竜ノ峰 雨首

1070m

2018年9月22日

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登り
西前山
下り
西前山
最高標高
1070m
登山口標高
641m
距離
2.69km
累積標高
431m
430m
平均斜度
17.7度
時季
2018年9月
天気
曇り
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り0:46/下り0:27/合計1:13
平均歩速
2.21km/h

この日のペース

  1. 西前山登山口
  2. 雨首分岐(0:22)
  3. 鉄城山分岐(0:43)
  4. 雨首(0:46)
  5. 西前山登山口(1:13)

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※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

初めて西前山から独鈷山へ登った時から「雨首」という名前が気になっていました。
その由来や上級者向けと言われる鉄城山への登山道がいったいどんなものか、調べるほどインターネット上では情報が少なく、その登山道に詳しい知り合いを見つけることもできずに悶々としていました。

雨が降り続き、登山に行こうという気持ちは萎える一方ですが、僅かな時間でも雨が上がる予報を目にし、雨上がりならば雨首へ行ってみることにしました。
序盤は柔らかく崩れやすい落ち葉の積もった土、その上での急斜面を直登していく登山道にとても苦労しました。
ロープが張られていますが、体重を預けられるほどではないので、距離や時間以上に大変だと思います。
狭く高度感のある雨首からは期待していた通りの眺めが得られ、とても満足しました。

破線の岩峰から塩田平を望む

独鈷山は「信州の妙義山」ともいわれるほど険しい岩峰が並ぶ。
東西南北から登ることのできる登山道は一般ルートならば妙義山ほどの険しさも感じず、短い距離と高低差で山頂へと至ることができる。
山頂に従うように並ぶ岩峰にはそれぞれに名前が付けられ、それらを通って登るルートは上級者向けやロープワークが必要な破線ルートになっている。
本家の妙義山と比べて落ち葉がつもり柔らかく崩れやすい土の登山道で、高度感よりも滑りやすさや足元の脆さから難易度が高い。

独鈷山北面の岩峰「竜ノ峰雨首」へ

竜ノ峰は独鈷山の北面に聳える岩峰。
登山口のある西前山地区から見ても鋭く尖った峰の存在感があり、雨首と呼ばれるところからも印象が深く感じられる。
西前山から竜ノ峰へと登り鉄城山を経て独鈷山山頂へと続くルートは「鉄城山新登山道」と名付けられ、現在一般的に使われる登山道には「迂回ルート」と看板が掛けられている。

雨が続く天候の中、午後から雨が上がる予報になっていた。
週末のたびに雨が降る日が続いていたため、雨が上がる時間にどこか短時間で登ることのできる山をと考え、独鈷山山頂よりは短い行程で登ることができるであろう雨首を予定した。
案の定、登山口からは誰かが入った形跡も見られなかった。

竜ノ峰雨首へ

独鈷山は上田市の西側、塩田平を代表する山のひとつ。
ごつごつといくつもの峰が並んで形成している風景は美しく、その麓では前山寺や塩野神社など信仰が見られる。

上田市中心地から塩田平の前山へ向かう。
塩田神社の近くから独鈷山登山口への看板があり、行き止まりのゲート前に4台ほどの車を停めるスペースがある。

独鈷山の西前山登山口に設けられたゲート前に車を停める。
看板の指示に従ってゲートを開け、登山道へと入っていく。
時間を想定したものの、雨首までの登山道の詳細が掴めなかったため、行けるところまで無理をせず多少の余裕が感じられても予定外のことはしないことを決めた。

雨露が残り湿度も高い。
太陽は雲に隠れて、杉林の中は薄暗い。
林業のためか整備された登山道は広く歩きやすい。
落石が多く、その上に苔が生している色が鮮やかで、落ち葉の褪せた茶色には良く映える。

独鈷山登山

緑が綺麗だなー

コンクリート舗装の登山道を過ぎ、古城の前門址は10分と掛からず過ぎた。
登山道を折り返して、左側に斜面を見ながら転がった落石を避けて登っていく。
「迂回コース」の看板が見えると、鉄城山の案内が木に括り付けられ、林の奥には雨首を指した矢印が掛けられていた。

