焼額山

2009m

焼額山スキー場 2021年11月4日

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登り
焼額山スキー場
下り
焼額山スキー場
最高標高
2009m
登山口標高
1606m
距離
5.17km
累積標高
407m
414m
平均斜度
9.02度
時季
2021年11月
天気
曇り
日程
日帰り
水の量
水2l 水900ml
歩いた時間
登り0:52/下り0:39/合計1:31
平均歩速
3.41km/h

この日のペース

  1. 登山口
  2. 焼額山山頂(0:52)
  3. 焼額山プリンスホテル(1:31)

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※距離と「登り+下り」の累積標高から計算した目安の値です。
※雪質・気温・荷物の重さ・歩くペースなどにより、実際の消費カロリーは大きく変動します。

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志賀高原の登山道はいくつか歩いてきましたが、焼額山というなだらかで全面ゲレンデのような印象のある山には興味が沸きませんでした。
偶然、見かけたブログで焼額山の山頂部を知り、もっとも美しいと思われる夏季を迎える前に、一度訪れてみたいと思いました。

ゲレンデを登るのは、登山道を登るよりも大変で、急な斜面をまっすぐに登っていく印象があります。
1時間ほどで登る予定でも、それなりに大変な思いをするのだろうと。
たしかにそのとおりで、とても大変だったのですが、切り開かれたゲレンデは振り返った眺めが素晴らしく、これは大変な思いをしても、再来する価値があると思いました。

空を映す稚児池

志賀高原の北部に位置する焼額山。
丸みを帯びたなだらかな山容で、標高2009mの山頂部には稚児池が水を張る。
焼額山スキー場と奥志賀高原スキー場のゲレンデが広がり、ほぼ山頂部までゴンドラやリフトが作られているため、運行時季には短時間で登頂することもできる。

登山口からのコースは、ほとんどをゲレンデを登るもので、逆にいえばゲレンデを上部に詰めて行くことで迷うことも無く山頂に辿り着くことができる。
ゲレンデとしての整備が行き届いているために、単調で急斜面を登るだけのコースにも思えるものの、裏を返せば木々が開けているために眺望を楽しむことができる。

11月は紅葉シーズンが終わり、ゲレンデ脇の一部に落葉松が残っている程度。
紅葉で知られる志賀高原とはいえ、11月の焼額山ではそれも期待ができず、ただ冬を迎える前の寒々しい景色が広がる。

山頂に池の広がる焼額山

志賀高原の北奥に位置し、なだらかな山頂部を持つ。
泥が堆積し、雨や雪解けによって溜まった水が稚児池として広がる。
夏季にはミズバショウやワタスゲなどが咲き、空を映す水面が美しい。

焼額山・志賀高原登山

雪のない季節には用が無い場所だと思ってた

志賀高原を代表するスキー場でもあるためゲレンデの下部にはプリンスホテルがあり、登山用の駐車場も設けられている。

11月はサマーシーズンでもスキーシーズンでもなくなった中途半端な季節。
紅葉は盛りを終えて、今にも雪が降るのではないかと思えるほど。
人は疎らで、カメラマンも観光客も少ない志賀高原は歩くのにもちょうど良い。

焼額山スキー場にあるプリンスホテルと、レストハウス的な中華料理獅子との間に、20台ほどの車が停まりそうな広さ。
道路の舗装はキレイなうえに駐車場のアスファルトもキレイに敷かれて、よく見かける登山口付近の未舗装の道路とは違う格段の便利さ。
思っていたとおり工事や整備以外の気配も無く、駐車場の片隅で準備を整える時間も物音すらしない。

焼額山・志賀高原登山

なにを楽しみに来たら良いのか分からないシーズン

駐車場から登山口を差した看板を見つけ、ゲートを避けて林道を歩くと、ゲレンデやリフトが目に入る。
きっとスキーをしていたころに、ここへも何度か訪れていたはず。

入口で登山口を差す矢印を見つけたものの、そこから先には登山口がどこにあるのかも案内が見当たらない。
林道が二股に分かれ、どちらに向かうのかも分からず、とりあえず一の瀬方面へ歩いていくと、登山口の標識を見つけた。

焼額山・志賀高原登山

林道の分岐があるけれど、どっちが正解か分からない

登山道は広く歩きやすい。
ところどころに段差があるものの、段差の高さや厳しい勾配があるわけでもなく、足元一面に広がった落ち葉のだいだい色を踏みながら歩いていく。
風が吹くたびに葉が舞い落ちてくる。

