急登の独鈷山西前山コース
上田市から塩田平へと進み西前山地区へ。
県道82号線からは狭い道路を登山口へ向かう。
塩野神社の鳥居前を過ぎ、道路の終点まで登っていく。
獣害避けのためのゲートがあり、4台ほどが停められるスペース。
準備を整えて獣害ゲートを開けて登山口へと入っていく。
たぶん停められるのは3台か4台くらい
ゲートから先は広く急勾配の登山道が続く。
厚い杉の林が周りを囲み、陽が遮られた薄暗い中を歩いていく。
日影ではうっすらと雪が残っている中でも、土は硬く凍り付いているため靴底のグリップは良い。
林道のためかコンクリートで舗装されているところもあり、序盤はかなり歩きやすい状態が続く。
序盤から登山道の周りには巨石が目立ち、左右の斜面を見上げると大きな岩が埋まっている様子が見える。
登山口から10分と経たないほどで独鈷山古城の前門址といわれる場所に到着した。
木々が開けた奥には巨石が積み重なり、その隙間に流れるに水が凍りついていた。
登山道は折れ曲がり、巨石の転がった急勾配が続いていく。
登山口から20分と掛からない地点で、雨首との分岐点に差し掛かった。
雨首は鉄城山へと続く上級者向けの登山道で、独鈷山を形成するひとつの峰とはいえ信仰の様子が見られたり急峻で険しいルートが楽しめたりする。
積雪や凍結の無い季節ならば独鈷山の魅力を味わえそうな登山道でもある。
いつか雨首も行ってみたい
迂回コースと書かれた矢印に従って樹林帯の中を登っていく。
葉の茂った杉の合間からは、稜線が見え隠れし、そのノコギリ状に見える稜線に緊張感が増す。
登山道上には定期的に看板が立てられ、10分間隔で時間が刻まれている。
頂上まであと60分ほどの場所から、一気に勾配は斜度を増していく。
それまでの杉の樹林帯から落葉樹に変わり、凍結した上に落ち葉が積もり、さらに雪がかぶった状態の急登が続いていく。
階段やロープが設けられているところも多いが、急勾配に作られた登山道は狭く、落ち葉と乾雪という滑りやすさに気を遣う。
高く見えていた稜線はだんだんと近づいて、鉄城山と思われる岩峰は視線より低くなっていく。
約15分ほど続いた落ち葉と雪の急登を登り切ると、ようやく稜線に出た。
本当に急な登り坂だった・・・
独鈷山の稜線は、下から見上げたとおり細かな峰が連続したノコギリのような形状をしている。
板のような狭さで幅は広いところでも2mほど。
稜線の合流地点から緩やかに下って登り返すと、ひとつめの岩峰を巻いていく。
うっすらと踏み跡が着いているのが見えるものの、そこを辿って岩峰を直登する気にもならず、登山道に従って巻き道へ進む。
巻き道とはいっても急斜面に沿って作られた狭さと、ロープが張られた高い段差のルートで、辿った先は岩峰と同じ稜線上に出る。
岩峰上に立つと視界を遮るものが無く、一気に眺望が開けて上田市街と四阿山や北信の山々が見える。
左右は切れ落ちた崖で、特に上田市が見える左側は鋭く落ちている。
そこから続く細い尾根を下り、ふたつめの岩峰へと取り付く。
日影でうっすらとした積雪と凍結がある岩の急斜面で緊張感の度合いが高い。
たわんだロープは頼りがいがなく、足元を滑らせないよう手足を使って慎重に登り、岩峰上に経つとさらに尾根が続いていた。
滑りそう
合流地点が見えてやっと安心感
岩峰から緩やかに下って登り返すと宮沢コースからの合流地点に到着した。
稜線上の広い鞍部で、両側に峰があるうちの左側が山頂になる。
合流地点から2・3分の急登を登ると眺望が開け、山頂に着いた。
独鈷山山頂
登山口から1時間8分、独鈷山に到着した。
独鈷山の山頂には松の木が2本あり、その根元に祠がふたつ置かれている。
この松の木は登山口や集落から、ちょうど目印のようにも見える。
周辺の眺めも良く、西側には浅間山や烏帽子山。
北側には飯縄山や妙高山、東側には北アルプスの山々が見え、南側には美ヶ原から蓼科山が見える。
眼下には上田市街が見え、陽の当たりも良く、景色を楽しむのにも良い。
山頂部から東側には平井寺からの登山道が続いている。
下山
独鈷山からの下山は、登りと同じ西前山コースを下る。
積雪や凍結で滑りやすかったため他のコースを下りることも検討したが、登山口が離れているため、じっくりと注意をして下りることにした。
ふたつの岩峰を注意深く下り、稜線から落葉樹の落ち葉と乾雪の急登へと下りていく。
下りは登り以上に滑りやすく、登る際には全く使わなかったロープが下りではとてもありがたかった。
僅かな時間とはいえ気を遣う場所で、杉の中へと戻って落ち葉と雪が無くなったときには安堵した。
下りも滑りそうでほんとに。