雨首の案内板に従って木々の中へと入っていくと、いきなりの急登が始まった。
足元は杉の枝や葉が積もり、柔らかな土に登山靴が埋まる。
ところどころにある巨岩は苔が生して鮮やかな緑。

「直進」と書かれた看板からは、さらに急な登りに変わる。
まっすぐに上へと続く急斜面で、一気に息が上がる。
3分ほどで直登は終わるものの、右に折れて斜面をトラバースしながらの急な登り坂に変わり、急勾配に歩きづらさが加わったかのような登山道。
さらに3分ほど進んだところでトラロープが張られ、それに沿って山肌を直登をしていくルートに変わった。
相変わらずの急斜面で、ソールが埋まるほど柔らかく滑りやすい感触が続く。

ロープを手がかりになんとか急登を登り、ロープに沿って斜面を右へトラバースしていく。
斜面上部には茂った葉の上へと岩壁が伸びる。
木を縫うように張られたロープを手がかりにし、それに沿って斜面を進んで行き、先を見上げると黄色の看板が立つ尾根が見えた。

独鈷山登山

蒸した空気が息苦しい

雨首と鉄城山とを指した看板で、尾根上の右が雨首、左が鉄城山だった。
看板に従って右を見ると細い尾根の先に岩の登り坂が見える。
両側は深く落ち、木々に遮られて下の方が見えない。
登り切って進むと小さなハシゴが掛けられていた。

岩の窪みに手を掛け、ハシゴに足を掛けて登ると一気に景色が開けた。
暗い樹林帯から青空が開け、暑く蒸した空気が一気に流れるようだった。

竜ノ峰雨首

登山口から46分ほどでの雨首到着。
雨首の周囲は高い岩壁で狭く、足元は丸みを帯びている。
上田市街を一望するような眺めの良さで、雨雲が厚いために標高の高い山並を見ることはできないものの、空気の澄んだ景色が楽しめる。
見下ろすと真下には登山口付近の家々、小雨首といわれる岩峰。
振り返ると鉄城山が間近に見える。
その先に尾根伝いに続く山頂部は雲に隠れ、帰望峰と呼ばれる尾根のバリエーションルートが一望できた。

独鈷山登山

この景色はまた見たい

下山

雨首からハシゴを下り、登ってきた登山道を戻る。
登りで苦労した急登は下りでも苦労し、特に柔らかい足元は崩れやすく靴が流れやすい。
ただ体感時間は早く、あっという間に下りて迂回ルートと合流した。

登山口へ戻ると青空が広がり、振り返ると雨首がすぐ近くに聳えて見えた。

独鈷山登山

短時間だけど良く登ったと思う

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雨首から見る鉄城山

雨首から見る鉄城山

独鈷山はいくつもの岩峰が並ぶ険しい山です。
山全体が厚い木々に覆われているため、そういった印象も受けづらいですが、登山道へ入ると切り立った岩尾根や、ロープが必要な峰がいくつもあります。
雨首は独鈷山の中で最も存在感のある岩峰といえます。
北側に位置し、小雨首と雨首が並び、山頂部を際立たせるようなゴツゴツとした形を作っています。
雨首からは市街地が広く眺められるのですが、さらに山頂へと続くルートがあります。

雨首と並んで聳え、山頂部と岩尾根を結ぶ鉄城山は天ツ峰と呼ばれていたそうです。
砂鉄を産出する山として名付けられたそうで、この鉄城山が信仰の対象になったとも伝えられています。
八大竜王という大蛇が住み、雨首はその竜王の頭に似て竜ノ峰と呼ばれているようです。
そんな伝承を知ってから雨首に登り、鉄城山を眺めると思いも一際強くなるように思います。

初めて西前山から独鈷山へ登った時、このルートがあることを知り、どういう雰囲気なのだろうか、果たして独鈷山山頂へは行けるのだろうかと不思議に思いながら調べまわり、ようやく雨首から鉄城山を見ることができました。

同じ時季に登った山