秋の御飯岳へ登る
土の露出した荒れた土地が広がる毛無峠。
峠道から離れると背の低い笹が広がり錆びた鉄塔が建つ。
峠を挟んだ西側には破風岳と土鍋山、四阿山へと続く稜線の峰々が続く。
周辺の山肌に囲まれた合間からは麓の市街地や北アルプス、東側に目を移すと群馬の山々が見えた。
車を停められるスペースは多く、路肩の空いたところに車を停めて御飯岳へと向かう準備を整える。
風も少なく涼しいくらいの気温がちょうど良い。
毛無峠へ来るつもりはなかった
本当。。。
毛無山
御飯岳への看板の横を通って登り坂へと入って行く。
すぐそこに見える鉄塔の真下を通る。
一番左にあった鉄塔はサビからの損傷のためか折れ曲がって倒れていた。
鉄塔を過ぎると草の間を縫うような折れ曲がった斜面に変わり、毛無山へと登っていく。
毛無峠からは見上げていた鉄塔を、この場所から見下ろすと、また違った雰囲気にも見えて楽しめる。
右側には笹原、振り返ると峠と破風岳といった眺めを楽しみながら10分ほど。
毛無山へと到着した。
ココまででも良いかな?
毛無山まで登ってくると草津白根山が間近に見える。
周りを見渡すことができるため、それまで見えていた榛名山や赤城山だけではなく、浅間山や四阿山への眺めも良く、御飯岳の山頂部と鞍部の笹原も見渡すことができた。
毛無峠の写真を楽しみにする人たちは、ここからの眺めを収めて戻ることもあるようで、カメラを抱えた人とも擦れ違った。
笹原から登山道へ
毛無山から下りて御飯岳へ続く笹原を抜けていく。
この登山道上で最も眺めの良い場所とも言える笹原は、登りでも下りでも御飯岳へのクライマックスといえる。
すぐ間近に見える樹林帯への登山道が真っ黒く陰って、それが徐々に近づいてくる様子は、どこか知らない場所への入口のようだった。
笹原の最も低い場所まで下りてからの登り返しは、それなりの急斜面で歩みが止まる。
足を上げてようやく登ったところで振り返ると、毛無山を前衛にして破風岳からの稜線が美しい。
毛無山で帰っていく人たちも、ここまで来てカメラを構えれば良いものを・・・と思いながらも、自分の気に入っている眺めを少し堪能して樹林帯へと入った。
絶対笹原を通り過ぎて振り返った方が良いと思う
笹原を過ぎて樹林帯に入ると、登りと平坦を繰り返しながら徐々に標高を上げていく。
特に危険なところもなく、ただ笹に囲まれて熊の気配がするのではないかという緊張感と、ピークを越えながらそれが山頂ではないもどかしさが続く。
木々の中へ入ってすぐに開けた笹原に出たところで、目の前には木々に覆われた急坂。
そこまでの穏やかな雰囲気から、高い段差と木の根が張った険しさを感じさせる登山道に変わる。
時間にして10分ほどの登りで、このあたりだけ一変したような雰囲気が漂う。
坂を登りきると、木々が開けたなだらかな笹原に変わり、足元の苔や落ち葉を見ながら、様々な形の木々を見て進んで行く。
またすぐに急な登り坂に変わり、まるで階段を登るかのような高さにも見える。
すぐそこに登った先が見えるような雰囲気なので、高低差はそう高くはないところ、雰囲気とそこまでの気持ちが高さを感じさせるようにも思える。
登ったり下りたり飽きる
登ったところで、またなだらかになり、数分歩いたところでいったん下る。
特に標記は無いが、このあたりが山頂の前衛にあたる前御飯だと思われる。
下りたところ鞍部からは山頂方向を見ることができ、山肌の木々には赤く変わっている葉も見えていた。
山頂に向かって再び登り、なだらかな笹原に出る。
笹の中を左右に振りながら平坦な登山道が続き、御飯岳の山頂に到着した。
御飯岳山頂
毛無峠から57分での山頂到着だった。
木々に覆われていて、特に見える景色もない山頂部。
隙間から僅かに周囲の山が見える程度で、毛無峠の破風岳、志賀高原の中で高い標高の岩菅山、横手山が見える程度だった。
ここから先は藪になっているため進むこともできず、山頂をぐるりと見渡して下りることにした。
何回か来ているけれど山頂は退屈
下山
御飯岳からの山頂は毛無峠へのピストン。
山頂まで登ったり下りたりを繰り返して飽き気味だった登山道も、下りとなると足取りは軽い。
つい先ほど高く見えた登りの段差も下りならサクッと足を下ろすことができ、振り返って見ることのなかった景色が、下山では歩きながら楽しむことができた。
御飯岳は下山の方が楽しいかも
樹林帯を抜けて、毛無山近くの笹原まで戻ってくると、御飯岳の登山道で一番好きな眺めが見える。
手前に見える毛無山と、その背後に続く破風岳から土鍋山、裏倉山と四阿山といった峰々。
晴れて広がっていた青空には雲が増えて、景色も少し霞んできたようだった。
笹原を下りて毛無山へ登り返し、毛無峠へと戻った。
毛無山で夕陽が見たいなと思いました