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登山百景を更新し続けて10年近く経ちますが、その間、各地のいろいろな山に登ることができました。
数えると途中で間違えそうなくらいに、多くの山に登ることができ、たくさんの時間を過ごすことができました。
とても運が良くて楽しい日を過ごせたことは幸せだったと思います。

日常的に、こういった日々のことを思い出すことは多々あるのですが、その中でも、印象に残った日を、いくつかピックアップしてみました。

初めはやはりアルプス

初めて登山へ向かったのは北アルプス。
涸沢カールでの紅葉でした。
小学一年生から毎年登山行事があったり、中学で百名山のひとつに登ったりと、環境的に子供のころから山へ入ることが多かったと思いますが、それだけに自主的な登山はしませんでした。

そんな中でキッカケをもらったのは南アルプス鳳凰山。
登山をする楽しみを知らないとはいえ、山へ入ることがあったから辛い登りに苦痛を感じてはいませんでした。
ただ悪天候で山頂に立つことができず、下りを長く感じることや、水が流れる登山道は初めてでした。
その2年後に再訪する機会があったのですが雨、さらに翌年に声を掛けてもらったキッカケでようやく山頂に立つことができました。

鳳凰三山
鳳凰三山
https://tozan100kei.com/route/houousanzan-dondokosawa.php

登山が楽しめるようになってからは、北アルプスを中心に、標高の高い山へ行くことが多くなりました。
比較的、難易度が低く簡単な乗鞍岳、焼岳、装備を揃え体力的にも自信が付いて五竜岳。

テントを持って表銀座を歩いたところから、しばらくテント泊が続きました。
五竜岳はテント泊2回目。
八方尾根から牛首を経由して五竜岳へ。
秋の最盛期だったため、テント場は溢れていました。

五竜岳
五竜岳
https://tozan100kei.com/route/goryudake-karamatsudake.php

五竜岳の次は穂高岳へ。
テントを持って2泊3日の余裕を持った行程でした。
岳沢で1泊、このときに偶然、近くにテントを張った一組と顔見知りになり、違うコースを辿ったにもかかわらず、目的地が同じだったために道中の要所要所で出会うという楽しみがありました。

テントを持っての重太郎新道や吊り尾根は大変でしたが、それ以上に下山時に徳沢でお腹を壊してトイレに駆け込んだのが大変でした。

穂高岳
穂高岳
https://tozan100kei.com/route/hotakadake-jutaroushindou.php

憧れの地のひとつだった八ヶ岳

登り始めて間もなかったころ、少しずつ山名を覚えていく中で、赤岳という山を知りました。
八ヶ岳という大きな括りは名前だけでも知ることがあっても、その最高峰が赤岳だと知る機会はなく、登山を始めてから意識して覚えました。

写真を見ると険しく、赤い岩肌は見た目に危険を感じるほど。
何気なく登山を始めたけれど、こんなところへ行く日があるのだろうか。と。

そんなことを口にしたら、登る機会が出来てしまい、1泊2日の山小屋泊で赤岳へ。
以来、厳冬期や南八ヶ岳の縦走で、たびたび赤岳の山頂に立つ機会が出来ました。

赤岳
赤岳
https://tozan100kei.com/yatsugatake/akadake.php

八ヶ岳へ行くことが増えていく中で、魅力を知ったのは稲子湯です。
南八ヶ岳と北八ヶ岳の境ともいえるエリアで、東側にある、どちらかといえば地味な印象の登山口でした。
主には天狗岳へ登る登山口のひとつですが、豊かな緑と、コースによっては北と南のふたつの植生が楽しめ、落ち着いた雰囲気に惚れました。

