長野県の東信エリアでおすすめの山
長野県を4等分するエリアのなかで、東側の東信エリアから10の山をまとめました。
登山百景では主に長野県の1000m付近から3000mを越えるアルプスまで掲載をしています。
目に見えるすべての山に登っているわけではありませんが、少なからず登っている中から自分なりに印象的な山、おすすめできる良い山が増えてきました。
長野は日本アルプスに囲まれているおかげで、日本百名山に数えられる山も多くあります。
その中にあって、北信には百名山と呼ばれる山は多くはなく、代わりに特長的な山が多くある印象です。
長野県の東側といえば、浅間山や八ヶ岳などの百名山が広く知られていますが、その山々への眺望を彩る里山や低山、尾根伝いの山並みも魅力的です。
比較的、関東はアクセスの良いエリアで、中京・関西からは奥深く遠いエリアですが、特徴的で魅力のある山が並びます。
上田市の西側に壁のように美ヶ原の前衛に聳える山。
上田市というと戦国武将として真田氏の名が知られています。
真田氏発祥の地が上田市の東側にある真田町と上田城、そこから見える千曲川を挟んだ西側の眺めは上田市を代表する眺望のひとつだと思います。
別所温泉とその背後に連なる美ヶ原と北方の山並み。
その前衛には端整な女神山、いくつもの峰が連なる独鈷山と、身近に迫る山が見られます。
独鈷山の魅力といえば、なんといっても東西南北に登山口があり、バリエーションルートも含めて多くの登山道が楽しめること。
初心者向けからロープワークが必要な上級者向けのコースまで、登山スタイルに合わせて選ぶことができます。
山頂からは上田市街を一望し、美ヶ原から八ヶ岳へと連なる山並みと、存在感の大きな浅間山を楽しむことができます。
塩田平の特徴的なテーブルマウンテン。
城塞があったという歴史や、信仰の山としての謂れがあります。
塩田平の北側、独鈷山と向き合うような位置で聳えている山です。
山頂部が平らなテーブルのような形の山で、山頂には子壇嶺神社の奥宮が建っています。
南面が崖のように切れ落ちているため、背の高い木々がなく、上田市から南の景色を一望できます。
標高1223mで複数ある登山口からの高低差は500m前後といったところ。
山頂近くは細尾根であったり、山頂の切れ落ちた斜面があったりと、必ずしも安全な山とは言いがたいところはありますが、比較的初心者向けで歩きやすい山でもあります。
特徴的な岩峰と絶好の眺望が得られる八ヶ岳の展望台。
シャクナゲの群生する尾根はテンションの上がる登山道。
200名山のひとつですが、近くに八ヶ岳や百名山の山々があるので、存在感としては地味な印象を持っています。
北相木村と南相木村の南北に登山口がありますが、主には南相木村栗生と北相木村の長者の森。
特に北相木村側からはシャクナゲが多く群生し、5月から6月にかけて登山道が華やかになります。
ちょっとアップダウンや急登があり大変な登山道が続きますが、じゅうぶんに日帰りが可能で、八ヶ岳を見渡す眺望と花とを同時に楽しむことができます。
そんな眺望の良い山頂部は切れ落ちた八ヶ岳が側が岩峰です。
落ちたら・・・なんて考えたくも無いほどの高度感なので、眺めの良さに興奮して飛び出さないように注意が必要です。
反対側も木々に覆われているとはいえ急斜面です。
長野県の南東端に位置する川上村の岩峰。
地味な存在ながら2000mを越える険しい山頂部は見応えあり。
こんなにも見応えがあって眺望も良い山なのに、地味な印象になってしまうのは、すぐ間近なところに金峰山があり甲武信ヶ岳があり両神山があり・・・という位置が関係していると思います。
標高2132mは近隣の山々の中では高い方ではありませんが、それでも両神山より高く瑞牆山より少し低いくらいです。
川上村の林道から入り、柔らかな踏み跡の急斜面を直登し、尾根上に出ると一気に眺望が開けます。
山頂部は大きな岩の塊で、一見してどこから登るのだろう?と感じるような迫力のある眺めです。
もう少し人気が出ても良いだろう?と思うような五郎山ですが、11月から4月下旬まで凍結の可能性があり、登山道が凍った状態ではとても歩く気にはならないような高度感です。
それならやはり八ヶ岳へ行くだろう。。。といったところだと思います。
佐久穂町に聳える信仰の山。
眺望の良い山頂からは八ヶ岳や西上州の山々が一望できる。