焼額山・志賀高原登山

軽トラぐらいなら走れそうな広さ

10分

木々の間を大きく曲がりながら落ち葉を踏んで10分ほど。
ゲレンデを横切った。

焼額山・志賀高原登山

ここを下りれば駐車場か

この斜面の下には中華料理獅子があるのだろうと思いながら、横切った先にある笹の中へと入っていく。
背の高い笹が左右を囲み、その上には落葉松の黄金色が広がる。
周囲を覆われて見えるものがないからか落葉松が明るく華やかに見え、それを見上げながら斜面を登った。

焼額山・志賀高原登山

落葉松の紅葉はわりと好き

10分も経たないうちに、ふたたびゲレンデと合流した。
ゲレンデは斜面をまっすぐに登り辛く楽しみもないかわりに、木々が切り開かれているために眺望が得られる。
登る先には斜面しか見えなくても、振り返ると志賀高原の峰々が見える。

ゲレンデを登る右側には岩菅山が間近に見え、その山頂に近い木々には雪が付いていた。
さらに上部は真っ白く雲に覆われ、裏岩菅山へと繋がる稜線も隠れていた。

焼額山・志賀高原登山

寺子屋峰から岩菅山への稜線が気になる

焼額山・志賀高原登山

ゲレンデが長い

ゲレンデの登りは単調で、見通しの良い行く先はなかなか近づいてこない印象しか感じられない。
あの登りの膨らみは山頂ではなく、きっとそういう地形というだけ。
見える景色も大きく変わらない。
ただ遠くの景色は変わらなくても、徐々に見えてくる近隣のゲレンデの様子や、切り開かれずに残った木々は変化があって楽しめる。

焼額山・志賀高原登山

葉の落ちた木と笹の模様も良い

ゲレンデがあるというだけで、迷い込んでも辿って登れば山頂に着くという安心感もあり、あわてずにゆっくり登れば良いという気にもなってくる。

焼額山・志賀高原登山

見えた

2回のゲレンデ合流から15分

2度目のゲレンデとの合流から15分ほど。
登っていく先に、ようやく建物が見えてきた。
木々の中に見える白い壁は、きっとゴンドラの最終駅で山頂付近。
ゲレンデをキツい思いをして登ってきて、意外と早く終わりが見えた気になった。

すると、ゲレンデの横に木々の中へと入っていくような道が見えた。
刈り払いのための踏み跡なのか、たしかな登山道なのか分からないまま、とりあえず踏み跡を辿ってみることにした。
ゲレンデを右側に見ながら土手の肩を歩くように進み、樹林帯の中へと入っていく。
落ち葉が積もるだいだい色の登山道。
細かなアップダウンを繰り返して5分ほどでゲレンデへ戻った。

焼額山・志賀高原登山

あっけない

ゲレンデに出てみると、木々の間に入るまでは間近に見えていたゴンドラの駅が見えない。
それどころか目の前には急な登り坂があり、木々の中をウロウロとしている間にゴンドラ駅を過ぎたのだろうかと思えるほど。
山頂は近いのだろうと想像はついても、目の前に見えるのが登り坂だけだと足取りが重く、短いながらも辛抱の時間が続く。

焼額山・志賀高原登山

つらい

ようやく駅が見えて、残った高さが分かってきたころ、ゲレンデの脇に木々が開けた場所を見つけた。
看板や標識は無いものの、ここへ入るのが山頂湿原への道順のように見え、迷いもなくその中へ。
笹に覆われて見通しの無い登山道は、今にも熊が出てきそうな雰囲気にも感じる。
ときどき手持ちのストックで笹を叩いて音を立て、その音で勇気を出しながら歩いていく。

焼額山・志賀高原登山

どこかから熊が出るんじゃないかと・・・

前日までに降雨か降雪があったようで、日影にはうっすらと雪が残り、水たまりや泥濘があって歩きづらくなっていた。

山頂に出ると思っていたこの道は、3分ほどで元のゲレンデに戻った。
木々が開けたところが山頂だと思い込んで歩いていたにもかかわらず、ただゲレンデを大きく回っただけで拍子抜けするようだった。

焼額山・志賀高原登山

山頂じゃないのか

残り少ないゴンドラ駅までの距離を登っていくと、左側に山頂への矢印を見つけた。
木道が敷かれており、それに沿って森の中へと入って行く。

焼額山・志賀高原登山

濡れた木道を見て殺人木道という言葉が浮かんだ

濡れた木道は滑りやすい。
湿地帯を跨ぐように作られていても、滑りやすさで足を落してしまいそう。
2・3分ほどの木道歩きで、分岐点に出た。
分岐を右へ進むと焼額山神社の鳥居を潜り、左は山頂への最短コース。
ここを左へ曲がると山頂はすぐだった。