稲子湯から登る
八ヶ岳
https://tozan100kei.com/route/yatsugatake-inagoyu.php

カメラがすごいなと思った山

山に登っている楽しみのひとつは景色を撮ることです。
もともと日常をカメラで写真に収めることが好きで、凝ったことはせずとも、何気ない周辺を撮って遊んでいました。
その流れで山へもカメラを持っていくことが当たり前になっているのですが、そもそも凝り性だったこともあり、身の丈よりも良いカメラを連れて歩いていました。

そんな中で、収めた写真が思いのほかすごいなと思ったのは、北アルプスでも八ヶ岳でもありませんでした。

飯縄山
飯縄山
https://tozan100kei.com/route/iizunayama-ichinotorii3.php

御飯岳
御飯岳
https://tozan100kei.com/route/omeshidake-kenashitouge3.php

撮影技術のことをいえば、難しいことも分かりませんが、とにかくデジカメという機械はすごいなと思いました。
思っていた以上にキレイに撮れて、それが思い出として美しく残ることで、山での時間が色褪せずに思い出せるばかりか、記憶や記録として残るという。
もちろん肉眼で視界に収めた記憶も大事なものですが、写真を撮る楽しみがある以上、美しく残せるというのは大切なことでもあります。

思い出深い秋山郷

昔から紅葉を楽しむときは秋山郷でした。
家族みんなで車に乗り込み、志賀高原から切明へと山道を抜けていく。
幼いときには当たり前に見えていた季節の風景が、大人になるにつれて、すごい色合いだと思うようになり、家族の会話に出ていた山名や木々の名前が思い出されるようになりました。

鳥甲山は、なんでもない山のひとつ。
とある事件で毒として使用された「トリカブト」という名前が付いているなんて・・・と思っていました。

それが実は両翼を広げたような山容と、突き出た山頂部が鳥の頭のようで。
だからそう呼ぶのか?と思うようになったのは最近のことです。

鳥甲山
鳥甲山
https://tozan100kei.com/route/torikabutoyama-yashikiguchi.php

崩れ始めている山体は、いつか立ち入ることができなくなるかもしれません。
けれども、手元に残る写真と、ところどころが記憶に残っているので、仮に生きている間にそうなったとしても浸ることができそうです。

標高が高い山だけが楽しいわけじゃない

もともとは百名山ばかりを登ろうと思っていました。
でもすぐに「そういうわけにもいかない」ということに気が付きました。
身近にある山の全てが百名山ではないですし、100の山を登るためだけに全国を巡ることも現実的ではないと思いました。
それよりも身近なところで愉しんだ方が何倍も良いと。

そうして知ったのが万仏山でした。
登山口の周辺には棚田が広がり、蕎麦の花が見られたり、石仏が立ち並ぶ農作業道を見たり。
映画「阿弥陀堂だより」で使われたお堂が建っていたり。

身近なエリアだったこともあり、昔から知っている場所ではありましたが、登るという視点で知ったのは後になってからです。

登山口からの高低差は500m足らず、一時間ほどで登ることのできる山ですが、初めて向かったときには尾根上で迷い、山頂に立つことができませんでした。
それ以来、難易度の高い山として遠ざかっていましたが、友人と登ったことをキッカケにして何度か訪れるようになりました。
複数あるコースで雰囲気を変えて楽しめるのも魅力的です。

万仏山
万仏山
https://tozan100kei.com/joshinetsu/manbutsusan.php

万仏山のように、何度も訪れている山のひとつが独鈷山です。
「信州の妙義山」という呼ばれ方をしているのを目にし、街からも岩峰が並ぶ様子が見えていたため、いったいどれだけ険しいのだろうかと思っていました。
登山道が複数あり、実際、険しいバリエーションルートもあります。
ネットではそれらを見ることもでき、なかなか緊張感のある山だと思っていましたが、実はそこまで緊張感を持たずとも登ることができると知りました。

一度二度と山頂に立つうち、いくつかある登山道を全て歩きたいと思うようになり、季節を変えて訪れています。

独鈷山
独鈷山
https://tozan100kei.com/yatsugatake/tokkosan.php

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