思います。
広い内湯と、常念岳を眺められる露天風呂と、ゆったりとした雰囲気でした。

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