苗場山

2145m

枯草色の山頂台地

小赤沢ルート 2014年10月6日

苗場山 登山(小赤沢ルート) (10月)|遅めの草紅葉の広がる山頂湿原
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苗場山は新潟県と長野県の県境に位置する山。
2,145mの山頂付近は700ヘクタールという広大な湿地が広がった特徴的な山頂台地となっている。
季節を問わず美しい景色が広がり、夏は花が咲き乱れ、秋には草紅葉が見られる。

広大な山頂台地の草紅葉が秋の苗場山の見どころ。
登山口から続く紅葉を見あげ、広い湿原の池塘にうつる空を見ながらの歩行は楽しい。

朝まで雨の残る天気で、予報では徐々に天候が回復して晴れるとのこと。
登山口では湿度の高い状態で、徐々に時間が進むにつれて青空が見えるものの、眺望の期待できる山頂台地では見晴らしの良い状態ではなかった。

国道117号線の津南町から秋山郷へ続く国道405号線へと進む。
山間の狭い道を秋山郷の小赤沢温泉へと進み、民宿の多く並ぶ街の中を標識に沿って林道へと入っていく。
三合目の駐車場は広く50台ほどの車が停められる。

歩いたコース

登り
小赤沢
下り
小赤沢
最高標高
2145m
登山口標高
1290m
距離
9.50km
累積標高
841m
861m
平均斜度
10.2度
時季
2014年10月
天気
曇り
日程
日帰り
歩行ペース
登り2:00/下り1:37/合計3:37
平均の歩行速度
2.70km/h

この日のペース

  1. 小赤沢三合目
  2. 苗場山山頂ヒュッテ
  3. 苗場山(2:00)
  4. 苗場山山頂ヒュッテ
  5. 小赤沢三合目(3:37)

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山と高原地図 谷川岳 苗場山・武尊山
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登り坂は緩やかで、比較的歩きやすいルートです。落ち葉や木が茂っているので、雨のあとは非常に滑りやすいですが、とくに危険なところも少なく、登山を始めたばかりの方にもおすすめです。
6合目近くから、頭上は明るく山頂に近い雰囲気が感じられるので、もうじき山頂かもしれないという気分を味わいながら楽しく登れると思います。湿原に出たときの気分は最高です。
この日は秋の終わりでしたが、緑の映える残雪の時季に来てみたいと思います。

使った登山道具

持って行った水の量

苗場山へ小赤沢の三合目登山口から

最も山頂に近い登山口は小赤沢からの三合目。
登りの予定時間は3時間ほど。
100台の駐車ができるという登山口前に車を停め登山道へ入っていく。

季節は早めの紅葉が始まった台風直後の秋。
登山口から黄色くなった葉が周りにチラチラと見え、足元には朝まで降った雨が大量の水溜りになっている。
落ち葉が積もった軟らかな土の登山道だけに雨が降ると、水分を多く含み滑りやすい。

登山道には三合目から四合目、四合目から五合目と区切りごとに標が立てられている。
それを目安にしながら歩いていく。
次までの距離とおおよその時間を見ながら進んでいく。

足元には木の根がビッシリと張ったところや、水が溜まっているところ。
木を埋めて足場を整備したところなど濡れて滑りやすい場所がとても多い。

順調に標高を上げていくこと1時間ほど。
五合目から六合目へ差し掛かる頃になると周りを覆っていた木が笹に変わってきた。
足元の土はだんだんと岩が混じるようになり、縄が掛けられているところや鎖が張ってあるところも見える。
勾配は段々ときつくなり、それまで点在していた水たまりは無くなった。
足元の石を登り、ひときわ高くなった段差を越え七合目から八合目。
するとすぐに先に明るく開けた様子が見える。

登山口から1時間25分。湿原に出た。

湿原を山頂へ

ガスが張った湿原は眺望は無いものの、黄色くなった草と池が幻想的な風景に見える。
霧の中へと続いていく景色を眺めながら木道を歩き、まだ1キロ以上ある山頂へと登っていく。
九合目を過ぎると湿原は樹林帯に変わり、足元には水たまりと大きな石が転がった登山道に変わった。
深く水の溜まった場所は歩きづらく石の上は滑る。

5分ほど木の中を歩くと、ふたたび湿原に出た。
700ヘクタールといわれる面積が実感できるような広大な湿原で、びっしりと張っていたガスも風と一緒に晴れ上がってきた。

苗場山の湿原風景

ガスの晴れた湿原は草が赤くなり、池は空を映し、湿原の先には雲が流れている。
赤倉山との分岐を過ぎて木道は緩やかに上っていく。
苗場山の山頂は丸く盛り上がった丘のようになっており、周りには木が茂っていた。
まわりには湿原が広がって池が点在している。
山頂近くの苗場山自然体験交流センターの下まで行くと、役行者を祀った石碑が建てられていた。

苗場山山頂へ

木に囲まれた小高い丘が苗場山の山頂。眺望はほとんどなく、景色を楽しむのは山頂から離れた湿原から。

登山口から約2時間で到着することができた。

山頂部分は木に覆われているため、山頂台地の眺めを楽しむのは交流センター付近か、少し離れた木道の上から。
広く板が敷かれた場所もあり、休憩にはちょうど良い。
この日は雲が多く周囲の山並みを見ることはできなかったが、広い草原から眺める上信越の山々も苗場ならでは眺めといえる。

下山後に立ち寄った温泉

小赤沢温泉 楽養館

苗場山の小赤沢登山口に近いところに建つ温泉。茶褐色の湯は噴水口では透明で浴槽の中で酸化し変色する。鉄の香りがあり、ぬるめなのでゆっくりと浸かっていられる。岩魚や郷土料理が楽しめ、2階には休憩所もある。

登山口から近いので立ち寄りやすい温泉です。
男性の更衣室は扉を開ければ、廊下から見えそうなくらい。
お湯は熱すぎないので、じっくりと浸かりながら足の疲労を取ることができます。

お世話になった山小屋

苗場山自然体験交流センター

苗場山山頂付近に建つ山小屋。
山頂に近いにもかかわらず、水洗トイレがあり、飲料水も用意されている。
湿原が一望できる施設になっているため、宿泊や休憩にも便利。
部屋は大広間に雑魚寝する形式で、テント場は無い。

山頂から数歩程度の距離で、しかも眺めの良い湿原が周囲に広がっています。
趣のある感じの施設でした。
湿原の中は必ず木道を歩くようになり、休憩のポイントは少ないので、休憩をするのにはセンターのベンチはちょうど良いです。

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