新幹線の駅がある佐久市の南側、佐久穂町にある山体の大きな山です。
大きな山とはいえ標高は1717mと八ヶ岳や浅間山が間近にあることを思うと、そう目立った存在でもありません。
そのため茂来山という山を知らなければ、特に気に留めることもないと思います。
主な登山口は2つあり、どちらも佐久穂町から登ります。
大きく裾野を広げた山体らしく、それなりに急な斜面を登りますが、高低差は大きくないので1〜2時間ほどの行程で山頂に到着できます。
見どころはなんといっても山頂部。
西側に千曲川を挟んで広がる八ヶ岳の広さと大きさ、東側には西上州の特異な形をした山々が間近に見えます。
これらの山座同定ができる程度に準備をしていった方が楽しめそうです。
浅間山の北側に位置し、ふたつの山頂を持つ双耳峰。
水ノ塔山からの縦走路と周囲の眺めが楽しめる。
浅間山から高峰山、水ノ塔山と続いて篭ノ塔山のふたつの山頂が並びます。
標高2000mを越える高峰ですが、登山口が2000mを越える位置にあるので、比較的手軽に登ることができるのが特長です。
まわりには湯の丸高原や池ノ平などがあり、合わせて楽しめるのも特長的です。
標高2000m近い位置からのスタートは何よりも便利で、しかも登山口の最寄りで温泉まで楽しめるというのも手軽さを感じられる要因です。
とにかく浅間山が大きく、東側には広がるアルプスや八ヶ岳が一望できるというのも篭ノ塔山の良さ。
6月にはシャクナゲも多く咲くようで、初夏から盛夏にかけて楽しめそうです。
長野と群馬の境に聳える百名山。
浅間山や志賀高原などへの眺望が素晴らしく、周囲の山からの縦走が楽しめる。
積雪期や無雪期、季節を問わず楽しめるところも魅力的。
登山口も標高の高いところからスタートするので、登っている最中から眺望が楽しめます。
主な登山口は長野側からですが、群馬県側からはゴンドラを使用することもでき、北方の稜線を歩いて短時間で山頂に到着することもできます。
この眺望の良さと歩きやすさは、このエリアの山に登るのなら間違いのないポイントだと思います。
北八ヶ岳の南側に位置する岩峰。
樹林帯から突き出た岩から厚い北八ヶ岳の森を見渡せる。
にゅうというと、八ヶ岳の中では地味なイメージを持っています。
それも特長的な山頂部があるわけではなく、突出した高さを持っているわけでもなく。
そのうえ麦草峠から少ない高低差で登ってくることができるなど、いろいろな要因が考えられます。
ただ、にゅう周辺の森の美しさに惹かれて八ヶ岳を歩く人も多いのではないかと思います。
にゅうは森から岩が飛び出した形の山頂部で、そう高い峰ではないために南の眺めは、同じ八ヶ岳の天狗岳や硫黄岳に遮られて遠くまで見渡すことができません。
かわりに金峰山の五丈岩が見えたり、蓼科山から白駒池までを一望して縞枯や木々の緑を見たりといった眺望が楽しめます。
登山道も様々で、時間や体力に合わせた行程が組めるのも魅力的です。
八ヶ岳の北端に位置する。
端整な三角錐と、広い山頂部からは周囲360度が見渡せる。
八ヶ岳に含まれる山ながら独立峰のように見え、どこからでも分かるような美しい形をしています。
いくつも登山口があり、標高2500mを越える高さでありながらも、どの登山口も標高が高いため高低差を抑えて登ることができます。
標高の高さならではの気候の激しさはあるものの、初心者向きともいえる山で、冬季入門の山、日帰り向きの山といえます。
おすすめは竜源橋から将軍平を経由して女の神茶屋へ下りる周回ルート。
登山口が別のため、車道を歩く必要がありますが、序盤のなだらかさ、蓼科山を眺めながらやがて山頂へと至るコースは歩き甲斐があります。
八ヶ岳の南端に位置する高峰。
登山口からの高低差が高く、背中に富士山と山梨の眺望を背負いながら登る。
南八ヶ岳の南東端の山で、長く険しい登山道が続きます。
西側にある編笠山とあわせて縦走の周回ルートにもなりますが、それなりに長い行程になります。
特に天女山から三ツ頭を通るコースは、いったいいつ山頂へ着くのか、三ツ頭はどこなのかと歩きながら言いたくなるほど。
ただ山頂部の大きな岩の根に到着したときには、周囲360度どころか足元まで広がる景色の大きさに時間も忘れてしまいます。
おすすめの登山道は行程の長い天女山、もしくは観音平からの編笠山周回ルート。
南八ヶ岳の南端をしっかりと楽しめるエリアです。