焼額山・志賀高原登山

着いた

登山口から52分

登山口から52分。
空を映す稚児池が特徴的で、まるで鏡を見ているような景色と、枯れた葉が広がる湿原があった。

焼額山の山頂で稚児池を周回する

泥が堆積して雨水や雪解け水を蓄えているという稚児池。
あいにくの天候で雲が多い中で、雲の隙間から覗く青空が印象深く、長い時間を過ごして空が変わっていくのを見ていたいような場所だった。

焼額山・志賀高原登山

空を映した池ってキレイだなと思いました

広い山頂の中心あたり、稚児池の畔には案内板と枕木が置かれたデッキがあり、さらに湿原内を歩くことができるように木道が整備されていた。
ここにワタスゲやミズバショウが咲くことを想像すると、緑の鮮やかな季節に来てみたいと思うようなところで、短い行程だからこそ時間に余裕を持って山頂での時間をゆっくりと過ごしたいようだった。

焼額山・志賀高原登山

夏の雨の合間に来てみたい

山頂の案内板から木道を進むと、小さな祠が置かれていた。
池を向いているのではなく南の方角を向いているようで、焼額山神社が対岸にあることを思うと意味深だった。

焼額山・志賀高原登山

この祠がなにかは分からない

さらに池を沿うように木道を進み、ちょうど焼額山からの登山道と向かい側になったあたりで木道は池から離れるようになった。
木が迫り出しているのを潜って歩き、稚児池を差した標識の建つ分岐を右へ。
すると奥志賀高原スキー場のゲレンデ上部に出た。
奥志賀高原スキー場から登ることができるのは知っていたが、まさかゲレンデが最上部まであるとは想像もせず、歩いてもおもしろくなさそうだと思いながら景色を眺めた。

焼額山・志賀高原登山

こっちのコースも歩くつもりでいたけれど冷めた

ゲレンデの向こうには名前の分からない峰々。
ただあの峰沿いに林道が続き、秋山郷へと向かうことができる。
もし雲が晴れていれば鳥甲山や烏帽子山も間近に見えたのだろう。

焼額山・志賀高原登山

晴れてたらだいだい色の山がすごかったのだろうな

ゲレンデから、ふたたび稚児池の方へと足を向ける。
特に案内もなく笹の刈り払われた間へと入り、木道の上を歩いていく。
草木の間から稚児池の水面が見えると、すぐに焼額山神社の祠が置かれていた。

焼額山・志賀高原登山

そういえば志賀高原にある峰って高確率で神社がある

木道は分岐して、池の畔を歩いて鳥居を潜るコースと、笹の中を歩くコースとに分かれていた。
どちらへ進んでもすぐに合流するため、鳥居を潜ってみることに。
山頂の案内板があった対岸からは、雲の無くなった水面がさらに青く見えた。

焼額山・志賀高原登山

青い池がね。もう。

下山

稚児池から離れて木道を歩く。
稚児池への分岐点まで進むと、緩やかに下る木道が滑りやすい。
登りでも危なかった濡れた木道は、下りではさらに危険だった。
板に打ち付けられた角材は、なんの役にも立たないのでは無いかと思いながら、滑らずに歩くことができたのは角材が役に立っていたのかもしれない。

焼額山・志賀高原登山

滑りやすい木道は危ないから

焼額山・志賀高原登山

ゲレンデに戻って安心した

ゴンドラ駅まで戻り、プリンスホテルを目指してゲレンデを下りていく。
登りでは木々や笹が開けたところへ入ってゲレンデを離れて歩いていたが、合流することが分かっていると興味も沸かない。

左側に見える岩菅山は山頂部に掛かっていた雲が晴れて、大きな山体となだらかな稜線が見えるようになった。
正面には笠岳や東館山。
志賀高原の端から端までを見渡すような眺めで、見下ろすほどの高さではないところが、山の中へ入っている雰囲気を感じられて良かった。

焼額山・志賀高原登山

ゲレンデからの眺めも意外に良い

スキーで何度か訪れている焼額山スキー場は、ゲレンデの構成がどうなっているのか覚えてもいない。
ただ下りていけば大きな建物に行き着くという、何かの記憶だけでゲレンデを下へ下へ。
登山道よりも遥かに急な角度で、これは登りでは歩きたくないと思いながら、下りの眺めを楽しんだ。

焼額山・志賀高原登山

スキーで見ていたハズの景色だけど記憶も無くて。
とにかく東館から奥志賀を往復することだけ楽しんでいたのだなと思った。

稚児池から30分ほどゲレンデを下りていくとプリンスホテルの前を過ぎ、中華料理獅子の傍ら、土手を下りて駐車場に着いた。

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